日の出より眩しい⁉︎ アバルトと迎えた刺激的な朝
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夜明け前の静寂を切り裂くように、サソリのエンジンの鼓動が響く。いつもの峠道へ向かう道すがら、闇はわずかずつ色を帯び、やがて朝の気配を纏いはじめる。アバルトの軽快なボディと、手を入れた足回りが見事に応える。全開とはいかないが、公道だからこそ生まれる緊張感と制約の中での遊びが心地よい。
現場に着くと、ダンパーの微調整を繰り返す。微細な変化が、走りの表情を変えていく。この領域での試行錯誤がたまらなく楽しい。ようやく納得のいくフィーリングに仕上がったところで、ふと日の出を見に行こうと思い立つ。YouTubeで紹介されていたスポットへ向かうが、土地勘のない道では時間が読めず、日の出の瞬間には間に合わなかった。太陽はすでに姿を見せ始めており、景色の美しさよりもただただ眩しいという感覚が先に立つ。目が焼かれるような光の強さに、しばらく視界が霞んでいた。
そのまま東名高速へ。通勤時間と重なり、混雑の波に乗りながら高速域の挙動を確かめる。流れに合わせた走行では問題ないが、やはり軽量ボディゆえの限界がある。大きめの段差を越えるたび、車体はわずかに跳ねる。最近はポルシェやマクラーレン、フェラーリといった高価格帯の車にばかり乗っていたせいか、感覚が少しズレているような気もする。
帰宅すると、猫たちが迎えてくれた。朝の走りの余韻を抱えたまま、彼女らと二度寝をする。しばらくの眠りの後、目を覚ましても特に予定はない。ならばと、会社へ向かいタイムアタックの準備に取り掛かる。無心にタイヤを組み替え、淡々と作業を進める。
最近、休日の過ごし方が分からないと知人に話したことがある。「働ける人は365日24時間働けばいいんです。幸せな休日の過ごし方は人それぞれですから。」そう言われ、なるほどと思った。幸せかどうかは分からないが、考えることなく手を動かす。
昼過ぎ、他の従業員がやってきたので、焼肉を食べに行くことにした。いつもハードな作業を任せている彼に、お礼のつもりだ。腹が満たされると、帰宅し、猫と昼寝をし、筋トレをし、ウォーキングをし、いつものルーティンを淡々とこなす。
休日が終わる。世の人々は、どんなふうに休日を過ごしているのだろう。
