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全体性(歴史的文脈)を恢復しないことには現代人は救われえないということ、について
全体性には歴史性が重要な要素として含まれている。
全体性と歴史性の関係
時間的連続性
過去・現在・未来の有機的な結びつき
個別の出来事を歴史的文脈に位置づける
世代間の記憶や経験の継承
断片的な時間認識の克服
社会的・文化的文脈
個人の経験と集団の歴史の関連
文化的記憶の蓄積と継承
社会構造の歴史的形成過程
異なる時代の価値観の対話
弁証法的発展
矛盾や対立を含む歴史的展開
過去との批判的対話
現在の問題の歴史的理解
未来への展望の形成
具体的な例:
ヘーゲルの全体性概念
歴史を精神の自己実現過程として捉える
矛盾を含んだ発展的統一
理性による歴史の把握
個別と普遍の統一
ルカーチの全体性理論
社会的総体性としての歴史理解
経済・政治・文化の相互連関
階級意識と歴史的主体性
リアリズム文学における全体性
現代における課題:
グローバル化時代の全体性
異なる文化圏の歴史の統合
多様な時間意識の共存
ローカルとグローバルの関係
複数の歴史観の対話
デジタル時代の歴史性
情報の即時性と歴史意識
アーカイブと記憶の変容
新しい時間経験の出現
メディアによる歴史認識の変化
新しい全体性の可能性
断片化を超えた統合の試み
多元的な価値観の共存
開かれた全体性の模索
歴史的想像力の復権
このように、全体性の概念は必然的に歴史性を含み込むものであり、現代における全体性の回復は、新しい歴史認識の構築と密接に結びついている。
私たちが普段何気ない仕事終わりの帰り道や日曜日の夕方にともすると感じる虚無は時間の連続性を取り戻すことによってしか快癒しない、と仮固定する。村上春樹の小説にやわらかいソフトな虚無が転がっているようにわたしたちには少なからず「社会」や「歴史性」が欠落している。それはまたおばあちゃんの声であり、おじいちゃんの叱咤であり、母の介抱なのだ。ベルグソンも「時間」について考えたが、私たち人間だけが意識を過去や未来や現在に投影することができる。サルは目の前のおにぎりしかくわない。手に入れた柿の種はその場ですぐには食えないので蟹にやって育ててもらう。「かにむかし」に登場する猿のままでは私たちは成熟できない。