声のための食生活【声にいいこと・悪いこと】
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0. 人の身体って何で作られていると思いますか??
「水!」と思った方きっといると思います(笑)
それも正解なんですがこの場合、答えは「食べ物」ですね。
全身を形作る細胞は3〜7年もすれば内臓から骨までほぼ完全に入れ替わってしまうと言います。(もちろん個体差もありますし、加齢で遅くなるので対して参考にはなりませんが)
ヴォーカリストにとって体は楽器ですから、そう考えると楽器を作るのは食べ物ということになりますよね。
この記事では食事の管理の基礎について、
「消化のプロセス3段階」「声に影響を及ぼす飲みものと食べもの」
の2つに分けて解説していきます。
※歌う直前に飲み食いするものの話ではないです!
今回は普段から避けたほうが良いもの、とったほうが良いものについての記事です!(笑)
(歌うときにおすすめの飲み物と食べ物についてはいずれ書きますよ〜)
1. 消化のプロセス
消化の過程は大きく分けて3段階に分かれます。
①消化 ②吸収 ③老廃物の排除
体がまともに機能するためにはそれぞれがしっかり働かなければなりません。
しかし、生きるためには消化吸収が優先されるのでデトックスは後回しにされがちで、消化プロセス完了前に打ち切られてしまいます。
体が何をしていても「食べ物を食べると消化プロセスは振り出しに戻ってしまう」からです。
体内の全エネルギーは消化吸収に使われ、血液が皮膚の表面や脳から消化器に流れます。(食べすぎた後で疲れや寒さ、眠気を感じるのはこのため)
体に毒素が溜まると疲労や倦怠感、脱力感、肌あれや脱水症状、風邪など、あらゆる兆候となって危険信号を発します。
そうなってくると日々積みあげてきた度力や体のためにしてきた気遣いなどは無に帰ってしまいます…。
楽器のプレイヤーなら自身の楽器は清潔で適度な湿度温度での管理を意識し、必要であればクリーニングをしたり、物によってはワックスをかけたり、して良いコンディションを保ちますよね??
日頃から、特に歌を歌う機会の一週間前から食事には関心を持つべきだと思います。
2. 声に影響を及ぼす食べもの、飲みもの
体のほとんどは水でできていますから、あなたという楽器の響き、柔軟性は体内の水分レベルに大きく依存することは深く考えずとも予想できることでしょう。
ですからあなたがヴォーカリストであるならば、何をどれだけどのタイミングで飲むか、何を食べるかには常日頃から気をかけていただきたいです。
前回の記事でカフェイン を含有する飲み物は推奨できないという話をしました。
きっと驚かれた方もいらっしゃるでしょうし、素直に頷けもしないところかとは思います。私もコーヒーや紅茶などのカフェイン飲料は好きでしたから、ショックでした。
ただし、たとえ納得ができなかったとしても、異論があったとしても覚えていて欲しいことがあります。タバコやアルコールなどについても同じなのですが
「あなたの身体は、あなたが口にしたものが合法か非合法かなどを気にしない」
ということです。
たとえ合法であっても激薬は劇薬です。
3. 「喉に悪い飲みもの、食べもの」とは?
代表格は「アルコール」「カフェイン」「糖分」でしょう。
それぞれ高い中毒性がある上、消化に大きなエネルギーを使います。
絶対に本番前に口にしたくないものの筆頭ですね。
あとは消化に悪いもの、油やバターなど脂肪分を多く含むものが良くないのは言わずもがなですね(笑)
アルコールについてはよく「歌う前に景気づけにいっぱい入れた方がうたいやすい」なんて方がいますが、「喉が乾いているのを潤している気になれる」「気分が高揚、あるいはリラックスして歌いやすいテンションになる」という程度の効果でしょう、特に二つ目の気持ちに働きかける効果については、余計な意識、力みを取り除いてくれますから、一見歌に好都合にも思えます。
ですが、そのメリットを持ってしてもあまりあるほどにデメリットが大きいのです。
「利尿作用による喉の乾燥」と「消化に使われるエネルギー」です。
後者に関しては個人差があるのは確かですが、喉の乾燥は紛れもなく事実として起こり得ます。(そのデメリットは前回の記事参照!)
