決断の瞬間：一度の来店から始まる大仕事

9月19日(木)MAX織戸パークトレーニングin幸田サーキットで会いましょう。

今日も県外からの来訪者があり、スイフトスポーツのタービン交換を行った。ほんの数ヶ月前、オーナーが初めて店に訪れた際、オイル交換を頼まれた。その時、偶然にもタービン交換の話が持ち上がり驚いたことに、その場で即決された。タービン交換は簡単な話ではない。風量に合わせてキャタライザー、マフラー、プラグの交換が必要となる。それらすべてを一度に決断し、即座に入金まで済ませて帰ったオーナーの姿は、まさに決断力の象徴だった。

今日、その約束を果たすべく、車両を預かる。ほぼ新車同然のスイフトスポーツは、外装のカスタマイズが美しく施されており、どこかのデモカーと見紛うほどの仕上がりだった。その美しさに触れ、私の心も静かに高揚する。数十台もの同様の作業をこなしてきたとはいえ、今回も特別な気持ちを抱きながら、一つひとつの作業に丁寧さを心がけた。

エンジンルームに向かい工具を手に取ると、いつものリズムで作業が進んでいく。慣れた手順ではあるが、その瞬間に感じる緊張感は決して薄れない。仕上がった車両は、静かに、しかし確かな力強さを纏っていた。

納車の時、お客さんが微笑んだ。満足げな表情に私も胸が温かくなった。私の手が、車と彼との新たな物語の一ページを刻んだのだと思うと、今日の仕事が一層意味深く感じられた。