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頭がかゆい

昨年の今頃からいろいろトラブル続きだった。家のこともそうだが、そのほか私の中で大きなトラブルだと思っていたのが、頭皮のかゆみだった。むずむずして、頭皮の上を何かが這っている感じ。かゆくてかゆくて。

日本にいたら、ドラッグストアに行って小林製薬などで出ているかゆみをおさえる軟膏でもすぐ買えたのに。頭の中でありもしない小林製薬のコマーシャルを作ってずっと再生していた。これを塗ればすぐかゆみが消えます、みたいな。異国で暮らしていると、小林製薬はある日突然炎のごとく、頭の中に沸いて出てくる。「ケシミン」があれば、「のどぬーる」があれば。そういう瞬間がたくさんあるのに、小林製薬は海を越えた7000マイルも向こうにある。

かゆみが出るのはたぶん「更年期」なんだろう、と思いこのころから更年期用のサプリを取り始めた。昨年の今頃はまだまだゴリゴリのロックダウンだったけど、サプリはアマゾンで買えた。あとは洗髪頻度を上げたり下げたりして調節、かゆみが出てくると猪の毛のブラシを頭皮に押し当て、手首でうねうね動かしたりした。かきむしるのだけはやめよう、と思い、それだけを避けるようにしていた。どうしても我慢できないときは、アロマオイルを溶かしたシアバターに垂らして、それを塗布していた。(しかしアロマオイルがきいているとは思えなかった。)

昨年は6月に入ってロックダウンがあけ、デパートにも行けるようになった。そうなったときに、私の大好きなシャンプーコンディショナー要するに頭髪周りの商品をやっている植物由来の材料を使い、環境にも考慮しているという大手ブランドの直営店に行った。(日本にも上陸しているブランドである。日本よりもものすごい高い値段設定になっており、結構意識高そうな強気のブランド)その直営店は家からバスを2本乗り継いだ大金持ちがたくさん住んでいるという昔からの日本でいう成城のような地域にある。そこはそのブランドのほとんどの商品がそろっており、シャンプー台が一個だけおいてあって、そして頭皮のケアなどをセラピストにやってもらうための長椅子が置いてあった。店内は独特のヒーリングミュージックがかかっており、そして、中に入るといつもそのブランドが出しているお茶をサービスしてくれるのだった。

このお店がいつ頃できたのかは覚えていないが、私の人生の中にある大事なお店だった。6年前に人生で信じられないくらいショックなことが起きたときに真っ先に駆け込んだものこのお店だった。この時にメンタルや外部環境からくる抜け毛に効くというシャンプーやらローションを買ったのである。抜け毛に効いたかわからないが、ゲランのシャリマーにも似た匂いが私を慰めてくれたのである。

そういう思い入れがある店だったが、あっさり閉店となっており、「コロナ禍のため閉店中、開店はいつになるかはわからない」みたいなことが書いてある看板が貼ってあった。結局、私はそのブランドのお客様窓口みたいなところにメールをして、今の頭皮のトラブルを話し、おすすめの商品を聞いて、その商品が売っていると思われる、ロンドン中心部にある有名デパートの化粧品売り場で頭皮用のローションを買った。

しょうがを使ってるのか、なんだか、知らないが、コーラみたいな匂いのするローションだった。今回頭がかゆくてどうしようもなくなって学んだのだが、イギリスのドラッグストアやらヘアサロン専売品を売る店などで売っている頭皮に直接塗布するローションは、しょうががかゆみに効くとされており、どのローションもしょうがやそれに似た成分が入っていることが多かったように思う。なんとなく、コーラのようなにおいがするのが多かった。(もしくはメンソレータムの匂いがするものが多い)。

それでも頭かゆい病は時々やってきた。夏場ということもあり、汗も関係してかゆくなるのかもしれかった。あまりにかゆいと、体が乾燥してかゆいときに使っていた尿素入りのボディクリームを頭皮に塗った。医者に行くまでもないが、時々しょうもないかゆみが襲ってくる。

悪循環とは言ったもので、頭皮を洗いすぎると今度は毛先や髪の毛ががさがさになる。そうなると毛先に洗い流さないトリートメントを頻繁に塗布するようになり、ブロー時にはブローローションを使うようになる。そして、シャンプーリンスは今まではさっぱりよりちょいとしっとりする程度のものを使っていたが、だんだんしっとり目を選ぶようになってきた。そうすると髪の毛はしっとりして重くなる。洗髪は夜することが多いが、夜洗髪して、その次の日の夕方になると「髪の毛重たいから、洗いたい」になる。だけど洗いすぎるのもよくないのである。洗いすぎると頭皮にかゆみが出る確率が高くなる。

髪の毛と格闘していて、だいぶ時がすぎ、11月くらいに入った。私は久しぶりに美容院の予約が取れ、そこで美容師さんに相談した。使ってるシャンプーリンスは悪いとは思えないですけどね、内臓ってことはないですか、そうでないなら、お湯で洗う温度が高いのでは、と言われ、その時に美容院で使っているというスウェーデンのシャンプーブランドを紹介された。

