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【#4】就農のための7ステップ(農業シミュレーション編)

いつもご覧いただきありがとうございます、ベンチャー農家のなかたくです。

”食の当事者を増やす。”をミッションに長野県須坂市で「りんご」と「ぶどう」を作っています。プロフィールはこちら↓をご覧ください。

今回は、私が地方で農業をはじめるために行った第4のステップ「農業シミュレーション編」を紹介します。

理想のライフスタイルをイメージし、ネット等で情報を集めて、実際に農業体験を行ったら、実際に自分が育てるものを決めるフェーズになります。

結論を言うと「育てたいもの(品種)」と「育て方(規模感)」の2軸から決断するのがスムーズかと思います。その理由は本編で解説します。

その他のステップについて解説した記事は、以下のマガジンをご覧ください。

育てたいものを選ぶ

作物は大きく分けて、野菜・穀物・果樹に分類されます。基本的には「自分が好きなもの」を育てるのが一番だと思います。

農業は収入が安定せず、力仕事も伴うので、挫折しやすい職業なので、儲かるからと言う理由で「林檎」を選んだとしても、台風の影響で果実が出荷できない状態になれば、大赤字です。

そのような逆境の時でも耐え続けられるように「自分が好きなもの」を選ぶと良いです。ちなみに私は一日4食(朝昼晩おやつ)食べるほど林檎が大好きです。

おすすめできない作物

「自分が好きなもの」を育てるのが一番ではありますが、農業という職業で生きていくためには、ある程度の収入を得る必要があります。(趣味の場合は別です)

そのため、以下に該当する作物はできるだけ避けたほうが良いと思います。

・消費量が少ない
・作るのが簡単で単価が高い
・市場が激減するもの
・輸入の脅威が大きいもの

・消費量が少ない

消費量が少ないものは市場価格の変動を受けやすいです。買い手が100人いる作物と10人の作物では、買い手1人当たりの変動影響が大きくなります。そのため、ある程度需要がある作物を選ぶのが王道だと考えています。もちろんニッチ作物でシェアを増やすや需要を作り出すという戦略もありです。

・作るのが簡単で単価が高い

ハーブや薬草は比較的栽培が簡単で需要があるため、単価が高くなっています。しかしながら、そのような作物は資本力がある企業の対象になりやすいので、数年程度で流通量が増え、手頃な価格になりがちです。

短期的に見れば儲けはありますが、資本力がある企業が競合になるため、長期的にはお勧めできません。

私が育てているシャインマスカットも高価格ですが、最近では参入者も増えているため、数10年程度で単価が下落すると見ています。(栽培難易度が高いので暴落することはない見込みです)

・市場が激減するもの

例としてメロンが該当します。少し前の日本では、贈答用としてメロンの需要が多く、価格が高騰していました。高いものだと1万円程度でした。

ところが、最近では贈答よりも自分で楽しむために買うという傾向が増えてきました。そのため、贈り物としてのメロン市場が減り、価格が暴落しました。

今では低価格帯と高価格帯の二極化しています。

・輸入の脅威が大きいもの

流通にテクノロジーが加わり、効率よく短期間で物を運べるようになっています。そのため鮮度等の懸念から国外からの輸入が困難であった食物も運べるようになります。

国土が広い地域で大量生産されたものが輸入されると、価格が下がります。そのため、輸入の脅威があるものは避けるのが良いです。

育て方を選ぶ

栽培方法は大きく分けて「露地栽培」「施設栽培」の2つになります。

露地栽培は初期投資が比較的少ないというメリットがありますが、天候などの影響を受けやすく、収穫量が不安定というデメリットがあります。

一方で施設栽培は、多額の初期投資が必要ですが、気温湿度等を調整できるので収穫量が安定する傾向があります。また、仕組みを整えれば、人件費を削減することもできます。

なかむら果実園( https://nakamura-fruits.studio.site )は代々「露地栽培」だったので、これからも継続する予定です。「施設栽培」は私のポリシー(環境に配慮した持続的な農業の実現)に反するため、今後もやらない予定です。

育てるものを決める

おすすめできない作物(消費量が少ない、作るのが簡単で単価が高い、市場が激減するもの、輸入の脅威が大きいもの)以外で、「露地栽培」「施設栽培」の2軸から育てるものを決めましょう。

私は代々受け継がれてきた農園を引き継ぐので、育てるものも育て方も決まっていましたが、今後も生き残っていくためには上記のような考えをもとに、常に変化できるようになりたいと思っています。

まとめ

理想のライフスタイルをイメージし、ネット等で情報を集めて、実際に農業体験を行ったら、実際に自分が育てるものを決めるフェーズになります。デジタル物とは違い、一度決めてしまったら修正をするのが大変なのでよく検討してから行動に移しましょう。

サマリはこちらです↓

・「育てたいもの(品種)」と「育て方(規模感)」の2軸から決断するのがスムーズ。
・消費量が少ない、作るのが簡単で単価が高い、市場が激減するもの、輸入の脅威が大きいものは避けるべき。
・初期投資費用があるなら「施設栽培」、ないなら「露地栽培」が王道。

最後までご覧いただきありがとうございました。気になった点や要望・質問は、ぜひコメント欄へ。

今後もこのnoteでは「農業」や「地方」を軸としたコンテンツをお伝えしていくので、ご覧いただければ幸いです。

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