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めっためったにメタ認知

改札の前でふと、嫌な気配に気づく。感じる。俺は今、スタンド攻撃を受けているッ!!! 『ジェイル・ハウス・ロック』その能力は『3つまでしか覚えられない。4つ目を覚えたら1つ目を忘れてしまう』今回のはさらに強力な攻撃のようだ。 確実に、歯を磨く前に自分に言い聞かせた。『今日は電車に乗るから定期を財布に入れておこう』と。だがッ!!!定期は今ッ!!!机の上にあるッッ!!! 自分が2個前に思いついたことをよく忘れるのに気づいたのは、大学3年の時だった。以降は思いついたらスマホのメ

    • 十戒クイズ

      『"ひざ"って10回言って!』 『ひざ、ひざ、ひざ、ひざ、ひざ、ひざ、ひざ、ひざ、ひざ、ひざ!』 『じゃあじいさんの父親は?』 『He's a grand-grand father.』 引っかかってしまった。 『ひいじいさん』と答えるべきところを、つい"ひざ"に引っ張られてしまった。 10回言っただけで人間の脳はかくも簡単に騙され、誘導され、辱めを受けてしまうのであれば、自分は日常の中でも無意識にひっかけられているのではないかと疑心暗鬼になってしまう。 『"ひいじいさん

      • 文明退化の音がする

        ザンギリ頭を叩いてみれば、なんの音もしない。 代わりに後日ハラスメントの告発があり、社会的な地位を失うのが現代の常となった。 『Z世代』と呼ばれるデジタルネイティヴな若者たちは、過去の偉人たちが一生かけて生み出したテクノロジーを月額980円で弄び、10 秒のダンスで巨額の富を得る。 いい時代になったではないか。真面目だけではやっていけない。個性が爆発しない不発弾は、掘り出されることもなく、いつか爆発する時には既に湿気ているというオチである。 情報量の爆発と、情報処理技術の飛

        • プレゼント/ポストゼント

          人に何かをもらうと嬉しいのは、きっといつになっても変わらない。 小さい頃にもらったお人形も、大きくなってからもらった時計も、値段こそ違えど同じように嬉しいのは『誰かからもらったから』なんだろう。 人と人が何かを渡し合うことには不思議な力がある。 まるで付加価値がついたような。 値段以上の何かが宿っているような。 見えない気持ちが含まれているような。 そんな不思議がある。 今年は誰かに何かをあげられたかなと振り返る。 もらったものはたくさんあるから、来年はこれ以上に返せるよ

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        めっためったにメタ認知

          冬眠ポテンシャル

          日々、何かにぶつかる。 できると思っていたことが出来ず、できないと思っていたことが案外出来る。 自己認知の甘さを痛感しながらも『やったことない』を『やってみた』に変える人生活動を積み重ねていく。 さながら脳内には毎日いくつもの動画サムネイルがアップロードされる。 『【個人情報】30歳独身がマイナンバーカード申請してみた【今更】』 『【コツコツ】年収300万円の私が積立NISAを始めたワケ【資産運用】』 なんともコンテンツ力の弱い動画の再生数を稼ぐため、友人たちに自身の体験

          冬眠ポテンシャル

          Mythogy〜三十路神話〜

          あっという間に20代が終わり、遠い昔に星空を眺めて思いを馳せた神話のような30代に突入する。 その直前、20代の滑り込みで転職活動をし、無事に自身では大満足と言える結果で年末を迎え、新しい組織での生活をスタートすることができた。 今回は久しぶりの投稿として、20代最後の人生選択『転職活動』について、自身の経験を新鮮なうちに記録しておこうと思う。 背景 活動自体を語る前に、ざっくりと経歴をご紹介する。 神奈川県に生まれ、姉の後にならって中学受験をし、進学校の真ん中らへんの成

          Mythogy〜三十路神話〜

          棚卸〜3年を終えて〜

          ちょっと遅いけど社会人生活3年を終えての棚卸のようなもの。備忘録。 ・仕事は他の全てのことと同じで、頑張った分だけ報われることの方がずっと多い ・仕事は報われやすいが、人からの評価は報われにくい ・ほとんどの社会人は、上司や先輩が期待するレベルよりもずっと下であることが許されている ・今年頑張れなかったことは、来年も頑張れないと思った方がいい ・人は仕事を通して、自分の人生の多くを形作っている ・仕事は大体誰がやっても一定は同じになる。だからこそ、その中に発揮された個性に強

          棚卸〜3年を終えて〜

          デジタルファンタジー〜光の技術者〜

          魔法に魅せられて、人はファンタジーの世界への扉を開く。 その入り口は世界の至るところに散りばめられていて、本のページ、テレビの画面、深海の底、部屋のタンスの奥が異世界に繋がっているくらいなのだから、もはや、現実とファンタジーの世界はごちゃ混ぜになっているのかもしれない。 しかしまだ、我々は現実世界に留まっている。 IT技術で魔法を再現しながら、その裏にあるアナログな努力を見せないことで、誰かの世界に魔法を存在させているのだ。 つぎはぎの魔法が、技術者の疲労が、現実とフ

