Barbourにまつわる私が感じた9つのこと
Barbourが日本でも最近人気があると聞いている。及びイタリアでも着ている人が多いそうな。
なるほどということで、個人的にBarbourをよく着る人間として、アドバイスというか、ご参考にしていただければ。
1.ジャケットに近い
とりあえずコートなんですけど、こちらではジャケットということが多いです。あくまでもジャケット扱い。男性でよく見るコーディネイトはオフィスカジュアルで綿パンツにシャツ、でチョッキやセーターなどを着てその上に着る感じ。背広の上に着ている人も多いけど、背広をあんまり着ない感じなので、カジュアルに着ている人が割に多いかなという感じ。女性もジーンズやパンツにセーター、その上にバウアーという人が多いような気がする。
女性の場合、キャサリン妃がたまに着てますが、だいたいイメージ通りの着こなしのような気がする。あと慣れてないというか、初めて挑戦する人はできるだけショート丈がいいような気がする。シルエットがウエストを絞っていなくてズドーンとしてるので、女性が着ると結構大味になるのと好き嫌いが出てくるような気がする。シルエットは独特なので、その辺はよく吟味して買うべきかと。ショート丈だとそこまで神経質になる必要はないと思うので短い方がいいのかな。
2、真冬は着ない。及びインナーは汗を吸い取る素材のものを着る。
あのワックスがけのジャケットは真冬向きではないので、真冬にアレを着てると「寒そうね」と言われることもある。真冬に着るなら薄手なので、中は着こまないと寒い。(そういうときにシェットランドセーターやアランニットなどを着る。もしくはボロラやNピールのカシミアセーターだ。にくいね、イギリス人。)そういう意味では春先、秋口などは大活躍だが、真冬は別のコートに席を譲る感じ。ただし、防水及び防風、冷風を通さないという意味ではものすごい保温性はあります。なので、めっちゃ寒くはない。ただし真冬用のメルトン地のウールのコートやダウンほどは温かくはない。が、それなりに寒さは防いでくれます。あと風を通さないので、通気性があまりなく、気がついたら汗びっしょりになっていてインナーのシャツが濡れていたなんてこともあったりします。(この計算をあやまり体を冷やしてかぜをひいたことがあります。日本の気候に合うか合わないかを考えるとこの辺が一番肝になるような気がする。)慣れで調整が必要かもしれません。真冬に着るならよいニットに投資する必要があると思ってます。その分のお金もとっておいてね。
3、ワックスがけについて
イギリス人はおおらかなのかなんなのか、別にあのジャケットが脂でテラテラしててもあんまり気にしないし、混んだ電車にも乗ってるし、座席にも座る。その辺は神経質ではない。で、あと買ったばかりはワックスがちゃんと乗っているが、だんだん剥げてきてもそのままという人がほとんど。まめにワックス掛けてる人あんまり見ない。ふたのついているマチ付きポケットの角から油が抜けていく感じなので気になる人はそこだけでもワックスを塗っておいてもいいんじゃないかと思う。私も一応ワックスを持ってますがあんまり使ってません、、、あと防水はワックスがあろうがなかろうがそれなりにしっかり防水はしてくれる。あと皆さんおっしゃるのは昔ほど匂いしなくなったっていうのよね。ただしまい込んでいてシーズン初めに着るとなるとかび臭いです。なので、風通しを良くしてから着るようにしてます。日本で着たことはないので、なんとも言えませんが、そこまで神経質になることがあるのかな。最近のバウアーの新品、自動車のシートに脂がつくほどオイルコーティングされていたっけとも思います。(昔のはすごかったらしいが。)
4.一生ものではない
一生ものではないので、「一生ものだから買う」というのはどうなのかなと思う。結構着ていれば、袖口からボロボロにちゃんとなっていきますので。消耗品だと思っていたほうがボロボロになった袖口などを見てショックを受けることはないと思います。イギリス人はあんまり服に思い入れがないというか、雑に扱う人が多い。で、雑に扱った服をずっとそのまま着てる人が多いからボロボロになってもいいのですが。一生もので大切にと考えると結構ショックを受けると思う。
5、できれば洗うな
洗ったりクリーニングはできるだけしないでギリギリ我慢できるまでやらないほうがいいと思う。日本とイギリスとではクリーニングの技量が違うので何とも言えませんが、イギリス人ほとんどこのジャケットクリーニングしないイメージあります。長持ちさせたいならしないほうがいい。
