Theater I-O第二回公演『死後の恋』を終えて


死後の恋、終演いたしました。

ご観覧いただいた皆様、応援くださった皆様、そして制作に関わってくださった皆様に、改めて深くお礼を申し上げます。ありがとうございました。

しかしまず、このnoteにTheater I-Oのことを書くのが初めてなわけです、そりゃそうですよ、noteの最終更新日を見たら、まだメンバーのうち小石川としか出会ってないときですもの……。



Theater I-Oというのは、


越智(自分)、金澤ののか、西村優太朗、小石川武仁、岡谷陽光の5人からなるユニットです。年齢は19歳~24歳。石川県金沢市を中心に、演劇をはじめとして色々なジャンルや媒体に手を出そうと目論む集まりです。

結成当日の写真

結成は2021年12月。
2022年5月に旗揚げ公演『恩讐の彼方に』(原作:菊池寛)を行い、活動が本格的にスタートしました。そして今回、2022年11月5日、6日に第二回公演『死後の恋』(原作:夢野久作)が上演されたわけです。

今回の越智の役回りは、演出、脚色、出演。映画やドラマでいうと脚本家兼監督みたいな役回りですが、ただのひよっこが流れのままに大層な役割を仰せつかってしまいました。

そんなもんで今回、思うところ多々あります。




まず、

Theater I-Oが順調に太ってきた。

字面が酷い。

もっといい表現がなかったのかといわれると何とも言えないですが、「太ってきた」という表現が今回率直に思った言葉なんです。

具体的に説明すると、今回の第二回公演で、Theater I-Oというユニット名に重みが増したというか。5人をつなぎとめる骨と枠でしかなかったこの名前に、肉がついたと実感しました。

だって、実績や時間経験が伴わない(または、まだ伴っていない)学生団体なんて、その9割が「やる気のある学生が一時の動機に動かされて作ってみた馴れ合い」じゃないですか。そしてその団体は、今後なくなるかもしれないっていう不信感を必ず持っているもんなんです。

旗揚げ公演前後にはそういわれても反論できなかった我々が、公演を重ねるごとに信頼を獲得できるんです。その信頼感が、「肉」を構成する大きな一つかな、と思います。

このあと、金澤ののかは『それはスポットライトではない』に出演します。小石川も、演劇ユニット浪漫好さんの『なにもん芝居』に客演します。西村優太朗もかねてから所属している劇団nonoとての出演が沢山あります。

その時、パンフレットに書かれる「Theater I-O」という文字列が、更に太ってくるのではないでしょうか。



忘れてはいけないと思ったこと

も、ここに記しておきます。

というのは、誰かさんから聞いた「最も価値のあるものとは時間である」という言葉です。だって、時間は誰にでも平等に訪れて、等しく流れていくものだから。
もちろん、「最も価値のあるもの」には諸説ありますし、時の要素のみをとりあげるのは早計といえます。しかしながら、この考えは私たちの、若者のスタンスに重要な物です。

その人いわく、私たち若者がこうやって応援してもらえるのは、それはただ私たちが若者だからである、と。
この先5年後、10年後と活動を続けていけば、今のように「頑張っているから」と無条件で支援してくれる人はいなくなる。その時、なにがI-Oを価値づけるかといったら「継続」であるんだ、と言われました。
ただ時間を過ごすだけというワケではありません。つまるところ、「続けることと、その時間の過ごし方が大事である」というわけですね。

その人は、若者に期待をしない、と言っていました。
彼は高等教育者です。若者の未来に期待を寄せ、教育し、支援する職業です。
一方で、意欲のある若者が道半ばで諦めたり、他の方向へ気が変わってしまうところを山ほど見ています。

「君たちにはそうなって欲しくない。だから期待はしていないよ。」

そういって、多忙な彼は『死後の恋』のチケットを購入だけしてくださいました。

Theater I-Oが特別な存在になるためには、私たちの努力や才能、運だけじゃなく、継続という地道な要素が重要になるんだ、と実感したという、忘れちゃいけない話でした。
ユニット名が時間の重みを帯びるくらい、5人で活動を続けていきたいものです。



ところで、私個人の反省は

なにより、主演に無理をさせていたこと。そして、無知故にうまいこと稽古を進めることができなかったこと。それに尽きます。

舞台美術や音響照明が好きすぎて、そちらに注力しすぎたせいで、一番大事な演技面にリソースを割けなかったんです。その結果、主演の岡谷陽光には多大な苦労をかけてしまいました。これに関しては、自分の落ち度です。

一方、頭の中で思い描いていた舞台装置ができたうえ、それらについてポジティブな言及をされることが多かっただけに、そちらの面で自信がつくことにもなりました。

最終的な舞台図
きちんとしたものは当然描けるわけがない
それがこうなったのだ(感激)


