私の人生と、見えるもの③天使
さて、特定の現れ方をする白い蝶が、祖母だと思い込んでいる私なのだけれど、他にも信じている存在がある。
それは天使だ。
ただ1つ残念なお知らせがある。
タイトルには見えるものとしてあるが、私は天使の姿を見た事はない。信じているだけだ。
モラハラ夫と離婚する際、話し合いがつかず、調停に持ち込んだ。
何ヶ月もの間、いくら回数を重ねても相手は一歩も引かず、私は先のこと、特に子供のことを考えては苦しみ、つらい日々を送っていた。
今なら、心療内科にかかってみるだとか、心のケアを専門家に委ねるということに行動が及ぶかと思う。
でも当時は何故かそこへ至らず、心理学の本を読み漁る日々だった。
元々心理学に興味があり若い時から本を読んだりはしていた。
この時も、どうにか今の心境を改善しようと試みたが、分かっていることばかりで目新しい情報も見つからず、このような状況に陥った自分を責める事が多かったように思う。
そんな中、結婚当時から少し興味があった、スピリチュアルの世界にも、救いを求めるようになった。
なぜこのようなことが起きたのか。
自分の何がこの状況を引き寄せたのか。
何を学びたかったのか。
相手は何を学んだのか。そもそも何かを学んだのか。
その他諸々の事を、冷静に考える助けになった。
そんな中で、1つのオラクルカードに出会った。大天使ミカエルのオラクルカードだ。
なぜ数あるカードから、そのデッキを選んだのかは分からない。ただこれだと思った。
来る日も来る日も、質問を変え、カードを引いた。洗脳でもなんでもいい。自分の恐怖や苦しみから救われたかった。
そして心休まる暖かいメッセージを受け取り、それにすがった。
大天使に祈りもした。
そんな中、もう今回で決着がつかなければ、裁判に持ち込む他ないと言われた最後の調停の日。
いつものように調停委員の方々に自分の言い分を伝え、控え室で待つ間、恐怖でパニックになりそうだった。
私のキャパシティを超えていた。
何かを信じてただ待つなんてことは出来なかった。
一人きりでこの状況に対処するということは、その時の私にはあまりにも耐えがたかった。
藁にもすがる思いで震えながら祈った。
無心で祈った。
大天使ミカエルに。
お願いします。
心が壊れそうです。
どうか助けてください。
私と、何より子供たちをお守りください。
この状況に関わる人々にとって最善の状況になるよう、取り計らってくださいと。
元夫の聴取が終わり、再び私が呼ばれた。
話がついた事を伝えられた。
調停委員の方々も驚きを隠せない様子だった。
離婚に応じる。
親権も譲る。
子供とは2ヶ月に一度の面会でいい。
養育費も少額だが払う。
との事だった。
急激に状況が好転したのだ。
その日は、何度も何度もありがとうと呟きながら過ごした。
そして、離婚成立から一年半ほどたった頃だろうか。
元夫から、取り決めはなかったことにしたい趣旨のメールが来た。
なんらかの都合が悪くなったのだろう。養育費は払わない。面会もしなくていいということのようだ。
調停で決まったことは役所に提出され、このような申し出は無効なのは分かっていたが、関係を続けることの苦痛がなくなる方を選んだ。
この状況に関わる人々にとって最善の状況になったようだった。
自分で、このようなことを書いておきながら言うのもどうかとは思うが、心が病んで、自分ではどうしようもない時は、心理学的な面からの専門家によるケアをまずはお勧めする。
当時の私は、自尊心がズタズタで、しかしながら自分ではそれほどとは思っておらず、人に頼ることも打ち明けることもあまりしなかったし、何をどう考えればいいのかも分からなかった。
耐えていればどうにかなると思っていたのかもしれない。
あの時私が、恐怖と不安の入り交じった反すうの地獄から無理やり思考を切り離し、無心で祈ることができたのは奇跡かもしれないのだ。
しかしながら本当に、天使への祈りは聞き届けられるとも信じている。
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