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スコットランドで生理用品を無料で政府が提供する、というニュースについて思うこと

本日は買い物へ行ってきた。激安スーパーで肉を買いだめしてきたのである。激安スーパーはドイツ系のスーパーでここ数年イギリスを席巻している。イギリスは大手スーパーチェーン4,5件くらいに支配されていたようなものだが、そこに割って入ってきてるドイツ系スーパー2件(アルディとリデル)がある。激安スーパーは庶民的な場所(低所得層が多いとされている場所)にあることが多く、バスに乗って行ってきた。

レジまでものすごい行列である。年末クリスマス休暇に備えての買い出しプラスコロナで外出制限が厳しくなり、スーパーも前みたいに買いたいときにふらっと行ける場所ではなくなっているので(一遍に買い物ができる人数を制限していることが非常に多い。)、とりあえず一回の買い物量が増えているような気がする。プラスコロナの件もあり、英仏が国境閉鎖、イギリスに食べ物を輸出するのが非常に今難しい状態になり、テレビのニュースで一時的に食料供給に時間がかかると言われているプラスEU離脱の期限が迫り、交渉次第によっては関税が細かくかけられ、イギリスに食べ物やら商品が入ってくるのに時間が今までよりかかるため、やはりスーパーの棚が空になるのではという憶測も未だにあり、これが複合して平日の午前中だというのに、スーパーはどえらい混んでいた。

あと10人くらいで自分の番、というときになってセルフレジの方から「カードでお支払いの方、レジ空いてます、どうぞー」という怒鳴り声が聞こえてきた。10人くらい前に人がいるので誰かがカード払いをするであろうとおもってぼけーっと見ていたら、誰もそのセルフレジにはいかなかった。で、私がお店の人の視界に入るように手を上げたら、「はいどうぞ、あなた、はい」と言ってくれたので、10人くらい追い越して会計してかえってきた。なんか申し訳ないが、カード払いなもんで、そんな気分である。

カード払いしない人がまだいるんだというよりも、これ悲しいかな、低所得だ貧困地域だという話になると、カードを持っていない人が多いので現金払いの人が多い。取っ払いで働いている人が多い、銀行口座は審査が厳しくイギリスに移民してきたばかりだと口座を開けない、銀行口座を開いておくほど余裕がない(お金を入れていないと手数料を取ってくるので。)エトセトラ、現金払いではないといけない理由の人は一杯いる。あと亭主がお金を管理して奥さんには現金しか渡さない民族の人達とか(います。)。

そのあとオーガニックショップに行って買い物に行ってきた。生理用品の買い物をして帰ってきた。(ものすごい若いお兄さんがレジでちょっと恥ずかしかった。別に恥ずかしがることはないのだけど。) 何を買ったかは後程述べるにして。

スコットランドでは生理用品を政府が供給するだか、税金がかからなくなったとか、そういう優遇措置を取ることが本年決まった。イギリス、確かコンドームも政府供給である。というか、政府がただで供給してくれている。もちろん外でも売ってるけど。婦人健康センター(産婦人科と婦人科系の検査ができる施設)のようなものが国で作られており、そこへ行けば大きなかごにたくさんコンドームが入っていて、キャンデーのつかみ取りの感覚で持って帰ることができる。プラス、大学生の寮とかにもただのものがおいてある。産婦人科の健康診断でセンターへ行くと大量にくれる。看護師さんに「ピル飲んでないんでしょ。ただなんだから、とにかく持って帰りなさい。外で買うとバカになんないわよ。」とか言われてコートのポケット右手左手に大量に押し込まれたこともあったっけね。たぶんそのラインナップにスコットランドでは生理用品が含まれるのね、と思う。

貧困家庭では生理用品が買えなくて困っている人達もいるので、あと男女で生活していくにはかかる費用が不均等なのでそれを是正するため、タンポンにかかっているVAT(消費税)も是正するよということで。

