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Our Summer'22/サマソニ&イルコン編

 わたしの夏が終わった。秋に変わる度に絵の具をベタ塗りしたような夏空や蒸し暑くのしかかる空気のすべてが淡い幻だったような気がするが、その感覚はなんだかサマーソニックで見たTXTの印象と似ている。夏なんて本当は大嫌いでほとんど憎んですらいるのにTXTが日本に来てはじめて彼らを見ることができる、それだけでこの茹だるような暑さも少し愛おしく思えた。たった一度しか経験できない「TXTをはじめて見る」ことができたこの夏は自分にとって紛れもなく特別で、そしてもう二度と戻らない季節でもあるから忘れないよう自分なりにサマーソニック、イルコン、ハイタッチ会、つまりはTXTと過ごした夏を振り返ってみる。

8.21 サマーソニック東京

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 ロラパルーザと同じく生バンドと知り興奮がとまらない。当日の最初のほうは前方エリアで待機していたがオタクだらけのピリピリした空気に疲れたのですぐ抜けて、後ろでゆっくり見ようと決める。
 easy lifeも3OH!3もすごくよくて踊り狂ってしまった。3OH!3が終わってTXT目当ての人が来たのか人でぎゅうぎゅう詰めに。しかも少し前に高身長の男性がいたためまともにステージどころかモニターすら見えにくい状況にテンションが下がる。

 定刻通りにステージが始まったが前述した男性がいたのでほとんど見えない。しかしその生バンドの音がすこぶるよく、気分を切り替えメンバーを見るのではなくフェスのTXTを楽しむことに決める。周りはメンバーを見ようと微動だにせずモニターを見つめている人が多くそんな中で拳を上げて頭を振り、クラブやライブハウスのノリで踊りまくっていたわたしは明らかに浮いていただろうが、これが最初で最後の可能性だってあるフェスならではの彼らを存分に味わい尽くすことができた。
 人と人の隙間からメンバーが時おり見えた。5人は確かにそこに存在しているのに美しい幻みたいだった。

 このあとZicoとPrimal Screamの2アクトを見て帰宅した。楽しい一日だったが、なんだかTXTだけ見た実感がまるでなかった。わたしが彼らに対して限界感情を抱えているおたくだからなのか、あるいは物理的に見えなかったからなのかはわからない。しかしどう記憶を掘り返しても浅い夢のようなおぼろげな感覚でしか思い返すことができない。これを書いている今ですらそうだ。フェスが終わりつまらない日常に戻ってもずっと心ここに在らずの気分のまま、イルコンまで過ごした。


9.8 ACT:LOVESICK 幕張メッセ公演

 わたしも一緒に入る予定だった友人たちもみな全滅。ダメもとで行きたい意思表示をしてみたところなんと声をかけていただき最終日である9/6に入れることに。ファンレターボックスもあると聞き、大至急で書いて当日持って行った。

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 あたたかい愛にあふれ、彼らがこれまで歩んできた道のりに思いを馳せながらそこに美しい花束を送りたくなるような公演だった。パンデミックの影響でファンに会う機会がなく本当につらかったと思うが、それでもグループとして確かな歩みを進め、はるばる日本まで会いに来てくれたことにできうる限り精一杯の感謝をしたい気持ちに。通訳の方の存在をすっかり忘れてしまうくらいメントやMCのほとんどが日本語で、この日のために真摯な思いでたくさんの準備をしてくれたことが伝わってきてこんな素敵なグループをおたくをしているわたしは本当に幸せだと感じた。
 あと個人的に日本公演だけ演出やセトリを大幅に変えるのは好きではないので、ベースは同じで数曲だけ日本オリジナル曲に変更程度のセトリがちょうどよかったなと思う。


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ヨンジュンは一挙一動が濃密で濃厚すぎる色香を放っていて見ていて本当にくらくらしたし、表情や佇まい、ひいては生き方そのものに対してセクシーという言葉がよく似合う人だなと思った。パフォーマンスそのものもパフォーマンスをしている彼の表情からも引力めいたものが凄まじく、目を離すのが惜しかった。9日はファンによる誕生日を祝うサプライズが行われ、その際にヨンジュンが見せた涙は本当に美しかった。


