ジミョンちゃん
ソウル子連れ留学中は人生の中でいちばん人に助けられた時期だ。
当時19才の女子大生ジミョンちゃんもそのひとり。(彼女とは縁が深く交流が続いている。今では日本語を使う仕事でワーママとして頑張っているようだ)
彼女は小学校の時、日本アニメに触れて、そこから日本が好きになったという。ジブリ映画を愛してやまない。思春期にはアイドルグループ嵐に夢中になり自分の部屋をポスターで埋め尽くした。高校では第二外国語で日本語を選択。ドラマを観ながら会話を勉強したそうだ。
来年か再来年にはワーキングホリデーで、日本に住みたいと希望もあり会話実践のため、安いバイト代でメロンのシッターとたまに私の(会話練習)相手もしてくれた。
といってもまだ日本語完璧でなかったジミョンちゃんと、日本語といってもまだ4歳児の頭メロンとの会話は面白かった。
進級テスト前で、我が家にきてもらっていた時だ。休憩でもしよかとリビングへ行ったらジャンケン遊びが始まってた。
「あいこで〜しょっ」
メロンが言うと
「え? 愛子って誰?」
と、ジミョンちゃん。
「誰って? えっとね、あいこは名前じゃないよ、じゃんけんのあいこなの」
「意味はなんですかーなんで、あいこでしょって言う?」
「うんとおー。じゃんけんのあいこだからね、もう一回パーを出していいよ、グーでもチョキでもいいよ」
「グーチョキパーは知ってます、同じのときなぜアイコって……」
「だからね、なんでって。アイコはあいこで、また何かほかのを出すんだよ」
論点のずれた会話が続いていた。
彼女のお母さんはメロンのため、タッパーに辛くないおかずを詰めて、ジミョンちゃんによく持たせてくれた。ほんとに感謝だ。日記を読み返して、つくづく思う。
自宅にお呼ばれした時もたまげた。お父さんはお茶が趣味。食後あんな優雅に(オシャレ透明茶器で)カモミールティーを入れてくれる韓国男性がっ!? 日本では見たことがない。
若い子文化もいろいろと教わった。髪型の話題になり『7・3分け』って知ってる?韓国にもあるのと聞いたら『7デー(対)3カルマ(分け)』と教えてくれた。おお、同じ比率だねーと笑いあった。
でも、中学や高校の先生には
「7対3分けは、するな」
と注意されたそうだ。それは不良だからと。彼女たちは6対4分けで抵抗してたらしい。
それから、長めの前髪を半円にカーブさせて、ピンで留めるスタイルは『ケンニップ・モリ(エゴマ葉・頭)』と教えてくれた。他の葉でもよいのにエゴマの葉に例えるのが、面白い。
【醤油辛味で漬け込まれたエゴマの葉は白いご飯🍚によく合う美味しいおかずです】
ヘッダーの画像はこれまた画素数どないなってんのってな写真。お菓子屋さん。昨日のリーダー婆の店かは、記憶がさだかでありません。
今日はそんなジミョンちゃんの話でした。
あ、もうひとつ。
韓国は小学生が(中学生は分からないのですけど)親と海外旅行のため学校のある日に休んでも、欠席扱いされません。なぜなら海外体験は子供にプラス。たとえパリのディズニーでも日本のUSJでも異国体験は貴重。そこの親のタイミングで連れて行くなら、欠席扱いにはしないというわけです。20年前も聞いて驚きました。今年、ジミョンちゃんも一年生の娘と日本旅行にきました。普通の公立小学校で夏休み前の平日です。
この制度、日本でも取り入れたら良いのにと前から思っていたので。ジミョンちゃんのこと書いてて思い出しました。
ソウル生活日記
続く