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福島天栄ツアー(2019年)

2019年6月、馬主仲間4人で1泊2日の福島天栄ツアーに行った。メインイベントは憧れのノーザンファーム天栄の視察、そして愛馬とのご対面!早朝JR東川口駅でTO君、TJ君と合流しNA氏の愛車で白河を目指した。天栄視察は15時の約束なので時間には余裕がある。早めに白河に到着したので、そこで腹ごしらえすることにした。白河で昼食といえばやはりラーメン。ネットで1番人気「とら食堂」に行くも開店前の行列が半端なく、TO君お勧めの「すずき食堂」へ行った。ここもネットでは2番人気の有名店だ。時刻は11時30分、並んでいた客が続々と店内に入っていく。その列の最後尾から中に入ると、運よく座敷の四人テーブルに着けた。メニューは中華そばのみ、まずはビールを頼もうとしたがノンアルのみと徹底している。4人で中華そばに集中、醤油ベースのスープが絡む手打ち縮れ麺が絶品だった。

白河から天栄まで車で約30分、まだまだ時間がある。NA氏「せっかくだからウインズ新白河に行こう!」、皆「ウインズ巡り、良いねー」ご当地の味を満喫した後は早速競馬。この日は東京・阪神・函館の3場開催。東京6R3歳未勝利でTO君、逃げる3番人気ジョガールボニートに後方から追い込む5番人気のサンロアノークの3連単をゲット。2万円を超える好配当で幸先よし!今日は「見」と決めていた私も意志弱く予想を開始し、阪神8Rで馬連勝負!ダートはゴールドアリュール産駒、1番人気のスマートフルーレからアオイツヤヒメとアオイテソーロへ。先行3番手から直線で脚を伸ばすスマートフルーレを4コーナーから捲り気味で直線脚を伸ばすアオイテソーロが交わす。「よっしゃ!馬連いただき!」見事2点で仕留めた。レースが確定し配当は1890円ヒラヒラ1枚ゲット、思わず笑顔で払い戻し機に馬券を入れる。しかし、しかし「このレースは確定していません」???、馬券を見直すと何と東京8Rとある、マークを間違えている。「やってしまった!でもこうやってとんでもない配当ゲットすることもあるからなあ」と動揺を隠すように東京8Rの番組を見ると障害レースである。軸の3は12番人気の9歳馬、障害36戦1勝、一応期待してレースを見たが結果は惨敗。春のGⅠシリーズNHK杯からどうもツキに見放されている。アドマイヤマーズとカテドラルで決まったと思ったら、なぜか14番人気のケイデンスコールが2着に食い込みハナ差負け。あれから馬券の流れが変わった気がする。ウインズ白河の短時間勝負はTO君が見事に勝利、三人は明日の福島場外勝負に期待だ。

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憧れのノーザンファーム天栄に到着した。昨年TO君と茨城の勝馬神社へ愛馬活躍の祈願に行き、その帰りに交わした約束が実現した。この天栄には古くて辛い歴史がある。サンデーサイレンス産駒の活躍の一方で、ナリタブライアンやビワハヤヒデを出した名門早田牧場の経営が傾き、ここ天栄はシルクの運営を経て2011年ノーザンに売却された。その後900m坂路を高低差36mに改修した効果が大きく、外厩活躍馬の増加に合わせて8厩舎286馬房にまで拡大した。円形のウォーキングマシンが各厩舎に2台ずつ配置され、今や従業員は100名を超え、ノーザン活躍馬の拠点としてなくてはならないものとなった。そういえば昨年訪れた新冠の優駿スタリオンステーションも元は早田牧場のナリタブライアン記念館だった。

見学の予約は、NA氏がシルクホースとキャロットのクラブ枠を駆使し、愛馬6頭との対面を手配してくれた。私の予約は落選だったので、自分の愛馬と触れ合えるのはNA氏に感謝しかない。
5分前に到着し事務所で迎えを待つ。事務所の壁には歴代の重賞勝ちした愛馬たちの写真が、所狭しと飾られている。私の愛馬コントラチェックのフラワーカップの展示もあった。GⅠコーナーには外厩仕上げの申し子でこの先もGⅠレースを勝ち続けるだろうアーモンドアイの写真がずらっと並んでいる。アーモンドアイはNA氏の愛馬だ。窓から外を見ると1周1200mの周回コースや坂路が見える。「ここでレースに向けた調教が行われているんだな」と感慨にふけっていると、「お待たせしました」と若い厩務員?が迎えに来た。さて、いよいよ愛馬とのご対面が実現する。

