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歴史考察 #82『二宮金次郎が読んでいたのは聖書だった⁈』

日本の小学校に通ったことのある人なら、一度は目にしたことがある二宮金次郎像。

彼が手にしているのは...聖書だった⁈
いやいや、金次郎さんが愛読していたという儒教の経書の一つ『大学』ですよ‼

...という声が聞こえてきます^^
かくいう私もそう思っていました。

しかし、『南蛮文化館』に置かれた姿をみたら『ひょっとして聖書だった?!』と思ってしまいました。

『南蛮文化館』の二宮金次郎像

...というわけで、二宮金次郎さんとキリスト教について調べてみたところ、ある情報に遭遇したのです。

それは...『薪を背負い本を読みながら歩く姿』は、『クリスチャンの少年の挿絵(荷物=原罪、本=聖書)』が元になったというお話です‼

そもそも二宮金次郎さんとはどんな人物なのでしょうか?
二宮金次郎さんは江戸後期の農政家であり思想家なんですね。

農家に生まれ、苦労しながら没落した家を再興し、その手腕を買われ諸藩や村を復興させました。

そんな金次郎さんの伝記『報徳記』を読んだ幸田露伴が、1891(明治24)年、『少年文学』の中で『二宮尊徳翁』を執筆しました。

そこに金次郎さんの挿絵が描かれたのですが、それは、ジョン・バニヤンの宗教書『天路歴程(1886(明治19)年翻訳版)』の挿絵に登場する『クリスチャンの少年』が元になったとも言われているのです‼

...とはいえ、二宮金次郎像の本はまちがいなく『大学』だったようです。

しかし、当時のクリスチャンの方々は、原罪を背負いながら聖書を読む『クリスチャンの少年』を重ねたのかもしれませんね。

いずれにしましても『南蛮文化館』はとても興味深い展示物で溢れていました。

先人が遺した貴重な記録を一つ一つ噛み締めたいものです。

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