クラスメイトに弱みを握られました。 8
○○:もう大丈夫……….
瞳月:もういいの?
○○:うん、制服汚しちゃってごめん
瞳月:これくらいいいよ
○○:じゃ、また明日
瞳月:ちょっと待って
家に向かって歩き出した○○くんの裾をきゅっとつまんで引き止める
○○:なに?
瞳月:うち来てよ
○○:なんで?
瞳月:心配だからだよ、今の○○くん1人にしちゃだめな気がするの
○○:もう大丈夫だって
瞳月:しーにはわかるよ、○○くん嘘ついてる
○○:嘘なんかついてないし………
瞳月:じゃあ、その悲しそうな顔はなに?大丈夫ならいつも通りの○○くんになってよ
私はずっとずっと○○くんを見てきたんだ。付き合う前からも付き合ってからも別れてからもずっとずっとずーっと見てたからわかるんだ。今の○○くんは無理をしていることを。
○○:…………
瞳月:いつもの○○くんに戻るまで帰さないから
逃げないようにしっかりと手を握って家に向かって引っ張りながら歩いていく
家に着いてからお母さんに○○くんのことを説明してしばらくうちで面倒を見ることになった。
瞳母:○○くんだっけ?うちは大歓迎だからさ、落ち着くまでずっと居なよ、それに瞳月も嬉しそうだしね。あ、お金とか気にしないでここを自分の家だと思っていいからね?
○○:ありがとうございます……..
瞳月:荷物置きいこ?
○○:あ、うん
荷物を持って山下さんの部屋に入る
瞳月:適当に置いていいよ
○○:ありがとう
できる限り邪魔にならなそうなとこに置くと山下さんにベッドに腰かけるように催促される
○○:ん、なに?
瞳月:なんでもいいじゃん、ほら座って?
ただし今の関係はただのクラスメイトだ。前みたいにくっついたりしないようにひと1人分空けて腰掛ける
瞳月:遠いよ………
○○:当たり前だろ、今はクラスメイトなんだから
瞳月:むぅ……….
ここで必殺、頬をふくらませて上目遣いで見つめる攻撃。
○○:今さら無駄だよ
瞳月:ちぇ………
どうやら○○くんは完全に私のことはなんとも思ってないらしい。私はずっとずーっと大好きなんだけどな……..
○○:山下さんさ、諦めるってこと知らないの?
瞳月:しーは絶対諦めないよ?また○○くんと付き合うもん
○○:時には諦めも肝心って知らない?
瞳月:そんなの知らん
○○:そうですか………
もはや呆れてきた……..
瞳月:○○くんはさ、彼女欲しいとか思わないの?
○○:思わないね、
瞳月:そっか……..
瞳母:お風呂湧いたよー!
瞳月:○○くん先入りなよ
○○:後でいいよ、お邪魔してる身だし
瞳月:うちはお客さん先って決まってるのっ!ほら入ってきてよっ!
背中を押してお風呂にむりやり放り込む
○○:着替えないんだけど、
瞳月:パパの置いとくから入ってていいよ
○○:ありがとう
瞳月:うん、ゆっくりでいいからね
○○:うん
タンスからパパのパジャマを取ってお風呂に持って行く
瞳月:ここ置いとくよ?
○○:ありがとう
瞳月:しーも入っていい?
○○:入ったら殺す
瞳月:へへっ、冗談だよ〜
ほんとに入ろうかどうか迷ったことは秘密
山下さんがお風呂に入って数十分ほど経った。
瞳月:ちょっと○○くん来てー!
○○:なにー?
瞳月:いいから来てー!
○○:なんだよ……..もう
お風呂まで行くとドライヤーを持った何か言いたげな山下さん
○○:うん、戻るわ
瞳月:ちょっと!
戻ろうとすると手を掴まれる
○○:自分でやれ
瞳月:今回だけでいいから!お願い!これ憧れだったの!
○○:わかったよ…….
仮にもお邪魔している身だ。これくらいはやらないといけないなと思った。
洗面台の前に立つ山下さんの後ろに周り髪を乾かし始める
瞳月:へへっ、夢みたいや…….
○○:楽しそうでなによりですよ…….
段々と腕が疲れてきて女子は毎日のようにやっていて大変だなーと思った。
乾かし終わり満足気な山下さん
瞳月:ありがとう、○○くん
○○:うん
夕飯をご馳走になり夜も遅くなってきて寝ることになった2人
瞳月:しーの部屋しか空いてないんだけど、いいよね?
○○:まぁ、しょうがない
瞳月:…….一緒に寝てもいいんだよ?
○○:布団敷かないと
瞳月:無視しないでよ!
○○:うるさい、
騒ぐ山下さんは気にせずに布団を敷いて横になる
瞳月:もう寝るん?
○○:もう23時だぞ
瞳月:まだ23時やん
○○:とにかく寝るからな
瞳月:お話しようよー
○○:話すことなんかない、以上
瞳月:冷たいなぁ、
○○:いいから寝ろ
瞳月:まぁ、いいや明日は絶対寝させないからねっ!
○○:はいはい、おやすみ
瞳月:うん、おやすみ
○母:○○こっちみて!
○○:はーい!
○母:はい、チーズ
○母:いいのが撮れたわ!次はあっち行こう!
○○:まま待ってー!
○○:お母さんっ……..!
○○:っはぁ………夢か……..
瞳月:○○くん…….?どうかした?
○○:な、なんでもない……..起こしてごめん
瞳月:嘘つき……..
さっきも言ったけどあなたの嘘は私に通用しないんだよ?私はあなたのことなら何でもわかるんだ。今あなたは誰かに甘えたいってこともね。
そーっと○○くんの布団に入って後ろからぎゅーっと抱きしめる
○○:な、なんだよ!はなせよっ!
私から離れようと暴れても無駄だよ○○くん
瞳月:離さないから……..しーはずっと○○くんのそばにいるよ
○○:そんなこと頼んでないんだよ………
瞳月:頼めないだけでしょ、本当は誰か隣にいて欲しいんでしょ?
○○:………….
瞳月:しーはずっと○○くんの隣にいるよ
○○:………..
瞳月:うわっ、
急に黙り込んだと思ったら○○くんは突然私に抱きついてきた。
○○:今日だけこのままでいさせてくれ………
瞳月:もちろんいいよ、
ようやく○○くんが甘えてくれて私はとても嬉しかった。
to be contunued…
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