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研究ツールとしてのDropbox①
こんにちは。今回はDropboxについてのお話です。
「研究ツール」として特別な使い方をしているかと言われたら微妙なのですが、研究にも役立つ便利ツールであることは間違いないので、ここで扱うことにします。
〇Dropboxとは
Dropboxは、簡単に言えばクラウドのストレージサービスです。
ここにファイルを上げておけば、USBなどでデータをやりとりせずとも、どこからでもファイルへのアクセスが可能になります。
PC用・スマートフォン用の両方にアプリがあるので、入れておけばデータの行き来もスムーズです。
※画像はPC用のDropbox。ファイル名などはてきとうなので気にしないでください。
特にUSBメモリを差せないスマホの場合、有線でPCとデータをやりとりするのは面倒なので、オンラインストレージが活躍します。
ときどきメールに添付してファイルを送るという方も見かけますが、送れるサイズの大きさには限界がありますし、手間がかかるので、メールするくらいならクラウドに上げちゃった方が楽です。
また、あるファイルやフォルダを何人かで共有することもできます。全員で進捗を確認したいファイルなどをその日の業務の終わりにDropboxに入れることにする、などのやり方で、チームでやる作業も何かと捗ると思います。
これも同じことはメールでも可能なのですが、やっぱり省ける手間は省きたいところです。メールだと多少なりとも文面を考える必要がでてきますし……。
クラウドにデータがあるので、バックアップとしても有効に機能します。
実際に僕は学会発表の前日にPCが壊れるという悲しいアクシデントに遭遇したことがあるのですが、ここにデータを上げていたおかげでなんとかなりました。
修士論文を書いていたころは、PC本体とUSB、それからDropbox、Google driveあたりにバックアップをとってました。こんだけしとけば安眠できますね。
〇なぜDropboxなのか
Dropboxと似たような使い方ができるオンラインストレージとして、One driveやGoogle driveがあります。
One driveはwindowsにはもともと入っていて、ドキュメントファイルなんかを自動で保存してくれます。また、Google driveは容量がウリで、15GBものファイルを保存できます。
一方のDropboxは容量わずか2GB(有料版なら3TB)。ふつうに考えればGoogle driveを使ったほうが「お得」な感じですが、僕は次の2つの理由から、Dropboxを使っています。
※別に1つのオンラインストレージを使ったら他のが使えなくなるわけじゃないんだから、全部使えばいいという発想もあり得ます。しかしそれは、Evernoteの記事でご紹介した「一元化のテーゼ」に反します。簡単に言えば「あのファイルどこやったっけ」が起きるので、避けたいところです。
①デザインがいい
まず、DropboxはUIが洗練されています。
ベースの色が青と白で落ち着きますし、右にフォルダ、真ん中にファイル、左にファイルの詳細と3列で役割がきっぱり分かれていて、わかりやすいです。これはなかなか優れたUIではないでしょうか。
また、これは完全に僕の好みですが、ロゴデザインが気に入っています。
この箱開けてますよみたいなロゴのことですね。いろんなデータを入れるboxということがわかりやすいですし、青と白基調な点もUIと合わせた色味でGoodです。
②ファイル容量の制限はきつい方がいい
無料で使える容量は、Dropboxが2GB、Google driveが15GB。数字だけ見るとGoogle driveの圧勝です。
しかし僕はむしろ、容量が2GB程度である方がいいと思っています。本当に15GBも必要でしょうか。
オンラインストレージの利点の1つは、どのデバイスからでも利用したい・編集したいファイルを簡単に取り出せるところにあります。
つまり「今使っているファイル」あるいは「使う頻度が多いファイル」がストレージに入っていることが大切なのです。そうしたファイルが15GB分もあるでしょうか。
容量が大きいと、とりあえずなんでもそこに放り込んで、フォルダの中がどんどんぐちゃぐちゃになっていく可能性が高いです。しかし使いたいファイルはそのうちの一部。それを探すのは手間がかかります。
容量がある程度制限されることで、使う側は必要なファイルの取捨選択を行います。千葉雅也さんの言葉で言えば、2GBという制限が「有限化」の役割を果たすわけです。
もっと言えば、容量は1GBくらいでもいいと思います。使っているもの以外のファイルは保存用のUSBや外付けHDDに入れておけば十分です。
あるいは、DropboxとGoogle driveを使い分けるというのもいいかもしれません。ここ1年くらいの作業で使っている/使いそうなものはDropbox、バックアップ用にGoogle drive、とか。
これは一見「一元化のテーゼ」違反ですが、普段使いしないファイルの検索性を上げる意味はそんなにないので問題ありません。むしろ、何をどこに置くのか、ルールが決まっていることが大切です。Aというファイルの正確な場所が分からなくても、それがどこらへんに置かれているのか分かっていれば探す手間はそんなにかかりません。
※ちなみにこの辺の記述は野口悠紀雄『「超」整理法―情報検索と発想の新システム』(中公新書、1993)を参考にしています。25年以上の前の本なのでオンラインストレージについての話などはもちろん出てきませんが、ここに出てくる情報整理の方法論はとても参考になります。
つまりDropboxの(相対的な)容量の少なさは、結果的に使い手にファイルの整理を強いることで、生産性を上げていると考えられるわけですね。
〇まとめ
今日の記事をざっくりとまとめれば、Dropboxはオンラインストレージの1つで、UIと容量で同種のストレージと差別化されている、ということになります。
ただオンラインストレージの基本的な役割は変わらないと思うので、どれを選ぶかは結局好みです。この記事が少しでもその選択の参考になれば幸いです。
では具体的に、研究をしていく上でDropboxがどのように便利なのか。②に続きます。
※②はこちら
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