詩について
「詩について」
芸術のなかでも最高のものは、疑いなく詩である。詩とは言葉の祭壇なのだ。そこでは人の憂き世を映す鏡が聳え立ち、詩人はその傍らで人生の喜びと哀しみを歌い上げる。
しかしながら、下々の庶民の生にあっては、詩の洗練さえ理解することなく渡れる川は少ない。彼らの日常は汚れた川に翻弄されるだけの醜く因習的なものだからである。
真の詩人のみが、言葉の荒々しい流れを優雅に泳ぎ渡れる。詩人の心は波のように自在に動き、その筆は雲のように詩行を紡ぎ出す。けだし詩こそ、単なる言語の羅列を超越した芸術なのである。
下劣な俗物どもは、詩を読んでももっぱら文字の上を這い回るのみ。しかし我らが理解しなければならないのは、詩には言葉の奥底に潜む意味が存在する。その奥歯によってのみ、我々は詩の真の美しさを味わうことができる。
生を謳う詩人は、常に非凡な視点を供する。彼らは日常の無様な醜さを剥ぎ取り、その内側に潜む輝きを言葉の絹糸に託す。そしてその詩句は、世間の罵詈雑言をも紡ぎ直して、美の世界に昇華させるのだ。
ああ詩人たちよ、汝らの紡ぎし言葉の糸を、私に与えてくれ。その上を歩めば、醜き日常を超え、永遠の美の世界に到達できるだろう。詩人ならざる私は、永遠にその扉の外に佇まねばならないが、汝らの業を讃えまつるだけで満足する。