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ジャン・チャクムルを見守り続けて・・・

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トルコの若きピアニスト、ジャン・チャクムル(Can Çakmur)の存在を知って以来、第10回浜松国際ピアノコンクール(2018)での優勝を経てさらに成長を続ける彼を応援していま…
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2021年2月の記事一覧

ジャン・チャクムル「サバフ」紙インタビュー(2) インスピレーションの源

- 自分のスタイルを説明していただけますか?(クラシック音楽の内外で) 自分が糧とした音楽家や音楽の種類には誰が、どんなものがありますか? 解釈者というのは、演奏する作品の言語やスタイルに敏感かつ協調的であらねばなりません。ステージの上で、理想的な条件の下で、音楽家は唯一の人間としてではなく、音楽が肉体を手に入れた状態としてそこにあるべきです。真のインスピレーションというのは、まさにこの露と消えてなくなる感覚ではないかと思います。私にとって最大のインスピレーションの源はお

ジャン・チャクムル「サバフ」紙インタビュー(1) 正しい道を歩んでいる証

2021年1月20日付で発表されたICMA(国際クラシック音楽賞)Young Artist of the Year(年間最優秀若手アーティスト賞)受賞*1 を受け、トルコ国内のメディアによるジャン・チャクムル君へのインタビューが続いています。 本日ご紹介するのは、2021年2月7日付でトルコの大手新聞サバフ(Sabah)紙に掲載されたインタビューです。過去に行われたインタビューの内容と重複する質問も中にはありますが、削除はせず全文を訳して掲載いたします。 --------

ジャン・チャクムル「芸術からの投影」インタビュー (2) 3枚目のアルバムは20世紀音楽

- 3枚目のアルバムのレコーディングですが、新しい日程は決まりましたか?シューベルトのどの作品が入るのでしょう? パンデミックのせいでレコーディングが3度延期され、2度はスタジオの変更を余儀なくされましたが、ようやく5月に実現できそうな見通しです。今回はプログラムにシューベルトはありません。その計画は11月に中止になったので、延期することに決めました。なぜなら元々スタンバイしている別のプログラムがあったからです。 そのプログラムは次の通りです。エネスクのピアノ・ソナタ第3

ジャン・チャクムル「芸術からの投影」インタビュー (1) パンデミック下での自己成長

芸術に関する総合的なポータルサイト「芸術からの投影」編集主幹シェフィッキ・カフラマンカプタン(Şefik KAHRAMANKAPTAN)氏によるジャン・チャクムル君のインタビューが2021年2月6日付で同サイトに掲載されました。 新型コロナウイルスの世界的流行により昨年の5、6月および11月から今年1月までに予定されていた日本公演がすべて延期か中止されたなか、コロナ流行下でのこれまでの活動状況、特に3rdアルバム収録や来日の予定など、ファンにとって得難い最新情報をこうしてタ

Wikipedia日本語版「ジャン・チャクムル」に掲載できなかったエピソード集

   先月(2021年1月)、Wikipedia日本語版に「ジャン・チャクムル」の記事を新規に執筆した。  ツイッターで私のアカウントをフォローしてくださっている方はよくご存知だと思うが、私はここ2年ほど、トルコ出身の若手ピアニスト、ジャン・チャクムル君のサポートを続けている関係で、トルコ語で報道された新聞や雑誌の記事が目に留まるたびに記事に目を通し、紹介する価値があると判断したものについては、極力、日本語に訳してツイッター上で紹介してきた。特に2015年以降に公開された