MAIL MAGAGINE Vol.46の続き(食品)
レ・コステの新たなる取り組みの第二弾!古代小麦の栽培
<2023年6月28日配信メルマガの続き(食品)>
かつてはワイナリー周辺にあった地域に根ざした農業と食文化。
急速に失われつつあるそれらを、例え少しでも次世代に残そうというレ・コステの新たなる取り組みの第二弾は小麦の栽培でした。
食卓に無くてはならないパスタ、パン…小麦文化圏のイタリアですが、それ故、人間本位な品種改良、それに伴う農薬・化学肥料の使用の増加は近代農業の発展と共に止まる所を知りません。
健全な食文化の継続を考えたときには、品種改良以前の小麦の栽培は避けて通れない道です。
ナチュラルワインの生産者たちは、そのことをいち早く考えて行動に移しています。
アリアンナ・オッキピンティ(シチリア)、パオロ・ベア(ウンブリア)に続いて、レ・コステの古代小麦の小麦粉が入荷しました!
トスカーナ南部の伝統的な古代小麦「Grano Tenero Verna(ヴェルナ種)」を、これもまた伝統的な石臼挽にて製粉した全粒粉です。
ヴェルナ種は、軟質小麦で、含有タンパク質は強力粉と同じくらい、グルテンの含有量が少ない…ということですので、 麺類(パスタ)に向いているかと思います。
パンや焼き菓子に使うなら、少量のブレンドからどうぞ。
小麦粉としては値が張りますが、この小麦粉はメインで使うというよりも、いつものレシピにブレンドして使ってみると、少しだけでも味わいの雰囲気がガラッと変わって、なんというか「イタリア的」なニュアンスがでるのがとても面白く、味わいに深みが加わって美味しくなります。是非お試しください。
*今後は、栽培した小麦はパスタに加工して販売する様ですので、小麦粉としての入荷は恐らくこれが最後になります。
レ・コステの当主ジャンマルコがワインと同じく、プライドをもって生産する絶品のオリーブオイル
先日、とあるオリーブオイル専門店のオリーブオイルを2種類、購入して試してみたんですが、毎朝のパンを1個食べないうちに味と香りに飽きてしまって、いつものパンが最後まで食べきれませんでした…。
ここ10年くらいは当店でも販売しているワイナリー自家製のオリーブオイルをお料理にもパンにも同じオイルをじゃんじゃん使っていますが、飽きてしまうことは全くないので、ちょっと驚きました。
価格はいつものと同価格か、やや高いくらいのものです。
この差は、自分たちで毎日食べるもの、必需品として作られているか、プレゼントや輸出用など「外向き」に作られているかの違いだと感じました。
品質の問題ではなくて、家のご飯か、外食かの違いといいますか…。
華やかで美味しいけれど、毎日食べると飽きてきてしまう味と、一見地味に感じるけれど、毎日食べても飽きない味。
ナチュラルワインの造り手たちが、自家用に造るオリーブオイルには、後者の美味しさがあります。私が好きなタイプはこちらのオイル。
一方、このレ・コステのオイルは、その両方の良い点を兼ね備えている素晴らしいオイルです。
私自身、ここ数年はレ・コステのオイルの3Lを愛用していまして、昨今の事情から値上がりしてしまいましたが、それでも使い続ける価値があると感じています。
オイルは「脂質」。
身体にとって非常に重要なエネルギー源であり栄養素ですので、妥協なく良いものを使うようにしています。
さて、今回入荷したのは新ヴィンテージとなる2022年収穫のエクストラヴァージン・オリーブオイルです。
不作で厳しい年だった2021年とはうって変わって、2022年は久しぶりにオリーブにとって恵まれた年になりました。
夏は過酷な猛暑、 その後9月以降に降った雨によってバランスがとれて、果実の熟成と収穫量を維持できたそうです。
少量しか収穫できず、残った果実が凝縮したためにピリッとした辛味が全面にでた2021年と比べると、2022年は、完熟した果実のまろやかさ、旨味のある豊かな味わいです。
ジャンマルコ氏自ら、それぞれのオイルをテイスティングし、2つに分けて販売されています。
オイル自体の豊かな風味、味わいをダイレクトに感じてもらいたい500mlは、モライオーロとレッチーノ主体で、カニーノの中でも最も早く収穫したフレッシュなものをブレンドしています。27度以下の低温抽出、ノン・フィルターでボトル詰め。
パキッとした鮮烈な香り、豊かな果実味、芳醇なコク。
フィニッシングオイルとして使うとお料理の味わいが格段にアップ。
オリーブオイルは調味料だと実感できます。
お刺身に塩とオリーブオイルで、パンにつけて食べるのも至福。
贅沢な風味を味わいたい逸品。
料理と共にたくさん使ってほしいという1000ml(缶)、 3000ml(BIB)は収穫の後半、 11月に入ってから収穫したカニーノを使用。
酸化しにくく時間が経っても美味しく使えるようにフィルターをかけています。
ジャンマルコ曰く
「量が多いと良い状態で使い切る前に、どうしても酸化が始まってしまいやすい 。だから量の多いパックに限ってフィルターをかけるようにしたんだ。できる事なら使い切るまで最高の状態で使い切ってほしい。」
爽やかな香りと程よい酸味、まろやかな味わい。とにかくバランスが良い万能オイル。
お料理全般に使えて、味わいの下支えになってくれる頼もしいオイルです。
パンにつけてももちろん美味しいですよ。
”商業ベースではないモノ造り”を実践するイル・ファルネート当主マルコが手がける、採算度外視のバルサミコ酢
ワイナリー当主のマルコの想い。
それは「自分が生まれ育ったこの土地で、昔は毎日のようにテーブルに並ぶ土地のワインを造りたい。商業ベースではないモノ造り、人の手で造られた美味しいものを、毎日飲める価格で!」
ワイン造りとは別に、マルコが取り組んできたバルサミコ造り。
そんなマルコだからこそできた上質なバルサミコ酢だと思います。
熟成期間の長いモノだけで造ると、美味しいけれど味が濃い、そしてどうしてもコストが高くなってしまう・・・。
そこで、熟成期間が短い3年熟成をベースに、5年、7年をブレンドして造られています。
ワイン醸造からお酢造りに至るまで、糖分や酵母、酸化防止剤はもちろん、着色なども全くされておりません。
小さなワイナリーで当主マルコ以外のスタッフはただひとり!
そのため、いつもワインのことで手いっぱいで、DOPの申請や登録作業が進んでおらず、いまだに表記が「コンディメント(ドレッシングのような意味)」となっています 。
しかし中身は一切の混ぜ物なし、ブドウだけ!しかも3年から7年熟成を経た"正真正銘の"バルサミコ酢です。
マルツェミーノが多いこともあって酸が非常にまろやか、そして程よい濃度と味わいを持っています。
たくさん使っても酸味がまろやかで、ブドウの豊かな味わいがお料理を美味しくしてくれる逸品です。
夏の食卓には、美味しいお酢は必須アイテム。
サラダにはもちろんですが、焼いた野菜やお肉がまだ熱いうちにサッとかけると、さっぱりしながらコクも出ます。とても美味しいので是非お試しください。
*AZ(アゼ)とはこの地域の方言でAceto(アチェート、 お酢 )の意。
(MAIL MAGAGINE Vol.46 / 終わり)