6.フードはつけたほうがいい。
わたしが現在所有しているのはビディルというモデルですが、フードは別売りでした。ジャケットと同じ色のフードがなかったので買わなかったのですが、フードがあったほうがよかったと思うことが多いです。(このフードあると傘なしで、いろんなところへ行けるので。)あと、同時に買って同時に使っていかないと、あとで買い足した場合、色が微妙に違っていることも多いので、同時に買ったほうがいいと思う。くわえて、ずっと使っているとフードをとめているボタンが甘くなってしまい、フードをどこかに落っことしてくるという事態が発生します。なので、気になるようでしたら安全ピンなどであらかじめ留めておいた方がいいです。行きつけのパブで2回フード落として、2回とも無事に帰ってきましたが、バスとか電車などだったらたぶん帰ってこなかったと思われる。
7.気に入ったら買ったほうがいい。
イギリスを代表する定番のジャケットブランドで昔からある老舗ですが、限定で出ているものやダブルネームなどで出てきたもので気に入ったものがあれば買っておくことをおすすめします。同じものは2度と出てこないのと定番といってもこまめにマイナーチェンジしてるので一期一会だなと思ってます。個人的にスティーブマックイーンモデルという、裏地がユニオンジャックになっているバイカーズ型の男物に一目ぼれしたのですが、男物だし、ということで躊躇していたらあっという間になくなった。時々パブで同じジャケット着たおっさんに出会うと思わず「買うから売ってくれ」と言いたくなったりします。ちなみに私の初代バウアーはリバティプリントが裏地のものでこれも限定でした。今のはウィリアムモリスのプリントが裏地になってます。女性ものは裏地が結構いろいろあるので、裏が気に入ったら買うしかない。でも、逃したと思ってもアウトレットにあったりすることもありますのが。
(イギリスで一番有名なアウトレット、バウアーもあると思われる。)
8.変なところに変な仕掛けがあるがそれは全部意味がある
ポケットが変な位置にあったり、鳩目の穴が変なところにあったり、なぜか襟だけコーデュロイで裏に変なフラップがついていたり、と「?」という子ではありますが、慣れればなんてことはないです。もともと狩猟用のジャケットですから、それなりに意味があって、インターネットでググればどうしてそうなってるかいろいろ書いてあると思うので興味がありましたらどうぞ。私はエクセター、ドーチェスターの田舎にある地元の人が行くようなスポーツ用品店で狩猟用のバウアーのスモックを見たことがあります。かぶりになっていておなかのところにポケットがついているやつでした。これはガチの狩猟用のものらしいです。そういう店にハンターの長靴やエーグルのブーツなどがおいてあり、シェットランドシープのセーターや鹿革の手袋がおいてあったりします。要するにもとはと言えば狩猟用のジャケットで、今売ってるのは街着用にしたものなので、普通のブランドのコートやジャケットとは違うのですよね。その辺、わかって着てると面白いと思います。
9.みんな着ている&ダサい問題
みんな着てます。確かにみんな着てる。でも、だいたいみんな似たようなコートとかジャケット着てるでしょ。ということで、これは個人で折り合いをつけるしかない。
ダサい、確かにね。恰好よいとかよりちょっと古風な着こなしになるのか。ただ、これに合わせて全部カントリー調にしなくてもいいと思う。(イギリス人はアディダスとかニューバランスの足元でこのコートという人だっていますので。)ここのジャケットを何十年も着てるおじさんに言わせると「とがった靴と合わせないようにしてるけど、それ以外はあんまり考えたことない」だって。あとこの彼はひげを生やして、いつもハンチングをかぶっているのですが、ハンチングとひげと相性がいいコートなので着ているとのことです。あんまりすっきりして着るコートではなく、ざっと羽織ってきたみたいな雰囲気の方がいいのかな。
女性の場合、バランスを見るようにしたほうがいいと思います。全体のバランス男度女度バランスその他。
わたしは約10年くらい来てます。今ので3代目です。なんで着てるかというと、あまり説明できないのですが、ポケットが好きです。あと色が地味なので安心して着られるというか、目立たず街の風景に溶け込む感じがして好きです。主張もあんまりないので安心感があっていいですね。寒くなってきたら着ないですが、季節の変わり目やまだ冬ではないけど寒いときなどはよく着てます。トレンチなんかより、出番が多いです。トレンチにお金かけるなら私は断然こっちです。