貧困家庭で買えないっていうのは、今時買えない家なんてあるのかね、と思っていたが、これはあると言っていいだろう。その日のごはんに困るような家庭だったら、やはり生理用品は後回しになるだろう。お母さんがいてこどもがいて、子供もお母さんも生理用品が必要となると、お金が、ということにもなるであろう。

あと、男性が家計を管理していて、女性に買い物をさせる場合とかこの手の商品が女性が必要になることをあまり考えないでギリギリしか渡さないおうちなどだと、買えない。というか、旦那さんに「生理用品買いたいのでお金がほしい」と言えない人達もいるにはいる。民族的、宗教的理由などもあろうと思うが、この辺はデリケートな問題が。

あと、子供が女になるのを異様に嫌がる人達もいるにはいる。子供が大人になるのが、どうしても受け入れられない人達。そういう子供は生理なんかないことになっているから大人が買って与えたりしないのである。

この辺、虐待とかそういう言葉が浮かぶが、とにかく、毎月女性の生活に必要なものが買えないもしくは買わせてもらえない人達がいるのである。

生理用品、結構いいお値段します。日本よりもお高いというか。まず大きな違いはパッケージに入っている量が全然違うこと。だいたい、1パッケージに10個くらいしかナプキンが入っていない。それで200円くらいのお値段である。日本よりは割高だと思う。夜用とかになるともっと量が少ない。タンポンだってナプキンの倍くらいの値段がすると思う。安売りの時を狙って買っているが、生理用品代は結構バカにならないなと思っている。だいたい一パッケージで生理一回分という感じである。なので、毎月何かしら生理用品を買わないといけないことになってる。

タンポンが主流のため、ナプキンはあまり進化もしておらず、なんか10年一日みたいな感じである。種類もそこまで多くない。日本はナプキン原理主義みたいなところがあり、いろいろ種類があるが、こちらは製造しているメーカーも多くないし、種類もそこまでない。じゃあタンポンがたくさんあるのかというと、そうでもない。タンポンもそこまで凝ったものではないし、何十年と同じ感じがする。そりゃいろいろ細かいところは変わっているのであろうが。

ナプキンとタンポンだけだったが、最近は生理カップなるものが出てきてる。それに加えて、最近はパンツにパッドが入っていて、ナプキンもタンポンもいらない生理用のショーツが出てきた。合わせてサスティナビリティのこともあろう、オーガニックコットンのタンポンやナプキンなども出てきて前ほど「同じものしか売ってない」ということもなくなってきたような気がする。そういう意味では非常によい方向に行っていると思うので、この時流が続いてほしいと思っている。

(本日生理用ショーツを入手してきたが、なんか結構パッド感半端ないという感じでびっくりした。入手の理由はごみの軽減、トイレと風呂を他人とシェアしているため、なるべく負担が少ないものを選択肢として用意したいと思ったからである。あと、ごみの収集が日本とちがって頻繁にはないので、ごみとしてまとめた袋のにおいも気になったりするので。)

日本はナプキンが主でタンポンはあまりない、とかいうと皆さんにびっくりされることが非常に多い。「旅行のときとかどうするの?」「スポーツとかどうするの?」というのをよく聞かれる。「あんなもこもこしたの、持って歩くの面倒くさいよ」と言われることが多い。「日本のはものがいいから薄くてたくさん吸収するんだよ」「そういう問題じゃないと思うけど」。

確かに、父母の時代のナプキンに比べれば段違いによくなったとしても、月に数日はアレの入ったポーチを持ち歩き、という生活をしているのは父母の時代から変わらない。タンポンも一日に何回かは取り替えないといけないし、持って歩かないといけないが、あそこまでもさもさしてないし、ごみもアプリケーターなしのものを使えば、少なくて済む。

確かに日本はそういう意味では昔から変わっていないのかもしれない。ピルだって保険適用にならないし、緊急避妊薬だって保険適用ではない。運動のためにタンポン使ってる人もいたことはいただろうが、欧米のようにタンポンが普及しているとも思えない。(薬事法でタンポンも全部欧米のものを日本に持ち込めないと聞いた。)日本はそういう意味では「何も変わってない」のである。

