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Je pense, donc je suis.

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京大数理解析研究所(RIMS)の院試に飛び級合格した話

 後進に何か情報や教訓を残せたらと思い、思い出話を認めます。 受験時点でのプロフィール 院進を決めたきっかけ 元々理論物理を修めたくて京大理学部に進学しました。高校まで大学物理と大学数学に触れたことはありません。当初は学部4年間で超弦理論まで修了する予定でしたが、いざ入学してみると夢のまた夢だったことが分かり、とりあえず修士までは進むことを決意。  大学1年の冬に理学研究科のHPにある院試の募集要項を訪れると、「数学・数理解析専攻」と「化学専攻」に3年生からの飛び級制度

    • 内積の(正)定値性と計量の非退化性

      内積の一般化としての計量 一般の有限次元ベクトル空間$${V}$$に対し、高校で習う$${\mathbb{R}^3}$$の標準内積 $$ \bm{x}\cdot\bm{y}\coloneqq x_1y_1+x_2y_2+x_3y_3 $$ の一般化としての内積が以下のように定義される。  (iii)の「非負性」と(iv)の「定値性」をまとめて「正定値性」と呼ぶことも多いが, 本頁では後の議論展開のためにあえて分けてある.  さて, (i)~(iv)のなかで特に重要

      • Kleinの壺の基本群

        概要 まず初めに結論を述べると $$ \pi_1\left(KB\right)=\mathbb{Z}\rtimes\mathbb{Z} $$ となる. ただし$${KB}$$はKleinの壺(Klein bottle)のことである.  これを確かめるために, 以下では「被覆空間作用」(covering space action)と「半直積」(semi-direct product)という概念を導入する. この2つが必要なのは次の定理を利用するためである.  これを$

        • Arxiv Auto-Pick: Firefox Add-on Listing Academic Articles of Interest

          日本語版 Many researchers in the science and information fields check ArXiv (arxiv.org) for updates. At this time I came up with the idea of creating Firefox extension (add-on) automatically picking up articles of interest and organizing a sum

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        京大数理解析研究所(RIMS)の院試に飛び級合格した話

          ArXivで気になる論文を表にまとめてくれるFirefox拡張機能

          English Version  理学系、情報系の方はArXiv(アーカイブ)の更新をチェックすることが多いと思いますが、興味ある論文だけをピックアップして後で読めるようにしたいと思い、自分のPCに論文まとめリストを作成してくれるFirefox拡張機能(アドオン)を自作しました。  完成イメージはこんな感じのExcelファイルです。  よければ使ってください。 必要な環境Firefox(のアドオンが使えるブラウザー) Python Excel これらの導入方法に

          ArXivで気になる論文を表にまとめてくれるFirefox拡張機能

          超伝導のGinzburg-Landau理論

           Ginzburg-Landau理論は、2次相転移の一般論であるLandau理論を超伝導に適用した現象論的説明である. この理論は以前からあった超伝導のLondon理論を内包するものである. 以下の説明では 熱力学 相転移の一般論 磁場中の量子力学 などの前提知識が必要である. 超伝導の定性的な性質 超伝導の性質として実験的に確認されている事実を簡単に挙げる. ある温度$${T_c}$$以下になると抵抗が$${0}$$(超伝導状態)になる Meissner効果:

          超伝導のGinzburg-Landau理論

          環上の代数(多元環)の定義と例

           環論の教科書でサラッと流されがちな代数(多元環)の定義をまとめました. 例も各分野から豊富に掲載していますので, 各自の興味のある分野の例を見てみてください(勉強したことない分野の例がわからなくてもOKです).  特に雪江明彦先生の『代数学2 環と体とガロア理論』(通称:青雪江)の代数の定義と, より一般的な代数の定義との関係を例5に示していますので, 青雪江で詰まった方にも有益だと思います.  以下では$${R}$$は可換環とする.  "双線形性"において, $${

          環上の代数(多元環)の定義と例

          テンソルが意味不明な物理学習者へ: 共変ベクトルと反変ベクトルからテンソルまで

           物理の本ではよく, 「反変ベクトルとは~~という変換則をもち, 共変ベクトルは・・・という変換則をもつものとして定義される」と説明がなされますが, 初学者にとってはなぜ唐突にこのような定義がされるのか非常にわかりにくいと思います.  そこでこのページでは数学的によりシンプルな定義を採用し, 一点の曇りなく自然に反変ベクトルと共変ベクトルが導入されることを説明します. さらに2つの拡張としてテンソルが自然に導入されることもみていきます.  以下では$${\left(e_i

          テンソルが意味不明な物理学習者へ: 共変ベクトルと反変ベクトルからテンソルまで