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 客席降りの際に間近でボムギュを見、お顔の造形のあまりの綺麗さに思わずこれまで出したことのないようなものすごい声をあげてしまった(歓声禁止)。メータの限界まで振り切ったようなド直球なかわいらしさに小動物のような所作、しかしパフォーマンスではまばたきの間にふっと消えてしまいそうな儚さも醸し出している、かと思えばMCではギャーギャー騒いでふざけ倒すし、知れば知るほど虜にならざるをえないアイドルだった。


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 推しが定まっていない状態で公演に入ったとしたら確実におたくになっていただろうと思ったのがテヒョン。うるんだ大きな瞳でMOAを見つめる表情が本当に愛らしくファンを心から信頼していることが伝わってきたし、生で聴く彼の歌唱には何度も圧倒された。そしてどんどん上達している日本語でアドリブを多く織り交ぜている姿からはテヒョンの頭の回転の速さを改めて感じてときめいた。


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 ヒュニンカイのギャップには改めてヒイヒイ唸らされた。天使のようにかわいらしいマンネの印象がとても強いが、実際に見ると身体が大きく(しかもめちゃくちゃ脚が長い)映像で見る以上にルネッサンス期の彫刻のような麗しいお顔なのでヒュニンを見るたびにルーブル美術館だ…と口走っていた。なのに喋り出すとたまらなくキュートだしFrostやEtarnallyで見せる狂気を孕んだようなパフォーマンスのギャップに震えっぱなしだった。


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 そしてわたしの世界一のアイドルことスビンくん。わたしの座席はスビンくんがよくいる左側で予想通りたくさん来てくれたりすごく見やすくて、肉眼でも鮮明に見える距離に大好きなアイドルがいることが信じがたかった。サマソニでは美しい幻に思えたスビンくんが確かに目の前にいる。彼の表情と動作のひとつひとつがきらめいている。身長が高く色白で端正な顔立ちなのに動作のひとつひとつが絶叫したくなるほどかわいらしくて、他のメンバーのメント中は緊張してるのかいつもの癖なのかずっと落ち着きがなく、汗が気になるのかMC中はタオルで頭を包んでくしゃくしゃに拭いているなどの様子を見て、ああ、すごくすごくスビンくんだ……… と思った。

 同行者の人から事前に発券したチケットの番号を教えてもらったらステージから確実に見えそうな席だったので、あなたのファンがここにいるよと伝えたくて雑ながらも団扇を作った。

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 なんで?と思うほど(たまたまだろうけど)わたしの周りにはスビンくんの団扇やボードを持っている人がおらず、だからなのか見つけてもらえた。ここにスビンくんの、あなたのことをたまらなく好きな人がいることをわかってもらえてとても嬉しかった。何度かファンサをもらい、その度にふわっと音が止み、流れる時が止まった気がした。永遠のような一瞬だった。時が止まってこの世に自分とスビンくんしかいないような不思議な感覚が全身を駆け巡っていた。

 チッケムはじめステージ上の映像なんて数えきれないほど見ているはずなのに、生身のスビンくんの歌唱、ダンス、パフォーマンス中の表情のどれも初めて見るような気がしたくらいに鮮烈に迫ってきた。正直なところスビンくんよりパフォーマンスのうまいと思うメンバーは他にもいるが、わたしはスビンくんのパフォーマンスじゃなきゃ、スビンくんじゃなきゃだめなんだと思った。これ以上好きになれるのかと思っていたTXTのこと、そしてスビンくんのことがもっともっと大好きになれた、愛だらけの時間だった。

 最後のツイートの凝視ファンサが恐怖を感じるくらいすごかったのでちょっと書かせてほしい。
 最初は勘違いだと思ったが笑顔で凝視されていることに徐々に気づき、わたしも手を振ったりハート作るとか何かしらの行動を取ればよかったのにまったく動けず、結局スビンくんとガンをつけあって終わった。しかし今年の夏の一番の思い出になったのは間違いない。
 あれ勘違いだったのかな、まあそれでも楽しかったからいいかと思っていたら終演後に同行した方が「スビンくんにめちゃめちゃ見られてる時間ありましたよね!?」と言ってくれたので幻覚ではないことが判明し、時差で死にそうになった。たぶん10秒くらいガンつけあってたと思う。

 狂気のおじさんと化してしまった、どきどき♡愛と狂乱のハイタッチ会編は今週の後半にも上げる予定。メンバーの写真はこちらの記事より。