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自衛隊からベンチャー企業とやりたいことを見つけるキャリアの作り方(no.31)

プロフィール
田中 真さん
現職:AIベンチャー企業 情報システム管理者
自衛隊在職時最終役職:航空自衛隊1等空尉

経歴

ーー本日はお忙しい中、退職予定自衛官、元自衛官のキャリアを考えるインタビューにご対応いただきありがとうございます。まず、田中さんの経歴を教えていただけますか。

田中さん:防衛大学校を卒業後、航空自衛隊に入隊。通信電子職域の業務や副官、総務人事職域の業務を経験しました。

最後は航空機部隊で勤務し、そこで今後の家族としての人生について考えるキッカケがあり、自衛隊を退職。

退官後は、東京の東大発AI(人工知能)ベンチャー企業へ転職しました。そこで、様々な業務に携わった後、より専門性を磨きたいと感じ、現在は別の東大発AIベンチャー企業にて、情報システム管理者として勤務しています。

ーー自衛隊に入隊された背景と在職時の職務内容を教えていただけますでしょうか。

田中さん:防衛大学校に入校した背景は、高校3年生時に友人が航空自衛隊へ入隊するという話を聞き、初めてそういう道もあるのかと興味を持ちました。

そこで、調べて出会ったのが、防衛大学校という道でした。私の出身である鹿児島県では、防衛大学校に対する評価が高かったこと、そして普通の大学では学べない事や精神的、体力的にも強くなれ、自分を鍛えられるとの思いで志望しました。

数学200点満点中8点から防衛大学を目指す

ーーすんなりと志望校を決定されるとは、優秀な学生だったんですね。

田中さん:全然そんなことはなかったです。高校3年生の夏時点で、数学模試が200満点中8点という絶望的な成績でした笑。そのため、現役合格は考えずに、そこからが私の受験勉強の始まりで、浪人して朝から晩まで勉強漬けの毎日でした。

その甲斐あり、無事合格。想像していた以上に濃い4年間は、その後の人生で貴重な糧になったと感じております。

ーー航空自衛隊配属は志望した通りだったのですか?

田中さん:航空自衛隊を志望した理由は、とくにこだわりがあったわけでは無かったんです。

防衛大学校では、2年に学科の専攻と共に、陸・海・空要員を選択します。ただ、私にその優先はなく、陸なら応用科学科、海なら地中海洋学科、空なら情報工学科というような志望をしたところ、結果的に航空要員(卒業後、航空自衛隊へ配属)となりました。

配属後は、まずレーダーサイトの小隊長を勤務し、その後防衛大学校理工学研究科の研究員や術科学校の教官業務に従事しました。

また、キャリア後半は、専門幕僚職としての副官、一般幕僚職としての総務人事班長を経験し、1尉までで経験可能な自衛隊幹部の職種としては一通り経験させていただけました。

「組織」を意識することを考えた初級幹部時代

ーー幕僚職もいろいろあるんですね。自衛隊在職中の思い出・エピソードを教えていただけますか。

田中さん:強く残る思い出としては初任地の小隊長時代と最終任地の総務人事班長時代です。

初任地の小隊長時代では、当時の隊長から

「田中は、1を聞いて10を知り、9を捨てる」

と豪快に笑いながら指導されたことがあります。

これは、他部署が主管のプロジェクトに参加した時の話です。この進め方だと、最終的に問題が生じるのではと感じていましたが、担当者ではなかったため、自分の部署の事だけを考えていました。

結果、懸念していた通り問題が生じ、上司へ「やはり、こうなりましたね」と話していたところ先程のように指導されました。

いくら頭の中で分かっていても、それを発露して行動しなければ価値が無いと、今でも自戒の言葉になっています。

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