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PRとマーケティングの違いとは?ーPRマーケティングの成功事例も解説!

はじめに

こんにちは、佐々木です。
PRとマーケティングはよく混同して使われる言葉ですが、それぞれの特徴やメリットは大きく違います。
また、近年では顧客の感情を重要視する戦略が多く、以前よりもPRとマーケティングが重要視されています。
しかし「PRとマーケティングの違いってなに?」という疑問をみなさん感じているのではないでしょうか。
そこで今回は、PRとマーケティングの違いや成功事例を詳しくご説明したいと思います。

PRとマーケティングの違いとは

PRとマーケティングは、目的や実施する業務の内容において明確な違いがあります。
PR(パブリックリレーションズ)の主な目的は、企業や製品のイメージを構築し、ブランドの認知度を高めたり、ブランドに対する世論を作ることです。
これに対して、マーケティングは、製品やサービスの売上や利益を増加させながら市場での競争力を強化することを目指します。
PRとマーケティングのゴールとKPIは全く違います。

PRのゴールは「どれだけブランドにとって良い世論を作れたか」です。
PRのKPIはメディアの掲載数だったり、掲載してくれたメディアの質(権威性)だったり、口コミや一般の方のSNSでの投稿量だったりします。

一方マーケティングのゴールは「どれだけブランドの売上や利益を残せたか」です。
マーケティングのKPIは認知度やブランド好意度、リピート率などが該当します。
このように、PRとマーケティングは良く混同して表現されがちですが、両者の違いを理解しながら、効果的に組み合わせることでブランドの強化と売上・利益の増加を両立させることができます。

PRとは?

PR(パブリックリレーションズ)とは、よくある一般的な定義では
企業やブランドと一般人の間の信頼と協力を高めるための宣伝活動のこと
と言われています。
ただ私の定義ではPRは
企業やブランドにとって良い世論を作るためのすべての活動
です。
PRを戦略的に行うことで、自分たちのブランドが獲得したい世論を築くことができ、企業やブランドの評価が上がります。

会社の役割としては「広報」の部署が担うことが多く、PR活動を行うことで企業やブランドの価値や認知度を上げることが可能です。
PRのよくある活動例としては、テレビや雑誌に企業やブランドが掲載される事であったり、SNSでの発信なども該当します。

そしてPRの特徴は基本的に上記のメディア等への掲載は無料で行われているという点です。
これにお金を払って掲載してもらうと広告となります。
広告はお金を払っているので、基本的に自分たちが言いたいことが言えます。
しかしPRは無料で掲載頂いている分、自分たちが言いたいことは言えません。
あくまでも第三者のメディア川の意見が反映される形になります。

PRの成功事例

諭吉ファンデ


https://lipscosme.com/articles/3856

「諭吉ファンデ」というのはスックというブランドのエクストラリッチファンデーションのことです。
その名称の通り、1万円と高額だけれど使って損なしのアイテムとして、SNSでも大きな話題を呼びました。

この諭吉ファンデがSNSでバズったのは商品のニックネームにあります。
例えば「高級ファンデーション」だと訴求としてはいたって普通で、かつ、SNS上で「高級ファンデーションを使っています」とは言い辛いと思います。
1つは高級なものを使っている嫌なヤツだと思われたくないから。
もう一つは、高級ファンデーションだと訴求が普通過ぎて、普通なものを使っている自分=そんなに価値が高くないという心理が働くからです。

一方で「諭吉ファンデ」という名前は「諭吉」という表現で高級感を出していますが、SNSで言及したとしても、自分が高級なファンデーションを使っているという嫌味にはなりません。
また、「福沢諭吉」と「ファンデーション」とい組み合わせが面白いのもミソです。
「諭吉ファンデ」と聞くと、福沢諭吉が使うファンデ?と一瞬頭が混乱しますよね?
そのあと、何だろうと興味が湧くと思います。
このように、
みんなが「何だろう?」と思うものの良さを知っている自分
という姿を人は発信したくなります。
なのでSNSでどんどん話題になってバズという状況が起こるのです。
そしてさりげなく、「1万円で高いけど良いファンデーションだよ」というアピールが企業はできるのです。

なのでまとめると
・みんなが気になる表現をすること
・商品の良さをちりばめた表現にすること
が大切だとこの事例から分かりますね。

スープストック東京

https://www.soup-stock-tokyo.com/story/sst.babyfood20230426/

2つ目はスープストック東京の例です。
これはネガティブな世論の風潮をひっくり返したPRの最成功事例と言えます。
こちらも少し解説します。
スープストック東京というのはスープを専門で出しているスープ専門店です。
基本的にはターミナル駅などの都市部に立地している飲食店です。
イメージですが、若い女性が良く通っているイメージです。

そしてこのスープストック東京が、離乳食の全店無料提供を始めるとSNSで公表しました。
すると、「ありがたい」と歓迎する声が上がった一方で、「女性が一人で入りやすい貴重な店だったのに」「もう行かない」といった批判の声も上がりました。
このいわゆる「炎上」に近い最中、スープストック東京は定番の「謝罪」ではなく、自分たちのブランドの想いを記載しました。
一部抜粋します。