これから先、Theater I-Oの中では、誰かのアイディアを設計に起こしたり実際に作り出す仕事や、デザインなどを極めていきたいと思っています。

本番2日前に3時間で作った子たち
額縁(ギミックあり)も全て段ボールで製作

まずはホームセンターに通い詰める所から初めています。正直、やっとアイオーで私ができることが分かった感じがして、すごく嬉しいんだなぁ。をちを



舞台の出来としては

私のもてる力をもってしては、上々な出来だったのではないかなぁ~と思っています。

正直、悔やまれる点はいくつもあります。
今回もお世話になりました某劇団アンゲルスさんの作品のように、原作にオリジナリティを混ぜることができなかったこととか。

い、い、言い訳をすると、一人称視点でのみ語られる原作を解釈するのがかなり難しかったんです。
なぜって、すべて嘘ともすべて本当とも取れてしまい、こちらで全てを解釈すると作品で「正解」を示してしまう上、両者の中庸をとろうとすると中途半端につじつまが合わなくなってしまいそうだったんです。

結果、原作を映像として再現すること、そして驚き楽しんでもらうことに注力しました。

当然、演劇人としてはまだまだ、まだまだま~だまだまだま〜だまだまだです。
でも!音響照明との兼ね合いや、全体的なメリハリ(作為的な中だるみ)、最後の怒涛の展開と、人間が狂っていく様は上手い事描けたと思っています!
特に演劇を見馴れない人に対しても、エンターテイメントとして提供で来たんじゃないかなって。
今回はオランダ人留学生やイラン人留学生の子も見にきてくれたんですが、それらの友だちには絶賛していただけましたし。。。

いや、もうポジティブでいさせてくれ!頑張りました!頑張ったんです!まだまだ精進しますから!今回は許して!許して!ぶたないで!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



そして辿り着いた2つの結論

結論①

人に恵まれているということです。

今回、手売りチケット頑張ったんですよ。来場しないけど購入してくれた人(支援を兼ねて)まで含めて、34枚売りました。オンラインからの予約を含めると、約50人。更に遠方の友人がオンデマンド配信を購入してくれたり。なんかもううぬぼれちゃう。こんなに俺に時間とお金かけてくれる人がいるんだ!ってさ……めぐまれてんよ……。

また、楽屋見舞いの多さよ。マジで、メンバー以外の手伝ってくださった方にもお配りさせていただいて、それでもたっぷりあるというね。花束までもらっちったし。えへへ。

そしてなにより、スタッフの皆様です。

照明の怜奈さん。この方がいなければ今回の講演はできていません。

準メンバー(越智称)のあゆりちゃん。あなたの存在がどれほど小屋入り後の私たちにいい薬になったことか。

謎のスタッフX。たくさん手伝いにきてくれてありがとう。何度もお世話になりました。

そして、スタッフという感じではないものの、劇団アンゲルスの皆様。何から何まで便宜を図っていただき、更にご観覧の上嬉しい言葉までかけていただきました。

Theater I-Oは人に恵まれています。


結論②

下記の大喧嘩後の一枚
優太朗くんが消えかけている

やっぱり私がメンバー4人を大好きだということです。知ってた。
いや、やべーんだよ全員。本当に。実力も器量も。性格も、価値観も。信頼しています。

実は小屋入り後、それぞれの心の中を荒く鋭く尖らせて、ギラギラと見せつけ合った時がありました。まぁ大喧嘩です。
なかには、「それは言っちゃいかんだろ」ってこともあって、それぞれの心に少なからず傷をつけました。

不毛でした。
けれど、避けられないことでした。

それでも、一度気持ちを落ち着けて全員で地べたに座り、私がみんなの目を見たとき、感じたのは怒りや悲しみではありませんでした。嬉しさとか、愛情とか、そういうものでした。

私はその時顔がふやけるほどべそかいたんですが、そりゃそうだって!
わし、24歳、24年間生きてきて、常にいつメン~とか、グループ~とかに憧れて。コミュニティを作ってはぶっ壊れ、加わっては抜けてしまい、時には自然消滅して……それを繰り返してきたから。

一度抜けかけたとしても受け入れてくれたアイオーは、いつだってふざけて、無駄に遊んで、やるときゃ真面目にやる。
自分が求めていたコミュニティの正解はTheater I-Oだったんだなぁって思ったんですもん!
泣くだろ普通!
うわああああああああああああああああああああああああああああああああああん!

……そうしてあの公演が出来上がりました。




最後に

ここまで長々と思いの丈を書いてきました。

まだ、メンバーに対してどう思っていたとか、日記を兼ねてぶっちゃけたい気持ちが満々です。
せっかく今回から「越智」としてnote使っていますし、それは次回次次回に追々言及することにします。

ここまでお読みくださった方はありがとうございました。
そしてこれからも末長くTheater I-Oをよろしくお願いいたします。

ザフストレーチュ!

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越智
やふやふ!えへへ