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【コロナと音楽〈後編〉】より音楽は〇〇化する。

さぁ始めていきましょうコロナと音楽シリーズ3本目、このシリーズは動画化のことまったく考えずに書きたい放題しています。

書いている側的にはとっても面白いです(笑)


前々回は業界に起こった変化を、

前回はリスナー側に起こった変化とそれらが与えた流行音楽への影響を話しました。

今回はよりミクロ視点から、近年の生活と音楽の変化を確認し分析、これからどうなるのかを予想していきたいと思います。


1. 従来の音楽を破壊したIT革命

これまでの記事では携帯の普及やインターネットの普及によって起こった変化についてよく触れましたが、まだ肝心なものを一つ抜かしていたのでまずはそれから話していきましょう。

ずばり、PCとDTMのお話です!

前回、前々回までの記事に倣って1990年代から振り返るとしますね。

DTM(デスクトップミュージック)はこれより少し前からあったのですが、この時代は記録メディアの主流ががフロッピーからHDDへと変化していき、PCの性能は急激に向上、90年代後半には普及率も一気に高まりました( パソコン普及率/保有世帯における平均保有台数と検索するといろいろみられます)

これに伴ってDTMerが増え、DTMでできることも増え(特にVSTプラグインの登場なんかは一番すごいものの一つだったのではないでしょうか?)、呼称も「シーケンスソフト」から「DAW(デジタルオーディオワークステーション)」と変わっていきました。


2. ボーカロイドの登場

この技術革新について触れずに近年の音楽について語ることはもはやタブーでしょうね(笑)
2007年に発売された初音ミクが最初だと思われている方も多いかと思いますが、ボカロ自体は2003年にはVOCALOID技術が発表され、翌年には海外でも日本でも発売されていました。

この技術の凄さについて語ればもちろん長くなるのですが、着目すべき最大のポイントは「歌を歌えない人が歌ものの音楽を作れるようになった」ということです。

インストゥルメンタル(歌なしの音楽)の世界の人たち、または歌物を作りたかったけれど自分のイメージに合ったボーカルを見つけられなかった作曲家たちがボカロPとして自由に歌を表現する術を得たわけです。
このことがいかに音楽に影響を与えたかは今更言うまでもありませんね。
最近売れている多くのアーティストは、まさにその影響を受けた方やその当事者が非常に多いですからね(笑)

ボカロPや元ボカロPの活躍を見ればわかることですが、個人で完結されている方が割と多いのです。
それまで歌物の音楽と言ったらバンドやユニットを組む必要がありましたから、作曲以外の多くのスキル(例えば、対人コミュニケーション力や行動範囲を広める行動力やいいボーカルに出会うための運など)が求められていたわけですが、それらがなくてもよくなったのです。

これらの技術とインターネットが合わさることによって、それまで表立って活動していなかった音楽家が世に出やすくなりました。

ここまででもすごいことですが、今現在何よりも凄まじい変化は…


3. タブレットで、しかもフリーで作曲ができてしまう時代に!!

これが一番やばいですよね…
中世、近世、近現代と、時代を経るにつれて音楽は、地位の高い人間の娯楽から大衆娯楽へと広まっていってきたわけですが、とうとうその境界線すら破壊してしまったのではないかと思います…

やはり現在の日本、いや、海外諸国を含めた世界中でも「音楽はある程度お金がある人たちのもの」と言う印象があります。
※得てして、当事者たちは自覚がないことも多いのであまり言うと不快になられる方もいますが、まぁ事実と言っても差し支えないのではと感じますが( ̄▽ ̄;)

これが壊れました。

GarageBandなんか良い例です、画期的すぎました。
iPadは疎か、iPhoneでもできるし互換性まである…充実したオート演奏機能やループ素材、これが本当に無料なの?!って感じです、

PC向けDAWソフトでも無料のソフトはたくさんありますし、それもなかなか恐ろしいことなのですが、スマホで誰でも(楽器演奏できないどころか、音楽理論なんかちんぷんかんぷんな人でさえも)作曲ができてしまう時代になってしまったことは凄まじい変化なのではないでしょうか??

最近の若手アーティストにはDTMで曲を自作している方も少なくないし、むしろ現代アーティストの必須スキルにもなってきているわけです。
逆に、これができればアーティスト活動ができてしまうわけです、発進手段すら超豊富ですからね。


4. 超豊富な発信手段と市場の飽和、そしてコロナショック

前述の通りほとんど誰でも音楽表現ができるようになってしまった時代です。
これだけでも市場が飽和するのが当たり前なのは察しがつくところです、が。

加えて様々なSNS、配信サービスなどがある(しかもそれらのほとんどが無料!)ことによって活動者はより増え、競争は激化します。

ただでさえ、競争の激化や技術の発達によって希少価値が下がる技術なのに、追い討ちのような形で、ゲーム理論的な価格競争に陥って作曲や演奏の単価は下がります。
結果、音楽業界はCDが売れない以上の痛手を常日頃負い続けているわけです。

こうなってくると(市場全体が成長しない限り)劣悪な品質のものの割合は増えますし、音楽の中にも格差が生まれていきます。

そしてこのことに関してもコロナショックの影響は大きいのです。 

自粛中の暇を持て余して音楽に専念された方、配信など初められている方は増えているわけですから、このような流れはさらに加速し、状況はカオス化するでしょう。
今まで通りの形で音楽が復権を果たすと言うことはまずないと考えられます。

さらに言えば、
この自粛やパニックを経て、人々の関心は実体を持つ物質や仕組みなどよりも物語や感情、感動にフォーカスされるよう変化していると感じます(アニメや漫画の影響力が強くなったのも影響しているでしょうし、逆もあるのかもしれません。)

価値観が変わっていると言い換えましょうか。
こうなってしまっては同じようなサービスでは物は売れません。
根本から組み立て直される必要があるでしょう。
※ただし、従来の形では儲けられないというだけの話で、音楽が職業にならないかというと話は別であると思うのですが、楽観的すぎるでしょうか?(笑)


まとめ


う〜ん。前回までの記事に比べると情報薄めすぎたかな??

業界の規模縮小とアーティスト母数増大の影響による淘汰により、
「流行」は次第になくなり、より様々に分化して発達していくのではと、僕は予想しています。
人々は自分の好きな音楽を好きなように楽しむことができるようになり、この自由度は向上することでしょう。

つまり、音楽というコンテンツはこれから、より「一般化」していくのです。

誰しもに触れる機会を与えられ、より当たり前に扱われるようになります。
特権階級のものであった過去とは別れを告げる時なのかもしれません。

「コロナは時の流れを早めてしまった」、そんな気がします。

これからどう変わっていくのか、正確には予想のしようもありません。

が、たとえ誰しもにとって当たり前に楽しめる娯楽になったとしても、
歌を教える技術や知識は、やはり人間である僕らトレーナーが教えてこそのものだと思います。

もっと精進しよう…!


あとは、記事であまり触れられなかったけれど、ライブがどうなるのかは気になりますね。かつてのようにやれる日が来るのか来ないのか…


イベント主催とかやって活発化させたい!!みんなやりたいだろうし😩

今日はここまで。
次回からボイトレの話に戻っていきます!

気が向いたら追記します(笑)

ありがとうございました!!

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Yoshiki /Vocal coach
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