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オンライン展覧会―私の絵を見てください

こんにちは。微熱です。
あらためまして、私は絵を描いています。
最近は果実の絵に挑戦しています。それを並べて展覧会をしてみたいと思います。

絵を販売しますが、単なる販売の場ではなく、私の表現の場でもなく、皆さんが自由に感じてもらえる場になればいいと思っています。

最後まで見ていただけると嬉しいです。


個展『つまらないモノ』

作家:微熱


なぜつまらないモノを描くのか


Sold out


過去の自分に聞いてやりたいです。

「どうしてそんな、つまらないもの選んだの?」
「わざわざつまらないものを並べて描く理由は?」


なぜならそれが一番のテーマだからです。


Sold out


私たちは何かに挑戦するとき、面白そうなものに飛びつきます。
私もそうです。
うわあ、かっこいい服。ほしいな。
あの歌手、声がいいね。私もあんなふうに歌ってみたい。
人気のレストランがあるらしい。予約してみようかな。


でも、絵を描くとき、本当にそれでいいのかと疑問に思いました。いつもの自分なら「面白いモノを選んで描こう」と思うものだけど、私は逆のことをしてみました。

Sold out


レモンやリンゴ――ありふれていて、特にドラマもない。特に私の住む長野県ではどこでも安く売られていて、退屈なモチーフなんです。そればかりを集めて描きました。


でも、それが面白かった。何が面白かったかと言うと、心が面白かったんです。

『マンゴー』
363×235㎜
アクリル絵の具

モチーフ自体に特別な意味はない。
けれど、そこに何を感じるか、どう描くかは、そのときの自分次第。

同じレモンでも、ある日は柔らかい光をまとい、ある日は冷たい影を落とす。
同じリンゴでも、ある日は親しみやすく、ある日は不気味に見える。

それは天気のせいなのか。それとも。

私が描いたのは、レモンやリンゴではなく、映し出された自分の心なのだと思いました。

Sold out

私が好きな言葉のなかに高杉晋作のものがあります。それを思い出しました。


「おもしろきこともなき世をおもしろく、すみなすものは心なりけり」


まさに、私があえて退屈なモチーフを選んだ理由と通じるものがありました。「世界が面白いかどうかは、結局、自分の心次第」という考えが、私の絵の制作プロセスと重なっていて、すごくしっくりきたのです。

「なんだ。レモンとリンゴか…」と思った人ほど、ぜひ見てほしいです。

全部で32枚描きましたが、そのうち6枚が納得いくものとなりました。

Sold out 



それぞれの制作背景


ここまでは果実というテーマについて話しました。
いまからは、一枚ずつの絵の制作背景をお話ししたいと思います。


はじめにこのりんご。これは意を決して描き始めた、一枚目のりんごでした。

実は、これを描く前、私はたくさんの絵をあきらめていました。八方ふさがりでどうにもできない。もう画材を見るだけでもげんなり。という感じでした。


りんごを目の前に置き「つまらないモノだなあ」と思いました。そして、それを面白くしてやろう!なんて気力は全くありませんでした。ただ、何も考えずに、色を選んで、いや、選ぶこともしないで、ただただ、描き始めたものでした。


その日は朝から曇りで、昼から雨が降りました。湿っぽい空気、冷えたフローリング。からっぽになってしまった熱量を抱えていたわたしにとって、それがそのまま映し出されたようなりんごになったのです。私はこれを美しいと思い、もう少し続けてみることにしました。


次に描き始めたのがこのレモンですが、実はこのレモンは完成したのが最後です。ドローイングから形になるまで半年ほどかかりました。

なぜかりんごはこちらに語りかけてくるのですが、レモンは冷たかった。皿にのせても、布をかけても、光に当てても何をしても、振り向いてくれないんです。

ある日思い切って、切ってみました。表面はどんどん渇き、しぼんでいきました。実物は見るも無残な、干物のようなレモンなのです。


それなのに、完成した時に「あ、完成したな」と分かりました。私は気づかぬ間に、レモンの中に様々な色を見つけていました。それでもろうじて残ったみずみずしさがたくさんの光を吸い込んでくれたおかげでした。



自信を付けた私は、このりんごを何とたったの2時間で描き上げました。意識したのはタッチです。だれもが見てわくわくするような。直線を重ねたようなリズミカルなタッチです。この日は朝から晴れていました。冬なのに暖かかったのです。


私はすべてに味方をしてもらっているような気がしました。晴れの日の影は青く、りんごの透明感をより引き出してくれます。


次はマンゴー。マンゴー?こんな季節にそんなものが?


