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ソウル2003年*トルコのハウちゃんと中国のマダム

ソウルでの語学留学。新しくクラスメートになったトルコ出身のハウちゃんと中国出身のマダム(皆がマダムと呼んでたので本名は忘れた)

この二人も思い出深いクラスメートだ。

トルコのハウちゃんは22才。色白でまつげが長くて少しぽっちゃりした可愛い子だ。

イスラム教徒だからヒジャブを頭に巻いている。聞くと家の中だけ外すそうだ。

彼女は日本や韓国が小さい頃から好きだったらしい。とくに、日本人とトルコ人は性質がとても似ている、だからトルコ人は昔から日本人が大好きだと言う。

歳も半分くらいなので、ハウちゃんのことはメロンと同じように我が子感覚で接していた。誕生日がすぐだと聞いたので、小さなプレゼントをあげたら、その日彼女は自分で焼いたバナナケーキを皆に振る舞った。そんな文化もあるんだと驚いた。

それよりもっと驚いたのは、ヒジャブのてっぺんに📍まち針が横に刺さっていたこと。初めて見つけたとき

「危ないよ〜そんな針で留めちゃあ」
と言うと

「だってこれが無いと、風で頭が見えちゃうからぁ」
と言う。

「ダメだよ〜ズレたら刺さってしまうよ」
母が心配してると

「でも、頭だけじゃなくてここにもあるよー」喉元を指差して笑う。

ぎゃー。喉はもっと危ない。他に何か留めるもの無いのと聞いても無いと言う。

私はその夜、家の安全ピンをかき集め
「お願いだから、これで留めて」
と翌日、彼女に渡した。とても喜んでくれた。日本よ安全ピンもっと輸出してーと思う出来事だった。

中国マダム。彼女はめちゃ美人。人工的なものでなく自然派美人だ。

中国には桁違いの美人がいる説。知り合いの映像カメラマンは世界中を廻った人だが、中国奥地ヨーロッパに近い地域には世界いちの美女がたくさんいるとよく話していた。様々な民族の血が混ざったほうが美人の質が良いとか。

私も最高に美人だと思ったのは中国人だ。30年ほど前のニューヨークでたまたま見かけた。ひと目みた瞬間から数秒いや数十秒間、視線を外すことが出来ないなんて体験、あとにも先にもあの時だけだ。

マダムは、美人に加えて表情豊かなお茶目さん。夫は両国をまたにかけて手広く商いを行う社長で文字通りマダムなのだ。毎日でっかい宝石をいくつも身につけて、ネイルも化粧もヘアも完璧だった。

そして、またものすごくよく喋る。マダムが発言し始めるとたびたび授業が止まった。先生まで吹き出したり笑い出してしまうのだ。

そして毒舌。

SARSが大変なニュースとなったときは

「あのね中国には、たっくさんの人がいます。十億人以上もいるからねっ。だから、大丈夫なのです」

不思議な説得力で皆を黙らせていた。

さすがに台湾出身の真面目なおじさんクラスメートに、亡くなった人も大勢いるんだから、そんな言い方はダメと怒られていたけど。

いちど授業が早くおわり日本チームと中国チーム数人で一緒にカラオケへ行ったことがある。

マダムは思い切りビブラートを効かせた弦楽器みたいな声で中国歌謡を歌いまくってくれた。おかげで私たちは、飲んでもないのにめっちゃ酔っぱらった。笑。

マダムとハウちゃんの発言で、授業が混乱した話へ

続く。


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