【学生メンターVoice2024vol.4】MoGと人生の関係性
こんにちは!very50インターン生の黒木陽菜です。
【学生メンターVoice】と題したこのシリーズでは、very50にメンターとして関わる学生(大学生・院生)の生の声をお届けします。
very50には、MAP(Mentorship & Action Program)やLiD(Ledership in Developing countries)を修了した大学生が、メンターとして高校生のプログラムに参加する制度があります。今回、2024年8月にベトナム・ハノイで行われた高校生向けのMoG(Mission on the Ground)に大学生メンターとして参加した岩波七菜さんより、メンター体験談を聞きました。ぜひ、ご一読ください!
1.MAPへの参加経緯
very50自体は、弟がEGG*(Entrepreneurship in the Global Ground)というvery50の別プログラムに参加していたことを機に知りました。その後MAPの存在を知るも、当初は自分自身が内向的な性格だからこそ不特定多数の人たちと関わることや人とガッツリ向き合うことに躊躇いを覚えていたり、交換留学をすることも確定していたためタイミングとしても参加が難しいのではないかと思っていました。ですが、MAP3期に参加していた大学の友人の熱烈な勧誘と、その友人から海外MoG*の存在を教えてもらい、躊躇いやタイミングよりもその魅力に惹かれ、MAP5期に参加しました。
2.MoGに行く前の事前準備期間に感じていたこと
初めてMoGメンターとして参加する身として、当初は本当に高校生たちが事業家さんに価値を届けることができるのかという点を批判的且つ懐疑的に感じていました。大学生の自分でも価値を届けることが難しいのではないかと思っていたからこそ、それを高校生に提案させるプロジェクトって理不尽なのでは?と実は思っていたんです。
ですが、現地に行く前からも高校生自身が徐々にビジネスの手法や思考回路を身に付け、アウトプットを繰り返す中でビジネスに対する生徒の思いを感じるようになっていました。
3.MoG中に感じていたこと
~現地での活動~
私たちが取り組んだのは、ベトナム・ハノイにてベトナムの伝統紙を商品にしたお店の経営課題解決でした。そこで、主な収入源としてあげられていたワークショップと商品販売の2つに着目し、その認知拡大のための提案を考えました。現地入りしてから最終プレゼンまでの期間も5日間ほどで、メンターである私自身もこの短い期間内に自分たちが考えていた本当の思いが事業家さんのもとへ届けることができるか否か不安な面もありました。ですが、最終的に高校生が経営課題と向き合う過程や彼らならではの視点や熱い思いを聴いた事業家さんの目には涙が浮かんでおり、MoG終了後も事業家さんのFacebookにて販売会の様子や高校生が事業に向き合った姿に対して、自身の事業に真剣に向き合ってくれた高校生に関する熱いメッセージが投稿されており、彼らの熱い思いが事業家さんの元に伝わっていたようでした。
また、MoGという形で高校生が事業家さんの経営課題解決に取り組むからこそ、高校生自身は普段触れることのない事業家さんの抱いている思いやビジネスにおける戦略に初めて触れることができ、事業家さんも自身でビジネスを行うだけでは得ることができない視点を取り入れる機会になり、お互いがお互いの思いを知るからこそ次のステップに繋がる可能性があるという点でMoGは全方面に価値を与えられるプロジェクトであると確信しました。
難解なビジネスプロジェクトに取り組む高校生が、次々と挙がってくる課題に葛藤しながら、迫りくる時間とチーム・自分自身に向き合い続けていた姿は忘れられません。
~自分自身について~
MoGメンターの中には3つのタイプ(バディタイプ・リフタータイプ・エッジタイプ)があり、当初私はエッジタイプを選択していました。具体的には、高校生たちを放置するわけではないけれど、人それぞれ踏み込まれたくない部分までは踏み込まず、高校生たちが助けや相談を持ち掛けてくれたときにはしっかりキャッチするというのを意識していました。MoGメンターを実践する中で、初めて、自分のやや冷たいとも言えるエッジの効いたスタンスにもちゃんと需要があり、人と接する上で活かすことができると気づくことができました。