          デジタルファンタジー〜光の技術者〜

          そんなに似合わせないショート

          カメラに手をかざす。ふと、画面は暗くなり、写っていた女性が見えなくなる。 手をどけると、再び女性が現れる。 髪型関係なく美人な女性の髪を短くして『魔法』と称するイケメン美容師の今回の魔法術名は『絶対似合わせショート』 習得にどれだけの鍛錬を積み重ねたのか。美容師はイケメンである必要はあるのか。さまざまな疑問はあれど、1つだけ解決しておきたい論理問題がある。 『絶対似合わせショート』が施術されなかった客のショートは、果たしてなんなのか? 集合理論を用いた、絶対に追及し

          そんなに似合わせないショート

          勤続疲労

          折れてゆく。ポッキリと。 外部からの力が繰り返し加わると、本来はそれ以上の力に耐えられるはずなのに、簡単に折れてしまう。 自分の芯や、軸や、『曲げられない』信念のような、とにかく概念的に固い何かを心のうちに持っていた人が折れていくのを見かける。 それは、物理の法則か。 それとも、現代社会の法則か。 ボクサーの定理『硬いものは殴ってもいい』『柔らかいものは丁寧に扱う』そんな暗黙のルールがこの世には存在していて、人間だって1つの形を持った物体なのだから、例外なくこのルー

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          人生予算案

          たった数ヶ月の就活の末、みんな知ってるあの企業に入社が決まった『優秀な学生』が勝利宣言を声高々に。 今後の人生計画も、うまく立つようだ。よかったよかった。 これで彼の人生も、めでたしめでたしの昔話として、数百年後の子供たちの枕元で語り継がれることになるだろう。 しかし、何かがおかしい。 一言で言えば、『採算が合わない』 自分の中の経理部が、合わない収支計画に警鐘を鳴らし、予算案の決議に『待った』をかける。 そんなことお構いなしに前へ、上へ、ビジョナリーな未来にどん

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          革命返し

          『日本史の"乱"と"変"の違いって知ってる?』 クーデターによって権力の交代に成功したら"変"、交代せず失敗したら"乱"ということになっている。 本能寺の変が『本能寺の乱』ではない時点で、本能寺は『燃やされるだけの価値があったわ』と天国の木造建築達に自身の炎上武勇伝を語る権利を得ているのだ。 現状に不満がある人は『革命家』になりたがる。レジスタンスを組織し、長年謀反計画を温め、世界をひっくり返そうと企てる。 世界をひっくり返そうなんて、いつの時代の表現なんだろう。地球

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          n+1回目のプロポーズ

          他人の作る飯は美味い。 自分で飯を作るようになってから、他人が作る飯の旨さに気付く。なぜだろう。 『愛情たっぷりだからね!!』と彼女に言われても『どの段階で"愛情"を投入するかによって味は変わってくるのでは?』と考えてしまうし、『料理は勘だからねぇ』と母親に言われても『成分を分析すればその"勘"もなんらかの調味料の比率で出てくるのに』と思ってしまう。 人間の舌に配置されている味蕾の数は、大人になると減少するらしい。それは幼少期に人体に対して毒素を持つ食べ物を敏感に判断で

          n+1回目のプロポーズ

          季節の彩り野菜と25条のカレー

          『カレー食いてぇ』 無性にカレーが食べたくなった時、頭に浮かぶのはココイチのフライドチキンカレーや近所のネパールカレー屋さんのナンカレー。せっかく外で食事を食べるなら、お気に入りの店にいきたくなる。 しかし本当に自分が求めているのはそこまでのクオリティだろうか。今俺の身体は『カレー体験の記憶』が薄れつつあり、『カレー感覚の実感』が枯渇しているから無性にカレーが食べたいから自分の知る中で上位に位置するカレーを食べたいと思っているが、本当に俺は今そのカレーを食べないと満足でき

          季節の彩り野菜と25条のカレー

          言い訳翻訳機

          『I'm not good at speaking English.』 和訳問題が出たとしたら、正解は『私は英語を話すのが得意ではありません』ではない。 『英語下手なの自分で分かってるから指摘してこないでね』だ。 多くの日本人がこの『言い訳構文』で生きている。正直英語なんてそもそも母語でも母国語でもないのだからうまく話せなくて当たり前だし、数ある技能の中で英語ができないことだけを特別に恥じることもない。 英語が話せないことを恥じる気持ちがあるのなら、その前に自分の根本

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          日本人能力検定

          『にほんごを べんきょう しています』 留学先にわが国を選んでくれたスリランカ人留学生が、早速勉強の成果をLINEしてきてくれる。他国を理解するために言語の勉強も疎かにしないのは尊敬だ。 しかし何か違和感がある。 市役所での手続きで違和感の正体に気付く。 『こちらにお名前をカタカナでご記入ください』 そうじゃん。彼らの名前カタカナじゃん。なんでひらがなから勉強させ始めるのよ。 ただでさえひらがな、カタカナ、漢字と3種類の文字があることに難しさを感じているのだから、

          日本人能力検定