世界のカタチは丸ではない
これから、世界の本当の姿を明らかにしようと思う。
以下は、これまで僕が世界の真理について研究してきた現時点での結果だ。
まず結論から先に触れようと思う。
世界の本当のカタチは丸ではない。
四角だ。
球体ではない。
立方体だ。
歴史に残されている記録をたどっていくと、この立方体としての世界が始まったのは聖書などで描かれている洪水伝説の時代からだろうと思う。
要するに、人間の文明が築かれる前の、原初の時代だ。
もっと言うならば、「前の人類の時代」と「今の人類の時代」の境目だ。
洪水伝説では、人類は何によって救われたと書かれているか?
聖書の「ノアの箱舟伝説」が最も有名であろう。
その原典となった、ギルガメッシュ叙事詩には人類を救った船は立方体の形をしていたと明確に書かれている。
「すべての生きものの種を舟に運びこめ。おまえがつくるべき舟は、その寸法をきめられたとおりにせねばならぬ。その幅と長さとをひとしくせねばならぬ。(その(底面の)表面積は1イクー(60m×60m)、その4壁の高さは10ガル(60m)、その覆い板の幅はそれぞれ10ガル(60m)。つまり文字通りの箱舟(立方体)であった」
世界で最も古い文明に残っているこの伝説が、後に聖書に受け継がれた。
また、「ノアの方舟」における「方舟」も四角形の船という意味である。
つまり、今生きている人間のはじまりの祖先は、立方体の中で大洪水を生き延びた人々だということである。
立方体によって”世界の大きな移行期”を生き延び、「はじまりの人々」となったのである。
大洪水の後、メソポタミアの地にキシュという「王権が授与された最初の都市」が生まれた。
そのキシュの第3王朝の女王となったのは、クババという名の女性。
娼婦から女王に成り上がった、伝説的な女性である。
クババはアナトリア半島で「知恵の保護者」と呼ばれた女神、キュベレーと同一視されている。
つまり、最初の王権の都市キシュの女王であると同時に、クババは知恵を司る女神であったのだ。
この女王こそが、人類を立方体の中に誘い込んだ張本人だと、僕は思っている。
もしかすると、大洪水の時代に利用された後、乗り捨てられた「箱舟」を盗み、それを後の人類運営のカタチとして利用したのではないかと思っている。
(当時、本当に物理的にそういう船が存在したのか、または何かの暗喩なのかは分からない。僕は後者だと思っている)
これまで見てきたように、
クババとは、それぞれの時代・地域において様々に顔を変えて現れた「一人の女神」の現れの一つだ。
僕はその「一人の女性」を追い求めてこの研究を始めた。
彼女の本当の姿、
彼女が何をしたかったのかが、分かってきたかもしれない。
僕が「あの人」と呼んでいる彼女の正体を改めておさらいすると、
クババ
=イナンナ=イシュタル=イシス
=女媧=サンムラマート(セミラミス)=アプロディーテー
=ヴィーナス=ルシファー(サタン)
=ソフィア=キュベレー
(これまで見てきた通り、これらの神々と全ての神話・宗教を包括する存在は観音菩薩であり、木花咲耶姫である)
クババである前、「あの人」はイナンナとしてメソポタミアの地に現れていた。
人類の最初の文明が始まる前、神話の中でイナンナは知恵の樹である世界樹を手に入れたと書かれている。
そして彼女は世界を支配する覇権を握ったとされている。
王権を象徴とした「木」を手に入れて、次に彼女は何をしたか。
人間たちに自分を崇めるようにしむけ、その信仰心を「山」に集めた。
「山」とは、つまりジッグラトだ。
そしてジッグラトとは人工的に作った山のことだ。
他の地域のエジプトやマヤといった文明においても同じく人工的な山つまりピラミッドを用いて人々の想念の対象を自らに向けさせた。
「木」を手に入れ、「山」を手に入れ、
そうして「あの人」は、世界を手に入れるための手順を全て整えたといえる。
なぜなら、知恵の樹である世界樹(木)とは世界の中心であり根源であり最高・最大の権力のことでありエネルギーだからだ。
世界そのものを表し、世界を包括しているから世界樹である。
それを神が手に入れたということは世界の主導権を手に入れたということだ。
人間たちの信仰心をピラミッド(山)によって集めたということは、彼女が世界樹(木)によって手に入れた世界権力は具現化し、”現実のもの”となり、絶対的となったということである。
木→山ときて、ここでようやく「あの人」は↓これを用いる権利を得たのである。
↑立方体には二つのピラミッドがある。
正位のピラミッドと逆位のピラミッドだ。
「木」を獲得し、「山」を極めた者が、立方体を理解し、支配し、管理することができるのだろう……。
ここはどうしても推測するしかないところではあるが、大まかなプロセスはこの通りではないかと思う。
「あの人」がクババとして現れた時代の後、その象徴として作られたのが、イスラム教の最大の聖地にあるカーバ神殿という黒い立方体。
世界三大宗教の一つ、イスラム教の信者はそれを今でも「最も神聖なもの」として崇めている。
ここであえて付言しておきたいのは、架空や空想の世界の物事や、霊的世界の物事をこの現実世界に具現化させるには、「それが本物である、真実である」と確信をもって繰り返し”念じる”ことである。
それを極めて長い時間、極めて多くの人々が、宗教という物語化・体系化された装置を通して、”世界の中心で”行った。
立方体を現実に出現させるには十分なプロセスではないだろうか?
それだけではない。
この世界が四角形を立体的に組み立てた世界であるということを示唆するものは他にもある。
古来から現代にいたるまで、この世界を表す数字は「四」とされてきた。
・この世、世界という言葉における四
・四つの方角の東西南北
・仏教用語の四大(火・水・風・地 全ての物体はこの四つの要素から成り立っているという意味。人間の肉体も同様にその数字で成り立っている)
・火、水、空気、土の四大元素
・西洋において四は「地上世界」「権威」「王国」「帝王」を象徴している
・神道における一霊四魂や四柱の神(四方に分かれて世界の祓い清めを行う神々のこと)
・中国神話において女媧という女神が補修した、天を支える大地の柱は四本
・シュメール神話において人間と動植物を作ったのはアヌ・エンリル・エア・ニンフルサグという四体の神々
・この現実世界の次元は四次元であるとされている
このようにして、立方体という檻に捕らえられた世界は後世の「数字の神秘」にあらゆる足跡を残すことになる。
クババは、「あの人」は、
なぜ、立方体を用いて世界を運営しようとしたのか。
これはまさしく聖書のルシファーやサタンの物語と繋がる部分なのだが、
それは「知性」によって、「知恵」によって、「理性」によって、世界を成立せしめようとしたからである。
だから、知恵の樹の世界樹を手に入れた「あの人」が覇権を握った時からずっとその系譜は今に至るまで続いている。
つまり、生命の樹的な本来の自然(神)の力によるものではなく、智恵によってのみ世界を管理して行こうという「あの人」の意思の現れが、あの立方体という形に象徴として表れているのだ。