コントラチェックに逢えた。黒鹿毛の馬体は力強そうだ。視線は鋭いが元気なさそうに見える。厩務員さんからの情報では、他馬と比べると普段から比較的大人しいらしい。オークスの走りはかなり堪えたようで背中の肉が落ち、今は徐々に回復を促しているとのこと。確かにオークスレコードとなったレースの逃げ争いをした負担は3歳の牝馬には大きかったようだ。本来ならGⅠに出走できるだけで素晴らしいことなのだが、愛馬に大きな期待を背負わせていたのかもしれない。感謝の気持ちを込めて鼻から背中まで撫でてみる。触り心地は想像以上に柔らかく温かい。たてがみを撫でると人懐こく頭を近づけて来る。後肢には保護のバンテージが巻かれ大切にされているのがわかる。9月には復帰させたいとのことなので、夏場はゆっくり休養し秋の本番では元気な姿を見せてくれるに違いない。そして、できれば秋華賞に出走して欲しい。

アモーレミオが馬房から出て来た。芦毛のまだらな馬体は白い部分が少しずつ目立ち始めている。むらさき賞を回避し左前脚球節の浮腫みが心配だったが、見た目にはわからない。元々右トモに不安があり歩様にぎこちなさがある馬だ。厩務員さんの話では今のところ順調に回復しているようだ。もう一つ勝てばオープン馬となり繁殖入りが決まるはずだ。焦らずじっくり回復させて欲しい。愛馬ミオは馬体の割に頭が大きく見える。馬房で暴れて頭を打ったらしく患部がガーゼで覆われている。よくあることらしい。後肢には保護のバンテージが巻かれている。近くで見ると肌色の流星がよくわかる。首から背中にかけて撫でると、首をもたげて様子を伺ってくる。その仕草が可愛く、触り心地もやはり柔らかだ。むらさき賞を回避した勢司調教師の英断に応え、秋には元気な走りを見せて欲しい。

NA氏の愛馬、そして世界最強の現役牝馬アーモンドアイ。鹿毛の馬体は張りがあり、筋肉が盛り上がってふっくらしている。「これが走る馬体かと思うと威厳を感じる」とはTO君の第一声。確かにそうだ。厩務員さんの話では、アーモンドアイはいつもうるさくて気性が激しいようだ。馬房でも暴れるらしく四肢にバンテージを巻いている。星のある顔に手を当て背中を撫でてみると意外に大人しく、されるままになっている。まさかアーモンドアイに触れることができるなんて想像もしていなかったので、感激で手が震えた。腹を触られるのは苦手らしく馬体をひねって嫌がる。TJ君も満面の笑顔でツーショット写真、NA氏よりも他の3人の方が興奮気味だ。ドバイ遠征と安田記念の疲れを癒し、次の目標は天皇賞(秋)、そしてジャパンカップになるだろう。「また応援に行くよ!」

ブロードアリュールは厩舎の中でなく、わざわざ外の広い通路まで曳いてきてくれた。馬房で暴れて頭の怪我を治療中とのコメントもメンコを被っているのでよくわからない。鹿毛の馬体は張りがあって、黒い足とのバランスが綺麗に見える。ダート3勝の5歳セン馬だが、いまだに8戦のみと伸びしろが期待される。「中央だけでなく地方のの交流重賞で活躍して欲しい」とNA氏。

ユナカイトの父はヨハネスブルグ、母は名牝フサイチパンドラの娘でアーモンドアイの半妹3歳牝馬。姉と違って栗毛に出たが、馬体は筋骨隆々で美しい。皮膚も薄く肌触りも快適。6戦1勝だが着外1回のみと惜しいレースが続く。「この馬にも期待しているけど、なかなか勝てなくて」とNA氏。

NA氏期待のディープ産駒クロワルース、青鹿毛の2歳牝馬。ゲート試験を合格して天栄に移って来た。しっかりした馬体と鋭い眼光から、N氏の馬を選ぶセンスに感服。アーモンドアイに続き走りそうな気配が漂っている。NA氏と一緒になって将来のGⅠ候補馬の首を撫でておいた。

ノーザンファーム天栄は約1時間の見学。3名の厩務員さんにとても丁寧に対応いただいた。愛馬との触れ合いを気持ちよく満喫でき、福島ツアーのメインイベントは大成功。NA氏と私は勿論、TO君とTJ君も喜んでいた。次回はTO君の東サラ愛馬が天栄に在厩する頃を狙ってまた来ることを誓った。