いいか悪いか、というのは別として、というかこれだってデリケートな問題だからいろんなことは一概に言えない。

が、欧米の考え方として、「自分の自由を邪魔するものとは徹底的に戦う」というか、「自分の自由を守って、自分のライフスタイルに合わせてたくさんある選択肢から自分で考えて選びたい。」「生理用品だって、自分の自由や尊厳を守る大事なものであり、自分の行動をいちいちそれで制限されるなんて」というのが根強くあると思われる。別にピルだって、強制されてみんながピル飲んでいるわけではなく、「私はこうだからこうしたい」というのがあってやっているのである。自分の自由のために選択肢があって、それを自分の意志で選択するという過程が大事なのであって、その選択肢を政府やら権力は狭めてはいけないのである。

日本でよく、ネットの記事などで「生理用カップの使い比べ」みたいな記事や「吸水ショーツの使い心地」「タンポンの使い比べ」特集などがあがっているが、コメントを読んでいると悲しくなる。なんか、そういうのを使っている人自体がダメというか、「あんなものを使っているなんて信じられない」「トキシックショックとかあって、体によくないのに欧米かぶれして使ってる」とか、そういうコメントがバンバンあがっていて、ちょっと困惑するのである。それも女性からそういうコメントがあがっているのである。

前にイギリスで、日本人同士で話していて私が生理用カップを使っている、という話をなんとなくしたら、「あんな怖いのを使っているなんて信じられない」「体によくないに決まっているじゃない」と何人かの人にかなり強めに言われてがっかりしたことがある。「ナプキンが一番よ日本のナプキンが一番いいのに」みたいなことを言われて、もう私は日本人の手前でこの手の話題をするのをやめた。話にならないし、ナプキン原理主義なのだから、黙っているしかないのだ。でもこの話のあと、たまたまそこに参加していた方に呼び止められて「カップ使ってる人の正直な感想を聞きたかったから、よい点悪い点教えてくれる?」と聞かれて、ほっとしたこともあった。

正直、カップが万能とは私も思わない。入れ方にコツがあるし、うまくやったと思って寝て朝起きたらとんでもないことになっていたということもあるので、他の商品と併用とか、どうしてもトイレに長いこといけないときなどに使うようにしている。あと、カップを使って実感したのが「ナプキンは無駄が多すぎる」ということ。燃えるものと燃えないものとが混ざっていてかさばり(イギリス、ごみの分別ゆるゆるなのであまり関係ないけど)、とにかくごみとしての大きさがすごいのだ。前に不特定多数の人が使うトイレ掃除というのを何回かやったことがあるが、やはり生理用品のごみというのはばかにならないというか、結構これは、すごいなあという量なのである。(案外ナプキン使っている人、その辺は気がついていないよね。)ま、そんなこと言ってナプキンも使っているけど。

何が言いたいかというと、生理用品や避妊用品などは、選択肢が多い方がいいと思うのだ。自分の生活やライフスタイルに合わせて、年齢に合わせて、自分の意志で、自分でいいところも悪いところも把握した上で自分の生活を快適にできるものを選び取る、というのがいいと思うのだけど。

外国に出てきて、なんとなく感じるのが、日本にいると与えられたものでたいしてその状況に疑問を感じず「なんとなく」選択していたもの当たり前で生きてきたが、外国にいるとそうでもないときが多い。そういうときに「あなたはどうしてそうしたの?」と言われて、自分がいちいち日常でやってること、選択していることを説明することが全然できないなあ、と思うことが多い。それがいいか悪いかはわからない。私はそういうカルチャーで今まで生きてきたのだから、いきなりそれができなくても当たり前だと思う。が、それを言い訳にして何も考えないで生きていくのもなんか、ちょっと違うなあと思う。もう少し、どこにいようが、そういうことちゃんと自分で選んでいく生活をしたいと今は思っている。





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