【What is Today?】10/10 世界メンタルヘルスデーに思うこと
担当者:長田
今日は、普段と少し雰囲気を変えて、世界の関心ごとに目を向けたお話をしたいと思っています。
実は、本日10/10は世界メンタルヘルスデーです。「メンタルヘルス問題に関する世間の意識や関心を高め、偏見を無くし、正しい知識を普及するために定められた国際デー」です。ちなみに、日本国内では、なかなか知られておらず、初めて知った方も多いのではないでしょうか。
特に最近は、このようなトピックが「わりと身近」と答える人が確実に増えてきているのではと個人的には感じます。学校・職場・家庭…様々な面で、心の疲れを引きおこす要因が散らばっていますね。事実、私にとっても超身近で、友人やその家族だけでも、軽いものから衝撃的な話まであり、常に心配事ばかりです。笑
日本では、「精神疾患」で医療機関を受診する人の数が平成29年では400万人を超えました(平成29年 厚生労働省調べ)。入院患者数は減少傾向にあるものの、その高齢者の割合は増加しています。そして最近では、「精神障害者の方の地域生活への移行支援に関する取り組み」というの政策があります。これは、「精神障害者が地域の一員として安心して自分らしい暮らしをすることができるような施策」を展開していくのだそうです。市町村の医療機関と基盤を構築していくことが前提で、「社会参加(NPOなど」「地域の助け合い」もサポート一環として構築イメージに含まれています。
と聞いて、みなさんはまずどんな気持ちになりますか?
行政の目指す在り方と現実との難しさ
世界メンタルヘルスデーが目指している「精神疾患への偏見を無くし…」と唱えているそばから「不安」を感じちゃう人も多いのではないでしょうか。
しかも”精神疾患”ではなく”精神障害者”と書かれており、専門知識をもった医療従事者でないと対応できない領域に感じていた所から、地域社会として私たち一人一人も引き受けていくには、様々な労力が必要そうです。
個人的には、不安を感じるものの政策には賛同します。単純ですが、他人事ではなく自分事として捉えたときに、手を差し伸べる社会であって欲しいと考えるからです。この社会を目指す上で、多くの困難や葛藤が生まれることは予想されます。しかし、同志が増え、「大河も海も一滴から」を働かせれば、社会をもっとポジティブな環境に変えていけると思います。高齢化が進む日本で、このような政策は急務である一方で、個人で意識や視点を変えていくことが何よりも重要になってきます。
意識改善だけでは変わらないインパクト
こちらが精神科医の斎藤環さんの言葉です。
「まずは従来の精神医療というものは、薬物療法が進歩すれば、うつ病も統合失調症も最終的には全部治るという目標で頑張っていたわけです。けれども最近になってそれは限界があると。……正しい診断をして、正しい薬さえ出していれば治るはずだという信念が、なかなか払拭できないというところが強いと思いますが、結局それで治りきらない人がすごく増えているという現実があると思います」(【特集】変わり始めた精神医療 https://www.nhk.or.jp/heart-net/article/234/)
精神医療のプロが「それでも治らない人がいることが分かった」と発せられると失望感でいっぱいになります。その一方で、精神疾患を持つ友人と接してきた経験と照らし合わせたときに、腹落ちする事実もあります。
実際の取り組みとして、「オープンダイアローグ」があります。例えば、町の精神疾患を持つ人と地域の人々が円になり、お互いの気持ちを語り合う。そして、偏見を取り除きながら理解しあっていける、というものです。本当に地道な時間も労力もかかる作業です。
今日からわたしたちが出来る事
結局、人間対話であると感じます。AIやロボットでは、代替できるものではないです。だからこそ、専門知識がまだインプット途上のわたしたちが出来る事は、日頃の"対話"を丁寧にすることなのではないでしょうか。
そして、より重要なのは、自分との対話です。忙殺される生活の中でも、自分の心のバランスのチェックをする。自分のバランスを保ち、そして、他の人への思いやりと同じだけの思いやりを自分にも注ぐ。
生きることを作業化せず、丁寧に生きる。
ちなみに、2022年度から全国の高校で精神疾患について授業が実施されるそうです。この素晴らしい取り組みが、しっかりと対話重視であることを願っています。精神疾患だけでなく、LGBTQ等の悩みを抱える人と共に気持ちをオープンに語って暮らしていける、個人的にはそんな日本を作る「一滴」になりたいと思います。
心のバランス崩してないし、そこそこ元気よ、という方は、たまに隣の人に「あ、元気なの。で…ホントのところ、元気?」と声をかけていく、っていうのどうですか笑?鬱陶しいかなあ。でも、相手が「いやぁ、それがさぁ産後うつで~…」とか心を開いてくれれば、私はそれが第一歩だと思っています。