このブランドはイギリスに上陸して間もないブランドで、ヴィーガン対応しており、サスティナブルをうたい、洗浄成分が優しくそしてヘアカラーを洗い流さないというのが売りだった。サステイナブルでヴィーガンでヘアカラーに優しいなんてとてもいいじゃないかということで、フルライン(シャンプーリンストリートメント、アウトバストリートメント)をそろえて使い始めたが、このブランドを使ったころからかゆみは一段落した。たぶんストレスも関係あったのかと思う。頭のおかしい大家がいる家から引っ越し、そこに慣れたこともあったのかもしれない。

ただし、このブランドにも私は何個か「?」があった。ダメージケアラインは百合の花メインの匂いがする。そのあと使っていたしっとり系は青りんごの匂いがするのだが、においが強烈に濃いのである。百合の花の匂いは独特におしろいくさく、青りんごの匂いはアメリカ製のバブルガムのようなにおいがした。その前まで使っていた私のお気に入りのブランドもかなり匂いがアロマテラピーに基づいた独特の匂いがしたが、ここまで強くなかった。

そして、美容師さんは洗浄成分は強くないといったが、シャンプー後は結構ガサガサする。あとヘナで染めているのだが、ヘアカラーの退色がやたら早い。ダメージヘアラインは使い続けているとだんだん髪の毛がまとまり、髪の毛の調子はそのものはよかった。ただ、ずっとダメージケアなのもアレなので、髪の毛をやわらかくするというソフトというシリーズを使い始めたのだが、このシリーズを使うと、髪の毛が一日持たない。夜髪の毛を洗って翌日の夕方になると髪の毛がめっちゃりという質感になり、「もう洗わないとだめだ」になった。そのころから髪の毛はミディアムロングになりつつあったので、洗髪にも髪の毛を乾かすにも時間がかかる。髪の毛を毎日洗わないといけない+ヘアカラーを頻繁にやらないといけないとなると、結構面倒臭いことになった。私生活の時間にも食い込んでくるようになった。

そのころがちょうど、クリスマス後のボクシングデーあたりで、私は浮気を詫び、大好きだったヘアケアブランドに戻った。そのブランドはクリスマス用のギフトセットの残りをバーゲンしていたので、そこで私が好きだったシリーズの白樺エキスが入っているというちょっとウォッカ(ズブロッカみたいな匂いがちょっとだけする。)の匂いが魅力的なシャンコンをぽちった。

このシャンプー匂いはいいし、髪はしっとりするが、頭皮がかなりすっきりする。それがたまらなく好きだが、洗いすぎるとかゆみが出るので慎重に使っていた。

そして、しばらくして、また私の頭髪に「?」が起こる。毛先がすすきのようになり、まとまらない。うねる。うねりが半端ない。ロックダウン中で、ストレスもあった?美容院にもいつ行けるかわからないから痛んでいる部分も切れないのでそれも影響しているのかもしれない。

「かゆみがなくなれば」「うねりがなくなれば」「痛みがなくなれば」このころになると結構いいと言われてるものにはすぐ手を出した。アマゾンプライムの会員になっていたのでアマゾンで買えば、ロックダウン中でも翌日には手に入る。

まず、アウトバストリートメントをダメージヘア用にした。(これはお気に入りブランドのダメージケアラインのもの)、そして、ヘアクリームを買い乾燥を感じたらつけるようにした。(インスタで話題になっていたどの人種の毛質でも対応できる、ヘアケアにもヘアセットにも使えるというクリーム)。パブのバーメイドのベッキーが勧めていたロングヘアの毛先専用の美容液(イギリスのサロン専用ブランドのもの、アマゾンで手に入った。もmontibelloというブランド、ここは悪くない。私には合わなかったけど)、そして、ベッキーが「やっぱりストレートロングはアイロンがないと話にならないわよ」と言っていたのでアイロンを買い(パナソニック製、イオニックとかそんな名前のもの)、日本の美容雑誌でよく出てきたレオノールグイユというフランスのブランドのヘアオイル、などをそろえて塗っていた。

それでもあまり痛みは治まらず、結局、大好きなブランドが植物由来成分100パーセントのダメージケア用のヘアケアシリーズを出し、それに大枚をはたいた。結構いいお値段のシャンプーコンディショナーをリットルボトルは2割引きサービス期間中に購入、4,5カ月持つと考えたらいいのか。

植物由来成分です、と言っている。イギリスの場合、日本ほどシリコンは蛇蝎のごとく嫌われているということはあまりなく(外人さんの髪の毛は細くて柔らかいので、コート成分として重用されている。)、どちらかというと洗浄成分になっているサルフェートと言われる硫酸サルフェート系という成分が嫌われている。洗浄成分が強いので頭皮に影響を及ぼすとされている。

日本ほど、シャンプーの成分などには神経質でなく、専用解析サイトもない。ただ、やはりシリコンやサルフェートには賛否があるといった具合か。洗髪も日本ほど豆にしないので、またちょっと意識が違うような気もする。

