石牟礼道子とエリン・ブロコビッチ
100分で名著のMCの伊集院光さんが、
一番エネルギーを使ったという「苦海浄土」。
若松英輔さんの解説がとても素晴らしいのだが、
アメリカであった同じような公害で、
企業にものすごい額の補償をさせたエリン・ブロコビッチを思い出した。
なぜ、日本は、チッソに巨額の補償をさせることができなかったのか。
チッソからスズメの涙の補償金をもらい、
もうこれ以上責任を問わないという契約を取り交わした時、
被害者が「お金はいらないから、チッソの重役には水銀を飲んでもらって、水俣病にかかってもらったらそれでいい」と言ったというくだりがあるが、
煮え湯を飲ませてやるということは、
そういうことだろう。
石牟礼道子さんが「これは闘いだ」と言ったというのが、
ものすごく腑に落ちる。
企業とか国とかも、
人格なんだということを、
徹底的に可視化することでしか、
弔いはできないと思う。
闘いはやめてはならない。