竹内裕 -認知症を経験した男- 其ノ壱
皆様は【竹内裕】という人物の名前を聞いた事はあるでしょうか？認知症と診断を受けた10年後に「貴方は認知症ではない」と告知された【認知症を経験した】方です。
広島県在住。59歳で前頭側頭型認知症と診断。記憶障害などの症状の進行に不安を抱きながらも、同じように認知症に向き合う当事者やその家族を支援する活動に尽力してきた。2020年、主治医から「認知症ではない」と告知を受ける。
※日本認知症ワーキンググループメンバーとして活動。また2020年NHKハートネットTV出演。
彼は認知症の当事者たちを支援する「たぬき倶楽部」の代表であり、NHKのハートネットTVで特集されたり、講演会に呼ばれたりと全国規模で活動されています。
そんな竹内裕さん。実はNPO法人UGOUの構成員なんですよ。広島在住の竹内さんと、江戸川区の団体【TEAM-UGOU】との出会いやらを書いていこうかと。
派手なタヌキがやってきた
竹内さんとの出会いはTEAM-UGOUが開催していた【オンラインカフェふらっと＋】というオンライン認知症カフェ。コロナ禍によりオンラインでの活動しか出来なかった2020年5月の事。
毎週日曜日の14:00〜16:00に開催していたオンラインカフェ。結成したばかりで無名の団体のTEAM-UGOU。毎回2〜3人の方が参加し、ほのぼのと開催していました。
4回目の開催前に、構成員のムーさんから「竹内裕さんが参加するって連絡が来た」と言われまして。
認知症当事者の活動に詳しい方達の中では有名人なんでしょうが、当時の自分は全く知らず。「へ〜…まぁ有名な人が来るなら宣伝になるし有難いけど」位にしか思ってませんでしたね。
さて4回目の開催。画面越しに現れたのは頭ツルツルで派手なアロハシャツとサングラス、アクセサリージャラジャラ付けた竹内さん。「…コイツやべぇ奴なんじゃね？」と感じたファーストコンタクト。
竹内さんが参加すると知った全国のファン達もオンラインカフェに参加してましたね。流石有名人。
んで、話してみて最初に感じたのは「気配りが出来る人だなぁ」ってこと。オンラインでの会話ってタイミングとるのが難しいんですよね。コロナ禍になってオンラインを始めたって参加者が多い中、自分だけが喋るのではなく、他の参加者に話を振ったりと進行役より上手く回していましたね。
自分は、重度の認知症の方と一緒に参加してたんですよ。その方に対しての言葉の選び方や、会話の流れも実に上手い。
一緒に参加していた認知症の方は、話してて気に入らない相手に対して感情が爆発する事が多々ある方ですが、竹内さんと話してる間は終始笑顔で、自分がサポートしなくても大丈夫でしたね。
まぁそんな感じの出会いでした。一回限りの参加なんだろなぁと思っていたのですが、その後もほぼ毎週の様に参加されてましたね。「若い奴らが頑張ってるから応援したくなった」って理由らしいですが。
最初は有名人だからと気を使って会話していましたがね。豪快で、けど周りに気を配れる竹内さんに徐々に慣れていき、良い意味で雑に扱うようになりました（笑）
「認知症当事者」みたいな部分に関係なく、その人柄に惚れ込みました。要はカッコイイじーちゃんですね。
YUTAKA'sHOME
そんな竹内さんと出逢って2か月が過ぎた2020年7月。まだまだコロナ禍が続き、対面での活動が出来ない中、ムーさんからの提案で全国の竹内裕ファンの為の企画【YUTAKA'sHOME】を開始。オンラインで竹内さんと飲み会やろうぜって企画ですね。
こんなふざけた企画にも「良いよ〜」と乗っかってくれる竹内さん。毎回全国から沢山の参加者（殆ど竹内ファン）が集まってくださいましたね。…当の本人は開催日忘れて遅刻する事が数回ありましたが（笑）
コロナ禍で先の見えない日々の中、竹内さんの前向きな言葉や生き様に励まされた方も多かったように感じまして。皆が笑顔になれる良い企画だったなぁと思います。
EXPERIENCE
2021年6月にはSmiRing Project企画のオンラインイベントに登壇してもらいました。
自身が認知症と診断された時のこと、当事者活動、認知症では無いと告知された今のことを語ってもらいました。動画もありますので暇な時にでも是非観ていただければと。
そんなオンラインの活動から知り合う事になった竹内裕さん。コロナ禍で直接逢う機会は無かったのですが、オンラインで毎週の様に話す内にどんどん仲良くなっていきましたね。
UGOUをNPO法人にしたいから構成員になってって言ったら、「良いよ」と即答してくれまして。「江戸川区で何かやる時には呼んでね〜」なんて、いつか逢えると良いねって話を頻繁にしてましたね。
そんな直接逢えない日々が過ぎた2021年の秋頃。「12月に東京行く用事出来たから会おう」と連絡が来まして。
遂に広島の狸王と逢うことになります。
長くなったので次回に。また逢いましょう。