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フルードに宿る時間:10万キロの汚れを洗い流す

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今週は、ひとつのリズムの中に流れる作業の連続があった。CVTフルード交換という日常的な行為にも、そこには小さな物語が存在していた。ヴェルファイアは、10万キロ以上の旅路を無交換で走り続け、その証としてフルードは光を通さないほどに黒ずんでいた。10リットルの交換作業を経てもなお、透き通った輝きを見せないフルード。それでも、さらなる7リットルの追加交換が、やがてその澱んだ色合いを澄んだ透明へと変えていく。

交換後、雨に濡れた路面を走り出すと、装着されたタイヤは10年以上前のスタッドレス。軽くアクセルを踏み込むだけでホイールが空転し、その瞬間に伝わる力が甦ったことを感じた。マニュアル車とは違い、直接的な感触がない分、変化は目に見えにくいが、精神的にはすっきりとした安堵感が広がった。

抜き取ったフルード
10ℓ交換
合計17ℓ交換

次に取り掛かったのはスバルXVのCVTF交換。こちらも前回、弊社で交換作業を行ってから4万キロ走行したという。抜き取ったフルードは若干暗みを帯びていたものの、その透明感は健在で、大きな問題は見られなかった。交換後、診断機を使いフルードの温度を慎重に管理しながら、量を調整していくと、純正の新品フルードと見違えるほどの透明感が戻ってきた。

4万キロ走行後のフルード
新油のよう


ATFやCVTFの交換は、その性質上リスクを伴う作業だ。専用の機械と知識が求められ、一般的な整備工場やディーラーでは敬遠されがちだが、弊社では長年にわたり数多くの車両を手がけ、その結果、ディーラー以上の作業を望む客たちに信頼されている。車はただの機械ではなく、そのメンテナンスの中にも職人の心が息づいている。

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