歴史考察 #73『カルデラ湖』は核実験の産物⁈
カザフスタンにある『チャガン湖』をご存知でしょうか?
『チャガン湖』は、1965年の核実験によって生み出された人造湖です。
(1948年以来、450回を越す核実験が繰り返され、そのうち、23回は地上実験!!)
『チャガン湖』は、『核の湖』とも呼ばれ、湖はもとより、周辺でも今もなお高濃度の放射線量が検出されています。
そんな『チャガン湖』誕生の背景には、米ソによる核兵器開発競争の激化があり、米ソは核兵器の性能を上げるため、核実験を幾度となく繰り返しました。
1954年には、太平洋のビキニ環礁でアメリカによる水爆実験が行われ、これにより、日本の『第五福竜丸』が被ばくをし、ビキニ環礁付近で漁獲されたマグロは『原爆マグロ』とよばれ、廃棄されました。
さらに日本では、放射性物質を含んだ雨(放射能雨)が観測され、人々は被ばくの懸念に恐れを抱きました。
そんな核実験は、平和的利用として、土木分野での研究もなされました。
それは核爆発による障害物の破壊です。
こうした核爆発の利用は『平和的核爆発』と呼び、アメリカではネバダなどで実行されましたが、放射能汚染などの問題により、計画が頓挫します。
一方ソ連では、人造湖を造るための核実験が行われました。
(ソ連はカザフスタンの乾燥地帯に40個以上の人造湖を作ろうと計画していた!!)
それによりクレーターが発生し、そこに雪解け水が集まり、湖となることを期待しました。
すると爆発後には、直径408M、深さ100Mに及ぶクレーターが出来上がり、やがてクレーターのふちは盛り上がり、『カルデラ湖』のようになりました。
しかし、核爆発により作られた『チャガン湖』の水は放射能汚染され、農業利用はおろか、生物すら生息できませんでした...
...と、ここで思い出した映像がありました!
それは某TV]番組で放送された恐山にある湖『宇曽利湖(うそりこ)』です。
『宇曽利湖』は、『恐山山地の剣山の噴火で形成されたカルデラ湖』と言われています。
この『宇曽利湖』は、とても美しい青色をしていました。
その理由について専門家はこう説明していました。
「『宇曽利湖』は、湖底から強酸性のガスが噴出し、生き物が生きずらい環境。魚どころかバクテリアも生息しにくい。だから水が青く澄んでいる。」と...
そんな『宇曽利湖』は、湖の底部は全体的に平坦ですが、『1ヶ所だけ急激に深くなっている』ところがあるのだとか...
ほかにも『カルデラ湖』をあげてみますと、いずれも美しい青色をしているようですね。
・北海道、摩周湖
不純物をほとんど含まないため、晴れた日には湖面が青く輝く。
・北海道、倶多楽湖(クッタラ湖)
原生林に囲まれ湖面がコバルトブルーに輝く。
・宮城県、御釜
天候により湖面がエメラルドグリーンやるり色に変化する。
・群馬県、湯釜
湖面はエメラルドグリーンの幻想的な美しさ。
こうした『カルデラ湖』と、核爆発による『人造湖』の違いはどこにあるのでしょうか??
いずれにしましても、世界で行われた核実験は2000回以上...
そして、放射能の半減期は、最長で45億年...
『平和的核爆発』と、それに伴う『人造湖』の計画が永遠に復活しないことを祈るばかりです。