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ローソンのコーヒーサブスクをマーケ視点で考察する

はじめに


こんにちは、佐々木です。
今回はマーケティング界隈で話題の、ローソンのコーヒーサブスクリプションについて、マーケ視点で考察をしてみたいと思います。


ローソンのコーヒーサブスクリプションとは


https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/casestudy/00012/01276/?i_cid=nbpnxr_right_ranking_c  無料部分より抜粋

以下日系クロストレンドの無料記事から抜粋です。

ローソンのいれたてコーヒーが“半額近く”で毎日飲める――。2023年4~7月、愛知県内の約620店舗で実証実験を行ったコーヒーのサブスクリプションサービスが、想定以上の効果を上げたという。利用者の1カ月当たりの来店回数は約3.6回増え、「かなりインパクトがある数字」と、ローソン担当者は驚きを隠さない。強烈な来店動機になり得るコーヒーサブスクの未来を、ローソンに聞いた。

https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/casestudy/00012/01276/?i_cid=nbpnxr_right_ranking_c  無料部分より抜粋

ということで、
愛知県内で、通常110円(税込み)のコーヒーのSを毎日、
1日1杯飲めるサブスク
というのがこの商品のサービス内容です。

価格は1500円だそうです。
なので計算上は1杯50円で飲めるということですよね。
なかなかお得なサービス設計なのではないでしょうか。

ではこの話題のローソンのコーヒーサブスクを、
マーケティング観点で考察していきたいと思います。


ローソンのコーヒーサブスクの良い点


①来店回数を増やせている

これは記事でも指摘されていることですが、
まずは来店回数を増やせているのは、良い点なのではないでしょうか?
コンビニさんのビジネスは
来店してもらって、そこから購買点数をいかに増やすか、というところが主なので、
来店回数を増やせているのは、非常に良いのではないでしょうか?
また、コーヒーのような毎日習慣化して飲むもので来店要因を作れるのは、
顧客が長い期間毎日来店する動機にもなるので、非常によい施策ですよね。

また、昨今商品力では中々差のつき辛いコンビニ業界で、扱っている商品ではなく、仕組みで競合と差別化を図れているというのも良い点です。

あとは商材をコーヒーにしたことで、好きな人は毎日でも買うようなものを選定しているのもポイントです。

②値引いているものの、赤字ではないはず

2点目は収益性です。
これは正確なデータを調べたり情報があるわけではないので、憶測ですが、多分この事業は商品原価の観点では赤字ではないはずです。
よく集客の為に、初回は赤字でも良いので獲得する!といのうのがサブスクモデルではあるあるのスタンスですが、
この施策に関しては少なくとも収支がトントン以上では収まっているのではないでしょうか?

やはり事業をやる上で、黒字でビジネスを回せているのは非常に強い点かなと思います。

③アプリ未開拓層のアプリ会員が増える

コーヒーは男女であれば男性、年齢層は比較的高い商材です。
一方アプリは男女であれば女性、年齢層で言うと若年の方が使用率が高いのが一般的です。
そしてこのコーヒーのサブスクの使用には、アプリでクーポンを貰ってお店で使うというオペレーションが必要です。
なので、コーヒーを売り、来店動機を増やしつつも、
アプリの未開拓層をアプリに誘因できるという点も
この施策の強みではないでしょうか?
この層の購買な詳細データを集めたり、ダイレクトマーケティングができれば、さらにローソン全体のマーケティングを伸ばせるのではないでしょうか?

④キャッシュフローが改善する

このビジネスモデルは、先に月額の利用券を買ってもらって、後から商品を提供するというモデルです。
なので、キャッシュフローの観点では、キャッシュフローが良くなるのは良い点です。
もちろんローソンさんほど大きな企業になると、この点は全然問題ないでしょうが、小さな企業ではキャッシュフローは非常に重要です。
なので、キャッシュフローがよいビジネス作りという観点でも、この施策は参考になるのではないでしょうか?

ローソンのコーヒーサブスクの改善点


①メディア露出が早すぎた

改善点は1点目はメディア露出のタイミングです。
成功事例としてメディアに取り上げてもらってさらに成功する、というのはマーケティングでは鉄則の売上の伸ばし方です。
ただ、このローソンさんのビジネスモデルは真似しやすいビジネスモデルなので、成功しました!と世に出るとすぐに真似されてしまうでしょう。

既に愛知での試験も一旦終了してしまっている今、メディアに取り上げてもらうことは、マーケティングの実務の観点ではあまり効果はないように思われます。

なので、私であれば全国展開の準備を整えたうえで、
この成功事例と全国展開開始のニュースを合わせて拡散していきます。
そうすれば、コンビニのコーヒーサブスクの第一想起はローソンになりますし、全国展開のスタートダッシュも切れます。


②検索対策の甘さ

「ローソン コーヒー サブスク」 で検索すると、
ローソン公式のサイトや、メディアがこの施策について取り上げている記事が出てきた後に、
『ローソンのコーヒーサブスクはショボいと感じました』
というタイトルのブログが出てきます。
中身は
・Sしか頼めず、サイズアップには別途お金がかかるのが残念
・ローソンアプリとPontaカードもしくはdカードとの連携が必要
という点が残念という内容です。

一方で今回のサービスは先に1500円の決済をしてもらうサービスで、
口コミを調べる人も一定数いるでしょう。
この時の口コミ対策ができていないのは、マーケティングの効率が悪くなるので、対策はしておくべきです。

具体策としては、コンビニを取材しているライターさんに実際に使ってもらって、記事を書いてもらうといった形で、検索対策も強化しておくべきです。

③プロダクトの設計

上記のブログの人の声にあるように、サイズ変更が有料などは顧客に負の感情を生みます。
サブスクは獲得した会員に続けてもらってこそのビジネスです。
なので既存会員のネガ勘定を生むべきではないです。

また、1日1杯でサイズはSのみという点も気になります。
下記の調査では1日に2回以上コーヒーを飲む人が半数以上を占めています。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000936.000007815.html  より


なので、1日1杯だけではなく、2杯以上のコースを作ったり、サイズは選び放題にするサービスなども良いでしょう。


まとめ

今回はローソンのコーヒーサブスクをマーケ視点で考察してみました。

この施策の良い点は、
①来店回数を増やせている
②値引いているものの、赤字ではないはず
③アプリ未開拓層のアプリ会員が増える
④キャッシュフローが改善する

改善点は
①メディア露出が早すぎた
②検索対策の甘さ
③プロダクトの設計

といった形でした。

口コミを見る限り、早く愛知以外にも導入して欲しいという声や、
愛知でのユーザーは満足されている方も多いようなので、非常に良いサービスですね!

自分自身も個人的に楽しみなので、全国解禁を待っています。

本日は以上です。

最後に少し宣伝させて下さい。

私はベンチャー専門のマーケティングコンサル会社、株式会社Venture Oceanを経営しています。
株式会社Venture Oceanはベンチャーのマーケティング支援をミッションとした会社です。
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という想いからVenture Oceanと名づけました。
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