国際版画美術館にて
先日、再開された町田市立国際版画美術館に行ってきました。
「#映える風景を探して 古代ローマから世紀末パリまで」という展覧会で、版画を中心に、16〜19世紀までの西洋風景画の歴史を辿っています。
私は版画が好きなのですが、それに気づいたのは数年前でした。
自分でも銅版画をやってみたくて、体験講座に参加したこともあります。
中学くらいからずっと美術が好きだったのに、目の前の絵が何によって描かれているか、ほとんど意識がいってなかったのですね。
油彩も水彩もパステルも、すべて並列に「絵」でした。
けれども、ふとしたことで気づきました。ある時から、惹かれるものに版画が多いということに。
あれ?これって版画か、、、と。
それまでほとんど気づいていなかったという(それで美術が好きといえるのか)。
そんなわけで、版画の展示は有名無名を問わず好きで、版画工房の生徒さんの作品展を見に行くこともあります。
で、国際版画美術館。
町田駅から徒歩15分くらい。ものすごい急坂を下った所にあります。
この美術展、さきほどBS日テレの「ぶらぶら美術・博物館」で特集されていて、あらためて解説が聞けて面白かったです。
展示作品は撮影可能でしたが(当然フラッシュはだめ)
スマホでブレ気味、曲がっています・・・が、ほんの一部をアップ。
レンブラント・ファン・レイン 「三本の木」1643年 エッチング
さきほど番組で、右下の茂みの中に男女がいると言っていたのですが、よく見ると本当にいました。よーく見ないとわからない・・・。
イタリアのジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージ「ローマの景観」より
トレビの泉(1751年) エッチング
下の文字が気になるようになってしまい、ついついじーっと見てしまう。
こちらもピラネージ。コロッセオの内側
ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナー(原画)
「イングランドおよびウェールズのピクチャレスクな風景」より
ローンセストン
馬に乗って旅していく風景が素敵で、絵の中に入っていきたい感じ。タイトルの文字もいいです。
同じく「イングランドおよびウェールズのピクチャレスクな風景」より
聖ミカエルの山
ユベール・ロベール(原画)
「メディチ家の館の柱廊と庭園」1776年頃、
水彩画法エッチング、エングレービング
これ、綺麗だったのですが、ブレてしまいました。
フランスの書体っぽくて、素敵。ついつい撮ってしまう。
トマス・ショッター・ボイズ「パリ、ゲント、アントワープ、ルーアンなどのピクチャレスクな建築」より 1839年刊 リトグラフ(多色)
大時計通り、ルーアン
「腐食銅版画家協会:近代の腐食銅版画」より
A.P.マルシアル 腐食銅版画家協会本部
町の風景などは当時の風俗みたいなものもわかって面白いですね。
時代を超えて、旅情を誘うような風景も多く、旅したい気分になる展示でした。
ちょっとローカルな場所ですが、世界でも珍しい版画専門の美術館です。工房やカフェもあります。
書くこと、描くこと、撮ることで表現し続けたいと思います。サポートいただけましたなら、自分を豊かにしてさらに循環させていけるよう、大切に使わせていただきます。