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世界陶磁器めぐり~ヨーロッパ編①「マイセン」~
今回から「世界陶磁器めぐり」と題して、世界各国のさまざまな陶磁器をご紹介します。まずはヨーロッパの・・・・超王道からいきたいと思います!
マイセンです。
❖マイセンとは?
ドイツのマイセン地方にて生産される白磁器の総称であり、名実ともに西洋白磁の頂点に位置する、とされるのがこの「マイセン」です。
ドイツ語綴りはMeißen。
マイセンはドイツ東部のザクセン州ドレスデン地方マイセン郡の郡庁所在地であり、人口は2万8千人の工業都市。
マイセン陶磁器の他にはワインが有名です。
❖マイセンの歴史
時は17世紀。
西洋社会では東洋よりもたらされた白磁で話題がもちきりでした。
ヨーロッパ各国が自国での生産に乗り出したのですが、ザクセンの領主・アウグスト2世も例外ではありません。名うての錬金術師・ベトガーを幽閉・・・というちょっとかわいそうな手段で強制的に白磁をつくるように命じたのです。ベトガーはザクセン・フォークラント地方の鉱山にて白磁の製作に最適な原料を発見。これをもって製造された白磁は、アウグスト2世を十分に満足させうるものでした。
これにより、西洋磁器の歴史の幕が開けたとされています。
ちなみに、錬金術師・ベトガーはそれでも幽閉を解かれることなく、37歳で死去。ちょっとひどいですね・・・
翌年からは現在の「国立マイセン磁器製作所」に繋がる「王立ザクセン磁器工場」が設立。マイセンは近隣のエルベ川の舟運により輸送が容易、さらに原料となるカオリンという鉱物を容易に採掘できるという立地条件も相まって、一気に地域の産業としての発展を遂げていくのです。
初期のマイセンは中国の五彩磁器や、日本の伊万里焼の影響を受けているのですが、1720年ころからはヨーロッパ的なロココ調の作品が主流となっていきました。1764年に設立された芸術学校からは多数の技師が生まれ、人が人を育て、現在もその名声は止むことを知りません。
マイセンは贋作防止のために、交差した2本の剣がトレードマークとして用いられているのですが、はじめてつかわれたのは1723年。現在まで使われている陶磁器のトレードマークではもっとも古いものとされています。
ここからはマイセンの代表作をいくつかご紹介。
❖マイセンの代表作
「ブルーオニオン」
マイセン草創期に中国磁器に描かれたコバルトブルーのザクロの意匠が伝わった際、ザクロが一般的でなかった西洋ではタマネギと誤認されてしまいました。そこから「ブルーオニオン」と名付けられた中国磁器由来の図案です。1739年に完成。
「柿右衛門」「ドラゴン」
こちらも初期に確立されたシノワズリ(中国趣味)の図案による染付食器。「柿右衛門」は有田焼の大名跡・酒井田柿右衛門、「ドラゴン」は中国の景徳鎮が由来の図案の写しです。
「猿の楽団」
初期マイセンを代表する原型師・ケンドラーとライニッケの2名により1765年に創作された一連の人形シリーズです。猿がオーケストラの楽団員に扮する、寓話的な作風で知られます。
「ドイツの華」
ドイツ国内で自生する草花をモチーフとした染付食器シリーズです。18世紀中頃にはテーブルウェア一式として整備されました。
最後にマイセンの陶磁器を紹介・販売する日本公式サイトをご紹介します。
ぜひごらんください!