確かに買ったシャンプーはシリコンも硫酸系も使われていないようだが、使用感がなんとも言えかった。とにかくすすぎに時間がかかるのである。だいたいサッカーを見ていてキックオフが8時頃なので、45分終わってハーフタイム中にシャワーに入っていつもならシャワーが終わって部屋に戻るころに後半が始まるのだが、そうも言えなくなってきた。すすぎに時間をかけてもなんかぬるぬるしている日もあれば、すずぎして、なんだかぎしぎしする日も出てくる。加減がつかみにくい。そしてシャワーが終わると風呂場はぬるぬる、排水溝にたまった髪の毛には白い脂の塊がついている。「これじゃ体にいいわけないよ」頭の中の植木等が歌っている。

そして乾かすとがっさがさになる。ダメージヘア用なのにガサガサなのだ。このころから頭皮は全然かゆくなくなったので、それはいいとしても、なんかおかしい。そしてアウトバストリートメントは使い続けてもよくなる気配はなし。その時はいいけど、すぐガサガサになり、だんだん脂っぽくなる。髪の毛はやせてきているような気がするし、抜け毛が増えてような気がしてならない。

ボトル三分の一くらいまで使って、もうたぶんこれ以上よくならないと思った。あんだけ高かったのに、口コミだってよかったのに。匂いはあのブランド特有のアロマたっぷりの高そうな匂いはしない。一般受けしそうな匂いで、そこがひよった感じがしていやだったけど、それでも好きなシャンプーだったのに、結局最後、わたしはこのラインのトリートメントをぽちった。トリートメントの到着はちょっと時間がかかりそうなので、つなぎとしてたまたま通りかかったデパートにこのブランドのカウンターが入っていたので、カウンターの人に相談してトリートメントとトリートメント成分が入ったクリームを買った。トリートメントもクリームはシリコン満載、コーティング万歳みたいな感じだった。もともと販売されたあとかなり年数がたっている商品なので、処方が古いのであろうが、自然派とか植物由来とうたっている割にはケミカルだなという配合だった。まあ、昔、ニュージーランドのブランドでとある種子のオイルが有名だったブランドがシャンプーリンスを出していた。ここのシャンプーリンスもぬるぬるですすぎに時間がかかったが、くせ毛はかなり収まってくれて、好きで使っていた。そこのブランドを押している人のブログを読んでいたときに「石油系成分も自然由来だから、植物由来ともいえる」みたいなことを書いていたのをなんとなく思い出した。(このシャンプーコンディショナーは材料が確保できないということでそのうち市場に出回らなくなった。)

まあ、私は大好きブランドが全部オーガニックである必要もないと思っているし、必要だと思えばシリコンも硫酸サルフェートだってあってもいいとは思っているがホームページの表示などを見るとその背後の政治的なものや、さわやかに見えてその実なんだかドロドロなんというか駆け引きがあるような気がして、このブランドに対する熱は一気に冷めた。

そして、このクリームもトリートメントも途中でポイした。がさがさバサバさになるのだ。ぽちったものは手をつけず、もったいないかなとは思いつつも、返品の手続きをした。このブランドは結構気前がよく、そして会員になると割引もあり、クリスマスシーズンになると周囲へのプレゼントにもちょうどよく、誕生日になると簡単なギフトが来てカウンターでのアロマカウンセリングとマッサージがただで受けられ、と特典もかなりあり、お得だと思っていた。しかし、かなりお金をつぎ込んだが、髪の毛に合わないというか、なんというかいろいろ見えてきたような気がして私はさよならを言うことになった。

ここ1年、かゆみが出てからかなりのお金をいろいろなブランドのヘアケア商品につぎ込んだ。このノートにブランド名全部あげてもいいのかもしれないが、私が今でも人にすすめても大丈夫だと思うものだけ実名にした。結構しゃれにならないくらいの金額を突っ込んだと思う。使いかけの残骸が家にいろいろある。人にあげてもいいと思ったけど、誰がつかいかけの私のヘアケア製品ほしいんだろう。捨て方を調べて、処分した。

今は日本から送ってもらった椿油(五島、三原製油所)、インスタで知ったイギリスの独立系ヘアケアブランド(最近できたばっかりのブランドですが、リバティにもおいてあるらしい。)のシャンプーコンディショナーを使っている。今使っているCenteredというブランドのものだが、一番気に入っている理由は「泡が立たない」ことである。泡立たないとちゃんと洗えているかわかるし、すすぎがラクだし、あと風呂場が変にぬるぬるしない。お値段はいいお値段だが、今のところは安心して使えると思っている。

髪質も変わるだろうし、年取ったらいろいろあるだろうから、さよならしたブランドに戻るかもしれないし、ドラッグストアのシャンプーなどに行くのかもしれない。この先はわからないけど、化粧品もヘアケア商品もいろいろあるなあ、と学んだ出来事だった。

(centeredのホームページ、ブログを読むとサルフェートやシリコンについてこのブランドの創立者の立ち位置がよくわかり、参考になった。このブログが元で私はここのブランドのシャンコンを使おうと決意したのだった。)









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