4月25日に開始した「離乳食後期の全店無料提供」の取り組みに対して、さまざまなお声をいただきました。
改めまして、私たちがどのような想いでこの取り組みをはじめたのか、何を実現したいのかを私たちの言葉でお伝えしたいと思います。
私たちスープストックトーキョーの企業理念は、「世の中の体温をあげる」です。
その理念のもと、さまざまな理由で食べることへの制約があったり、自由な食事がままならないという方々の助けになれればと「Soup for all!」という食のバリアフリーの取り組みを推進しています。
このたびの「離乳食後期の全店無料提供」は、この「Soup for all!」の取り組みのひとつであり、小さなお子様連れという理由で外食店での飲食をためらう方の助けになればと始めたものです。

https://www.soup-stock-tokyo.com/story/sst.babyfood20230426/

このように炎上下であえて自分たちのスタンスを明確にすることで、ブランドへの想いに共感する人をたくさん産み、見事に逆風の世論を跳ね返しました。

この事例から学べるのは、
世論を読みつつ、迎合しすぎない
ということです。
今回の文書は炎上後すぐに出されたものではなく、少ししてから出されました。
これが炎上直後だと、スープストック東京を批判した人たちは逆にスープストック東京に批判されたと感じ、さらに炎上していたでしょう。
また、もっと遅ければ、もはやこの一件は忘れ去られてしまいます。
また、何も言わなければ世間への迎合やご都合主義と捉えられかねないところでした。
色んなリスクをはらむ中、マイナスを0に戻すだけではなく、プラスに変えたスープストック東京のPRは最高の例だと思います。
PRに関わる方やマーケターはぜひ知っておきたい一例ですね。

PRの注意点

PRは上手くいけば無償でとても強い世論を形成できる一方で、いわゆる炎上になることもあります。
そういった炎上を招かないためにいくつかの注意点を解説したいと思います。

過激になりすぎない

世間の注目を浴びるために、他と違う差別化を行うのは重要です。
ただ一方でその表現や手法が過激だと、一気に炎上してしまいます。
なので、表現や手法は他社と違っても良いですが、他社よりも過激な表現や方法はやめましょう。

発信は色々なバックグラウンドの人でチェック

ある特定のクラスターでは問題ない発言でも、他のクラスターに行くと炎上する例というのはあります。
なので、会社やブランドからの発信はできるだけ多くの種類のクラスターの人に確認してもらうようにしましょう。
よくありがちな高年齢の男性だけの意思決定だと炎上リスクがあることが多いので、ここは注意が必要です。

タイミングを見極める

世間の風潮や自社やブランドに対しての現状の世論を加味して、今発信するべきかどうかは考えましょう。
例えば既存品が品質問題で炎上している最中に新商品の発表などを行うと炎上してしまいますよね。
このように炎上を避ける事も重要ですし、逆に自社商品が盛り上がっているタイミングで上手く情報発信すれば、その勢いが加速することがあります。
PRでは情報発信の内容も大切ですが、タイミングも大切です。

PRとマーケティング戦略を成功させるためのポイント

PRとマーケティングを成功させるためには、それぞれのメリットやデメリットを把握しながら、全体の戦略を作り上げていくことが大切です。
ここからは、PRとマーケティング戦略を成功させるためのポイントを2つ解説していきます。

マーケテイング戦略の全体像を構築して行動していく

PRやマーケティング業務に取り組む際のポイントは、戦略の全体像をしっかりと構築し、それに基づいて行動することです。

PRでどういったタイミングでどういう世論を形成するのか、
それに合わせて広告や商品ローンチなどをいつどうするのか、
といったことを俯瞰してみるのは非常に重要です。

そのためにはPRとその他部署の連携は必須です。
またPRでの発信メッセージは一貫している必要があります。
なので、広報担当者がメディアの対応とSNSの発信の両方を担うなどして発信の一貫性を保てるようにしましょう。


PRとマーケティングの違いを理解する

PRとマーケティングを成功させるためには、それぞれの役割の違いを明確に理解し、適切に活用することが大切です。

PRの目的は、企業や製品のイメージを構築し、ブランドの認知度を高めたり、ブランドに対する世論を作ることです。
これに対して、マーケティングは、製品やサービスの売上や利益を増加させながら市場での競争力を強化することを目指します
ここを念頭に置いた上で、
それぞれの役割を全うしつつ、横連携を深めていくのが大切です。

新商品発売時はPRは最強のマーケティング手法になる

新商品の発売時は、どうしてもみなさん広告で集客しようとしてしまいがちですが、PRをうまく使えば広告費を抑えつつ、売上を作ることができます。
また、新商品発売はその商品にとって最初で最後の大勝負のタイミングですし、PR観点からもアピールできるニュースがたくさんあるので、PRは最大限活かすべきです。
特に他の施策などと上手く絡められれば、PRもその他の施策も何倍もの効果を発揮することができます。
このあたりは過去に経験がないと中々上手くワークさせるのは難しいので、お悩みの場合はぜひ弊社までご相談ください。


まとめ

今回はPRとマーケティングの違いを解説しつつ、PRの成功事例や注意点について解説しました。
まとめるとPRは、ブランドに対する世論を作ることです。
マーケティングは、製品やサービスの売上や利益を創出するのが役割でした。
またPRの注意点は
過激になりすぎない
発信は色々なバックグラウンドの人でチェック
タイミングを見極める
という点でした。

先程お話した新商品タイミングでのPRと各施策の連携のご相談や
炎上しないための発信の社内研修なども弊社では承っておりますので、お気軽にご相談ください。

本日は以上です。

最後に少し宣伝させて下さい。

私はベンチャー専門のマーケティングコンサル会社、株式会社Venture Oceanを経営しています。
株式会社Venture Oceanはベンチャーのマーケティング支援をミッションとした会社です。
ベンチャー企業には海のように無限の可能性がある
という想いからVenture Oceanと名づけました。
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