また、人と向き合い関わることの素敵さにも気づくことができました。人と関わることで得られるそれぞれの考え方や在り方からの刺激を通して、自分の思考にも彩りを与えてくれるということを感じさせてもらいました。そして、大学生・高校生という社会的立場の違いはあれど、常に一人の人間として向き合うことを意識していたため、等身大の気持ちを引き出し、なんでも言い合えるような対等な関係性を築くことができたように思えます。
4.今後の展望
今までの人生において、特に大きな挑戦等もしてこずかなり淡々と生きてきたのですが、少し何かやってみようという思いで今現在人生の中で初めての長期留学という形で親元を離れ異国の地で学問を学んでいます。
留学やMoGメンターを通して、「知る」ということが今自分が身を投じるべき地点なのだなとひしひしと感じています。今まで知らなかったことがあまりにも多すぎたことを実感する日々の連続で、MoGの時も初めて東南アジアに行き、初めてここまで人(高校生・事業家さん・very50メンバー)とガッツリ5日間向き合ったと思います。様々な人と関わり続ける5日間を経て、自分でその環境を経験したからこその気づきもあり、「知る」ということの大切さと「身を置く」ということの大切さを学びました。MoGにおける、事業家さんのことを①知り、②自分なりに分析に落とし込み、③アプローチするという流れは、まさに人生においても言えることだと思います。今の私は、まさに最初の「知る」という段階に直面しているのかなと思っています。何か行動に移したいと思っていても、まずは「知る」ことが大事。でも「知る」だけでは机上の空論になってしまうからこそ、知ったことを踏まえて行動に移すことが大事だと思います。
将来は行動にあたる部分を職業にできたらいいなとは思っており、その行動も広義の異文化理解や人と向き合い誰かや何かのためになれることをしたいと思っています。
再度MoG実施の流れと似ている点にはなりますが、現地に行くというステップがあってのMoGだと感じているからこそ、私も現地に根付いた形のアクターとして今後も行動していきたいと思っています。
5.最後にひとこと
ベトナムメンバーの皆さまにもきちんと伝えられていませんでしたが、私は大学2年生になってすぐに指定難病が発覚し(以前から確定していた1年間の交換留学を除くと)MoGメンターを引き受けることは難病を自覚した上で決断した最初の挑戦でした。新たなアイデンティティが加わってもなお、淡白な日常を過ごせる図太い自分にとって、MoGでまさたかさん(very50スタッフ)とひかる兄さん(一緒に組ませていただいたメンター)と取り組んだ約3ヶ月は刺激的で活気あふれるものでした。広い世界で鍛錬されてきたお二人のノウハウを近くで贅沢に学べたことが、自分の社会人基礎力を大いに成長させることに繋がりました。お二人と一緒に過ごす中で、タスクへの向き合い方、多方面に配慮した事前の根回し、論理的思考力、心地良い距離感を築くことも場数を踏むことで磨けるスキルであると感じ取れ、自分自身も高校生に還元できるようになっていきました。社会・人との向き合い方を背中で教えてくださったvery50メンバーに出会えたことは、確かに今後の糧となっています。心地良い布陣で、高校生とのびのびと動き続けた結果、MoGで出会ったすべての人から際限のない学びを得ることができました。
年代・国に関係なく、MoGで出会った皆さまが、将来に対してそれぞれのベクトルで試行錯誤していることを知れたことも、自分の将来を真正面から向き合うきっかけとなりました。MoGで得た前向きなパワーはこれからもずっと私の挑戦を後押しする一助になってくれることでしょう。
very50は人と向き合うことで、自分を含めた人の魅力に気づくことができる場所です。
これからvery50に関わろうとしている皆さまが、バリエーション豊かな人々と出会う中で、自分の新たな可能性を見出せますよう、心から応援しております!