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天栄での触れ合いの余韻に浸りながら、NA氏厳選の宿へ向かう。一泊朝食付き6,500円の温泉「スパホテルあぶくま」コスパ指数は高い。白河ゴルフクラブのそばを通りそこから更に山奥に入る。そういえばこのゴルフ場はかつて関の里に野球部の合宿に来ていた頃、よくコンペをしていたゴルフ場だ。間もなく林間の宿に到着した。昨年リニューアルしたらしく、外観は新しそうだ。館内は廊下も部屋も裸足で歩けるのが気に行った。露天風呂もとにかく綺麗で気持ち良かった。夕飯は施設のレストランで好きなものをオーダーし、おしゃれな居酒屋状態。ツアー初日の各自の感想から始まり、四人の馬談議に花が咲く。料理はコスパが良く、ホテルこだわりの日本酒はTJ君の満足度を上げたようだ。翌朝の朝食バイキングもバリエーションがあり、この宿は是非お勧めしたい温泉宿だ。NA氏の馬だけでなく宿を選ぶセンスにも脱帽でした。

福島天栄ツアー2日目、まずは福島稲荷神社に寄り、その後福島競馬場で勝負することにした。福島稲荷神社にはとても珍しい「競馬勝守り」がある。競馬ファンなら一度は訪れたいスポットだ。22年前の福島競馬場全面改装の時に、福島の親善大使としての役割を担って発売されたらしい。境内の駐車場に車を停め、早速売店がある社務所に行く。「競馬勝守り」は、カード形状の西陣織が透明のケースに封入され、そのポケットに馬券を入れることができる。5種類あり表と裏でデザインが違う。どれにしようか悩んだ結果、私はお土産も兼ねて5種類全部購入し、これからの勝負でそれぞれの効き目を試すことにした。NA氏、TO君、TJ君は私が買った現物を手にしながら、どれにしようか悩んで購入していた。

皆で絵馬に願いを認めて奉納する。NA氏はアーモンドアイ、ザダル、ヴァイトブリック、TO氏はレッドアダン、レッドクレオス、レッドサクヤ、TJ氏はジュネスドールを応援する。私は「アオモーレミオ重賞勝ち!コントラチェックGⅠ勝ち!がんばれ!」と記載し、「陰陽師安倍晴明様、どうか皆の願いがかないますように!」と祈願した。

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福島競馬場は場外発売の日で、開催1週前となる。これは天栄を優先したのでやむを得ない。街には人がまばらなのに場内は一杯だ。冷房が効いた室内の席をようやく見つけ、4Rから勝負を開始する。4人とも前日から専門誌で予習済みだが、3場開催となると大変だ。私は昨日の買い間違えがあるので1場に絞り、阪神のみで勝負することにした。4Rは1番人気トラビッチェを軸に馬連5点勝負、結果は軸が3着で外れ、近時の武豊はよく裏切る。昼食は前日3連単をゲットしたTO氏の驕りで勝丼ビール付き、「TOさん御馳走様です」5Rは新馬戦でパス、6Rは1番人気エルティグレ軸に馬連5点勝負、軸が出遅れて6着、ダミアンレーンには少しだけオークスの恨みもある。7Rは3番人気のアドマイヤデジタルから馬連5点、軸が後方凡走でアウト。3連敗、今日はだめだ。

高速道路が混まないうちに帰ろうということになり、皆後半のレースを買って車に乗り込む。私は阪神8Rと宝塚記念を買った。阪神8R2番人気モズベッロと4番人気セグレドスペリオルの2頭軸3連単マルチ、ゲット!したが1着は押さえの1番人気でトリガミ、やはりツキがない。さて宝塚、悩んだ結果レイデオロとアルアインの2頭軸とレイデオロとキセキの2頭軸で紐にリスグラシュー、スワーブリチャード、そして気になるマカヒキへ3連単マルチ。逃げたキセキをリスグラシューが交わして1着だったが、軸のレイデオロが5着に沈み、見事に全員外れた。「そうか今回は西だからノーザンしがらき仕上げを狙い、クラブ2頭出しは人気のない方からだったか」と、後悔しながら旅は終了した。

競馬では良いところがなかったが、実に楽しいツアーだった。たった1泊2日の旅だけど、「馬」を満喫することができて四人とも大満足。「次は北海道だね。ノーザン空港から日高、そして帯広ばんえい競馬にトライしよう!」、これからも馬主仲間四人の楽しい旅が続きそうだ。

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