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ヤイタのキセキ

ドーハの悲劇
ジョホールバルの歓喜
マイアミの奇跡

歴史が動く時。

今回の試合がきっとその時になると思ってた。
歴史を動かす日になると思っていた。

関東リーグ所属ならまだしも
栃木県リーグの女子チームが
首都圏チームに勝つことなんて、
私の知ってる範囲では見たことない。

厚い関東の壁。

でも、それを越えるには絶好の状況だった。
7年に1度しか巡って来ない関東大会が自分たちのホームタウンの矢板で行われる。
しかも代表で出場できる。
多くの人の応援がある。


トップチームのサポーターの方も来てくれました。

試合前のミーティングで伝えました。

「ヴェルフェが勝つ。
 それは10年に1度、15年に1度かもしれない。
 でも、それを起こすのは、今日だよ。」と。



自分が関わってきたチームでそれなりに歴史が動く瞬間に立ち会ってきました。

選手時代の名もない高校で関東1回戦の突破
ガールズエイト初めての関東優勝

東京第4代表でのベスト4入り
ヴェルフェに来てからの関東への昇格

県リーグから関東への昇格

奇跡の残留
そして、今年の関東1部への更なる昇格


今回もいける、そう思うようにした。

準備してきた。
今の持てる限りでは。


実際の試合はドラマチックさは無かった。

10分保たず失点。
続けざまの失点。
前半終わってみれば0-5。



でも、私たちは大量失点も経験してる。
切らしちゃいけない。
自分たちが諦めちゃいけない。

交代カードを切る。
人の配置を変える。
声をかけ続ける。


そして、

後半25分。
会場に歓声が溢れました。

得点に関わった選手たちは
『スローに見えた』と話していました。

1点、
1点だけど、とれたんです。

1-6でゲームセット。

後から試合を見返してみると、試合中以上に感じる実力差がそこにはありました。

ただ、「やれる」という気持ちを持って望んでいたから、多くの人の気持ちを頂いていたから、悔しかった。


試合中声をかけ続けてくれたトップチームの選手たち



サッカー知ってる人が見れば「勝てると思ってるなんてお門違い」と言われるかもしれないけど、私たちは諦めてなかったんです。

関東後の面談で1人の選手が

「プロの試合みたいな景色だった。
楽しかった。」

と顔をほころばせて話してくれました。

あの景色を見た私たちは、
きっと、もっと、強くなれる。


ここで勝ってたらこの一戦は「矢板の奇跡」になっていたと思います。
奇跡は起こせなかったけど、私たちの軌跡として確かに刻まれました。

関東での差を感じて折れることなく
選手たちは「もっと強くなる」と思ってくれています。
その気持ちに応えられるよう、私も研鑽を続けていきたいと思います。


今回は多くの励ましの言葉や応援を頂き、本当に有難うございました。


今後ともヴェルフェレディースの応援を宜しくお願い致します。

監督 松本

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