ありません。あるわけありません。ここは長野です。今は冬です。
輸入品のものならあるかもしれませんが、買うもんか。高いもん。


でも食べたいなあ。甘いんだろうなあ。シンガポールに住んでいるとき、毎日飽きるほど食べていたマンゴー。それをたらふく口に含んだような気持になりたい。


私は目の前にりんごとレモンを置いて、目をつむりました。
同じ果実なんだから、何とかしてくれるだろう。頼むぞ。

そんな気持ちで、リンゴの艶とレモンの黄色を見ながら、描いてみたのです。マンゴー。みずみずしく明るくて、手をべとべとにしてくれるマンゴー。

思いっきり、気持ちよくなりたかったのです。絵と向かい合って笑いたかった。


すっかり気分がよくなった私は、お気に入りの皿にありったけの果実を積み上げて、リボンで結びました。よく、特別な果実の専門店に売られているような。


在り来たりなもの=つまらないモノ
なんて決めつけないで、まずはちょっと敬ってみようと思ったのです。


水彩紙は思いっきり高級なものを奮発しました。そこにぷるシャンブル―というとても好きな深い青色を広範囲で染み込ませました。
しっかりと乾いてから、ソフトパステルで色を少しずつのせていきました。キウイが「そんなに色ばかりをつかって。痛い目をみるよ!」と何度もいってくれましたが、私は後悔していません。


色をシャワーのように浴びました。うまい、も下手、もない。ただ、目の前のリボンが添えられた果実に没頭しました。

皿の上に柿をのせた途端、全ての空気は変わりました。
私が知っている柿の思い出は、重たく暗いものです。時に、田舎を故郷にもつ人間というのは、果実と過去の記憶がきつく結びついているときがあります。


私は、それを一瞬でもいいから変えたかった。
先ほどのブルシャンブル―の隣には、私が持っている赤をすべてまぜてぶち込みます。クリムソンレーキ、ローズマダー、カーマイン。発光したようなまぶしさを帯びてゆっくり紙に染み込んでゆきました。


私は、柿にも仲良くなってほしかった。
この柿は買ったのではありません。送られてきたのです。
大丈夫、あんたも買ってきたりんごやレモンと同じように、この皿のなかでみなを惹きつけることができるよ。一番手前に持ってきました。


気さくな彼らはすぐに会話を始めました。その調子を、丸や三角といった模様で表現しました。リボンも結んであげました。柿は


こんなことが人生に起こるとは思わなかった。


といって喜んでいました。


それぞれの制作背景はまだまだあります。すべて語るには何時間もかかりますが、ある意味こうして一部を切り取って話すのも面白いです。

全てを知らなくてもいい。それでも伝わるものは伝わると思うからです。


販売について


すべて一点ものです。絵を見て「この子、好きかも」と思ったら、ぜひ迎えてください。
私にとってもものすごく励みになります。

購入方法
・価格:6,000円+送料(住所と配送方法に合わせ計算します)
・購入方法:こちらにDMをください
・支払い方法:銀行振込、3月のイベントにて直接お支払い
ゆうパック等でお届けいたします(サイズによって方法は変わることがあります)。ご住所と宛名を教えていただきますのであらかじめご理解ください。

ご検討をどうぞよろしくお願いいたしますm(__)m



読者の方へお礼


さて。長い展覧会もこれで終わりです。
最後まで読み、絵を見てくださってありがとうございました。
こうして、貴重な時間をいただいて絵を見てもらえる機会を持っている自分は本当に幸運だなって思います。


最後に、記事にそれぞれの絵を載せた時に「すき」とコメントくださったりDMで「頑張ってね」と励ましてくださった方々、本当にありがとうございました。

おかげで、この6枚と出会えたと思いますし、これからも果実というテーマを続けていきたいと思っています。


買うことはなくても、感想だけでもコメント欄でいただけたら嬉しいです。
本当にありがとうございました。


これからもどうぞ応援をよろしくお願いいたします。微熱🤒



🎨>なんかちょっとかしこまった記事になっちゃったね!w

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