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あの日、宝物が産まれるまでのこと。

8/31、長女のお誕生日🎂
予定日の8/23を超過してもなお、全く出てくる気配がなかったので前日から産院へ入院。
当日の9時から促進剤を開始して誘発分娩が始まった。
実際に痛みが強く出始めたのは某3分クッキングの放送ごろ。
だんだんと耐え難い痛みになってきて、それでも子宮口は開かないし辛い、しんどいと思っていつ終わるのか途方に暮れている時に聞こえたお昼のバラエティでのタレントの笑い声にブチ切れて、時間の目安を把握するために点けてたテレビを消した。

その日は当時の夫が付き添ってくれ、腰のあたりにテニスボールを押し付けたりして彼なりにサポートしてくれたんだけど毎回痛みが来た時に押す場所がズレていてそれにもブチギレていたことを覚えてる。
もう充分陣痛が来ていると、痛いと言うのに「でもまだまだこれからだよ〜頑張ろうね〜!」と明るい声色で喋りながら点滴ぶち込んでいく看護師さんさえ悪魔に見えて、前世の業ですか?とかよく分からないキレ方をして痛みを耐え忍んでいた。
ずっと自分の部屋で戦っていたけど、ようやく分娩台の方に移動できる頃合いになったと言われストレッチャーで運ばれるのかと思ったら自力歩行。いや動けんて。
元気な時なら目と鼻の先である部屋から分娩室までの距離さえ、瀕死の私には東京ー新大阪くらいの長距離に感じられてそれもまた許せない、許せないよぅ…とシクシク心の中で泣き怒りながら一歩ずつその道のりを踏み締めた。

分娩室に着くと、まだ本調子の流れが来てないからとサブ分娩台のような所に上がらされ再度地獄を見る。
陣痛は勿論痛いのだが、内診が死ぬほど痛い。本当に指しかはいってないんですか?と聞いてしまうぐらい毎度毎度激痛で内診しますの一言が本当に怖かった。
ある程度子宮口が開いたと判断された時、「これなら大丈夫そうだから頑張ってね〜」と内診の指がさらにガツンと入ってきて、あまりの激痛に思わず主治医を蹴ってしまったのだがそのタイミングで破水。
破水したね、じゃあいよいよ産むよ!と声をかけられ頑張るぞ〜!!!と思っていたら助産師から一言。
「じゃあ、あっち(メイン分娩台)に歩いて移動してね」
この世に神など本当にいるのか?私に歩ける体力が残っていると思っているのか?もうここでやってくれよ…などなど湧いてくる負の感情を原動力にして何とか移動。
正直足を下ろすのさえままならない状態だったので、歩く以外の足を上げたり下ろしたりはほとんど手伝ってもらっていた。

移動してからは痛みが来たタイミングでいきんでください、と言われ自分のタイミングでいきむようになる。
その際に上手に力を入れられるように手元にレバーのような手すりがあり、そこを握るよう指示されるのだが毎回指示とは逆の使い方をして主治医に「力の入れ方そうじゃないよ!違うよ!」と指摘をされる。しかし直らない。私にはどっちが正解かなど考える余裕がなかったためである。その時の記憶は曖昧で、何が正しくて自分がどんな事をしてたかなんて当然覚えていない。
まさに出産、命懸け。
ようやく頭が出てきたのだが、ビッグベビーだった娘は肩がどうしても抜けず吸引分娩で引き出すことに。
ここでまた器具装着の痛いこと痛いこと。
出産、痛みのデパートですか?もしくは三つ星レストラン?あらゆる種類の痛みをフルコースで堪能することとなりましたがようやく肩も抜け、15:30長女爆誕。
9時からの開始だったので6時間半での出産。
大きな泣き声を聞いた時に、ようやく終わった開放感や安堵、出会えた喜び、この生命が本当にお腹に居たんだという不思議な気持ちなどあらゆる感情が込み上げてきて「頑張ったね、やっと会えたよ〜」とボロボロ泣いた。

初産としては早い方だよ、すごいねママ頑張ったね、と沢山労ってもらいながら傷口の縫合をされる。
少し麻酔打つから痛いかも、なんて気遣いを受けるが既にあらゆる痛みを味わった直後なので全く痛みなど感じず、ただただ呆然として分娩台のライトと天井を眺めていた。
出血が多く、元々貧血の数値もあまり改善されていなかったのでその場で娘を抱くことはなくそのままストレッチャーに転がり自室へ移動。
移動して少しの間だけ夫が側に居てくれ、「頑張ってくれてありがとう」と少し声を震わせて言っている姿に、普段あまり表情豊かではないこの人にも人の心があったのかと笑った。
先に新生児室でのガラス越しに長女と対面していた夫から、子どもは元気そうだよ、と聞き安心したことまでは覚えているがその後の記憶はないので泥のように眠ったのだと思う。なんせ疲れ果てていたので…。

目を覚ました頃には面会時間を過ぎていたので夫は帰っていたのだが、仰向けで寝ても苦しくないのが久々すぎてしばらくゴロゴロした後に夕食をとり、長女とご対面。
3990gで産まれた娘は既に生後1ヶ月の子ほどの大きさで、同じ日に産まれた赤ちゃんと並んだ時にその大きさの違いに驚きつつもふにゃふにゃのテディベアのような可愛さだった。産まれる前から決めていた名前が、本当にぴったりと似合う女の子だった。
助産師さん達に、貧血もあるからゆっくり休んでねと気遣ってもらったのだが、我が子の寝ている姿、細かな表情を見るだけでそんな疲れなど吹き飛ぶほど愛おしくてガラス越しにいつまでも眺めていた。
本当に産まれてきてくれてありがとう。

あなたが私の元を選んできてくれた、なんて烏滸がましい事は微塵も思わない。
だって、子どもは親を選べない。私たちだって、産むか否かを選ぶ事はあっても、この子を指名します!なんて事までは出来ない。
だからこそあるのは、「私があなたに会いたくて産んだ」という事実のみ。
予定日を超えてもなお、全く出てくる気配を出さずお腹に居続けたのんびりマイペースなあなた。私譲りかもね、のんびりさんは。
元気に産まれてきてくれてありがとう。
毎日、本当に一緒に過ごして楽しいよ。
また次のnoteで今の気持ちを残します。

本当に心の底から大好きで、愛してるよ。
出会えて良かった。毎日が幸せだと思ってもらえるようにこれからも一緒に過ごしていこうね。

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