歴史考察 #110『ヴェルサイユ宮殿の庭は風呂敷に似ていた⁈』
洋館巡りや世界各地の遺跡を調べて感じることは、「渦巻模様」や「唐草模様」、「螺旋」が多用されていることです。
たとえばギリシャの神殿の柱の「渦巻模様」
人類最古の巨石神殿遺跡の「渦巻模様」
バチカン博物館の「螺旋」階段
そして古い洋館の門にある「唐草模様」...
これらの事例からも、「渦巻模様」や「唐草模様」は、古来より縁起のよい模様として多用されてきたことがわかります。
そして「渦巻」や「螺旋」は、宇宙の「渦巻」やDNAの「螺旋」をイメージしているのではないかと感じています。
2024年夏季オリンピックのメイン開催地となるフランス・パリ。
活気づく街を牽引するように、新しいホテルやレストランが誕生とのニュースを目にしました。
その中に、「ヴェルサイユ宮殿に宿泊」できるというニュース記事がありました‼
そこで目に留まった場所がありました。
美しく整えられた庭園です✨
あれ?このデザイン、どっかでみたことがある...
色味といい、模様といい...
そう!
日本の唐草模様の風呂敷にそっくりではないですか⁈
早速風呂敷の歴史を紐解いてみました。
そもそも風呂敷は、室町時代の大名たちが、当時の風呂(蒸し風呂)に入る際、 脱いだ着物を家紋付の布で包んでまとめ、入浴後は布の上で身支度をしたことから生まれたと伝えられているようですね。
その後 江戸時代の初めに銭湯ができると、庶民が入浴グッズを風呂敷に包んで持って行くようになり、武家社会から一般社会へと風呂敷が広まりまったそうです。
そして唐草模様の風呂敷は、 縁起の良い文様として、明治から昭和にかけて大量生産され、どの家庭にも必ず一枚はあるものだったようです。
そのため、泥棒が手ぶらで忍び込み、その家にある唐草模様の風呂敷で盗んだものを包んで運び出したことから、唐草模様=泥棒のイメージがついてしまったということでした。
ちなみに庭に「渦巻模様」と言えば日本庭園の枯山水もそうですね。
いずれにしましても「渦巻模様」や「唐草模様」は、古今東西、縁起の良い模様として大切に継承されてきたことがわかりますね。
混迷する昨今、「渦巻模様」や「唐草模様」に再び光が当たり、良い気運が渦を巻くようにと願う今日この頃です✨