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「カラマーゾフの兄弟」に描かれる家族の悲劇の原型
NHK「100分de名著」カラマーゾフの兄弟を視聴。
亀山郁夫先生の解説がすばらしいし、
伊集院光さんが絶好調でぐいぐい切り込んでくるのが爽快で、
二回観てしまった。
名著とはこういう作品のことを言うのだろう。
家族の闇は人生で最大の苦しみだと思うが、
その原型がここには描かれている。
そして、結末が悲惨すぎて、
それに比べれば、まだ自分の問題はましなほうだと思えるのが、
最大の救いで、
もし、今、何か一つだけ、本を持って逃げていけと言われたら、
これを選んでもいいとすら思える。
映画が見たいと思って探したが、
今、配信されている作品はなかった。
その代わり、
舞台を日本に変えて作られたテレビドラマ「カラマーゾフの兄弟」を観た。
びっくりした。
こっちの方がよくわかるじゃないか。
やっぱり社会背景とか文化がわかることは大事で、
「キリスト教」という要素が取り除かれた分、
家族関係の問題がよりわかりやすく浮彫になり、
すいすいと筋が入ってくる。
それに、
市原隼人、斎藤工、林遣都、松下洸平という四兄弟がすばらしく、
特に市原隼人がめっちゃいいので、
これは何度でも見たくなる。
こんな名作ドラマがあったのか。
「父殺し」は人類永遠のテーマなんだろうと思うと、
ちょっと気が楽になった。