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小室浅間神社 流鏑馬祭り 2024

 2024年9月19日、富士吉田の小室浅間神社で開催される流鏑馬祭りを見に行って来た。前日には奉納馬による市内パレードが行われていて、早朝その余韻が残る境内を覗いてみた。流鏑馬で走る「朝馬」「夕馬」の鞍上には坂本龍馬のような出で立ちのお侍さんが凛と背を伸ばしている。

早朝の境内

 例大祭は10時から始まった。神主さん率いる20人ほどの神職が行列をなして、一度脇道の鳥居を一般道に出てから正面鳥居に回り再入場、手水場でお清めした後本殿に入っていった。

流鏑馬神事

 本殿の右手には流鏑馬で走る栗毛の「朝馬」、左手には黒鹿毛の「夕馬」が臨時の厩につながれている。神馬たちは狭いゲートに飽き飽きしているのか神事の間小刻みに動き回っている。「11時頃から、流鏑馬の練習がありますよ」とのことで10時45分から流鏑馬会場の馬場で待機する。

本殿前の朝馬
本殿前の夕馬

 まずは練習、先に「朝馬」が出てきてキャンター程度のスピードで200mほどの馬場をリズムよく駆け上がる。次に黒鹿毛の「夕馬」が駆け出すとスピードが出すぎたのか、馬場半ばで脚を滑らせ脇のガレージにぶつかりそうになった。「夕馬」はサラブレッドらしく制御が難しそう、大事に至らず良かった。

流鏑馬練習風景

 本番は13時からなので練習が終了してから90分も時間がある。お腹もすいたので地元で評判の下吉田駅裏の民家うどん屋「新倉屋」に行った。そして一番人気の「肉天うどん」をいただいた。その後神社近くに戻り「カフェファブ」で地ビール「源流ホワイト」をいただいた。とてもフルーティーで飲みやすいビールだった。
 さて流鏑馬本番、位置どりは地元NHKとテレビ山梨がカメラを準備している後ろに陣取り、馬がこちらに向かって駆けてくるのを見学することにした。的は馬場の片側に連なるガレージの上部3箇所に距離をおいて設置されている。馬上から斜め上に矢を射ることになるので、よほど上手な射手でないと的に当てるのは難しそうだ。

馬場のお祓い

 流鏑馬祭りは神職によるお祓いから始まる。馬場を歩きながら要所要所でお祓いが行われる。低頭!

これから本番

 まずは「朝馬」の一走目が始まりこちらに向かって駆けてくる。射手が弓を引こうとするが三つの的すべてバランスを取るのが精いっぱいで弓は放てず。馬はカメラマンや我々観客に突っ込む勢いで駆けてくる。その手前で7、8人の流鏑馬神事スタッフが「どう!どう!どう!」と言いながら両手を広げて馬を止める。それもかなり危険な役割だ。

馬蹄占い 占人

 馬が走った後はその足跡を追うように三人の占人が馬蹄跡を鑑定しながらやってくる。二走目は射手がバランスを崩して落馬した。頭を地面にぶつけたように見えたが大事に至らず、照れ笑いしながらゴールまで自力で歩いて来た。四走目の射手にして初めて弓を放ち最初の的を捉え?次の的は矢を放ったが当たらず、そして的三つ目では弓を引かずに、勢いがついた馬を制してカメラマンの手前ギリギリで止まった。私も含め何人かの見学者はその場から飛び去って脇に逃げてしまった。かなりの迫力だった。その後「朝馬」の出番が終了し、本殿前に戻ってお祓いを受けていた。

流鏑馬終了後の本殿前

 次は黒鹿毛のサラブレッド神馬「夕馬」の出番だ。一走目の出だしから明らかに栗毛とはスピードが違う。落馬しなかっただけで良かった。このスピードを制して矢を放てる射手は残念ながら現れず、しかも矢を落とすだけで誰も弓を引けなかった。「安全第一だぞ!」この流鏑馬は的当てるのが主目的でなく、馬蹄占いがメイン。鎌倉八幡宮のような落馬事故は避けるべく、関係者は射手に対し何度も声をかける。

 今回生まれてはじめて流鏑馬を見学したが、その迫力に魅了された。また馬が止まる場所に観客がいても「危険を感じたら逃げてくださいね!」と、それが許されるのんびりした雰囲気は最高だった。明日には馬蹄占いの結果が「令和六年流鏑馬占表」として住民に渡されるようだが、地域の平和が維持されることを願ってやまない。800年続く伝統行事の流鏑馬祭りを練習から本番まで満喫できて、本当に来て良かった。ありがとうございました!!

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