カフェインについては以前お話ししましたから、糖分についてお話し…する前に。
4. 「喉にいい飲みもの、食べもの」の条件
そろそろ喉に良いものについても話しましょう(笑)
食べものも同じなのですが、喉にいいものには条件があります。
「保湿効果の高いもの」「殺菌や抗菌の効果があるもの」「抗炎症効果のあるもの」
これらを満たす食事ができれば素晴らしい。
要するに免疫を保ち強化する物は好まれますし、逆はぜひぜひ避けていただきたいってこと。
真っ先にあげたいのがビタミンを含む食物、飲料です。特にビタミンCですね。
ビタミンCには免疫細胞を活性化して白血球の機能を補助する働きがあります〜なんて言って風邪をひいたときにいいよなんて言いますが、喉に関しての話ですからポイントはここじゃない(もちろん体にいいことは全て”楽器”にいいことなのですけどね)、嬉しいのはコラーゲンを合成するなどして喉の粘膜を守ってくれる効果です。
即効性があるわけではありませんし、例えば一度風邪をひいてしまってから直す効果などはおよそ迷信の域を出ないと思いますが、日頃から摂っておくことで効果が得られるのなら、意識して食事に取り入れるべきでしょう。
粘膜の保護という観点ではヨーグルトなどの乳製品も喜ばれます。
特に朝食にヨーグルトを取ることはよく勧めています。
牛乳はわずかに酸性なので、カフェイン について語った記事と話と矛盾が生じてしまいますが、もちろん撮りすぎはよくありません、粘液を増やしてタンを絡ませ、咳の原因になるでしょう。けれど、ヨーグルトを食べると喉の粘膜を守ってくれるというのもまた事実です。
南瓜の種なんかも咳や痰に効くと言います。
こうしてリストを上げていくとわかるのですが、喉を労る食生活ってそのまま体を労わる食生活になりますし、例に挙げられるものはどれも風邪をひいた時に飲食するものばかりですよねw
あとは普段の生活の中で不足がちになる栄養をきちんと補い、体調管理することですね。
体を大事にすることは奏者としても楽器としても大事です。
5. 喉に糖分が良くない理由。
必要ない!とか絶対に口にするな!なんて言いませんし、私はクレープが大好物なので割と頻繁に食べています
(もちろん量や時間帯に制約をつけていますし、他の食生活は飲まない&食べないものリストを作ってまでして管理していますw)
前述したように消化にエネルギーを持っていかれるというのも大きなデメリットですが、もう一つの恐ろしいデメリットがあります。
体にいい物として紹介した「ビタミン」、
その吸収阻害の可能性があるというのです。
実際は関係ないとしている説も出ていますが私は大いにあり得ると考えられると考えています。
特に糖の分解に使われるのはビタミンB1やB2ですが、二次的な影響を受けて結果としてビタミンCが失われる可能性があるからです。
何より、その「依存性の高さ」を危惧しています…撮れば取るほどに欲しくなるし、より大きな悪影響を生みます。
エネルギーとして吸収され易すぎるがために摂取直後に急激な血糖値の上昇を起こし、
それを抑えようとしたインスリンの効果で今度は過剰に血糖値を落とします。
血管は痛めつけられ、
気分や調子を大きく乱し(鬱の原因にもなると言われています)、
肝臓や腎臓、ひいては心臓にまで負担をかけます
(「ソーダ、シリアル、パン、乳製品、フルーツドリンクなど加工食品のカタチで毎日摂取するカロリーのうち、全カロリーの25%となる添加糖を摂取した人たちは、10%未満となる添加糖を摂取した人たちに比べ、心臓病で死亡する可能性が2倍以上高かった」というデータもあるそうです)
これらの悪影響が大きなストレスを産むと、それに対抗するためアドレナリンを分泌するのですが、
アドレナリンの生成の際にビタミンCが大量に消費されてしまうのです。
(睡眠不足、喫煙、暑さ、寒さなども体にストレスを与える要素になります)
どうでしょうか?
ちょっとしたホラーでしょう??
まとめ
「アルコール」「カフェイン」「糖分」「その他消化に悪いもの(油分、脂肪分など)」はなるべく避ける
「保湿、保温効果の高いもの」「殺菌や抗菌の効果があるもの」「抗炎症効果のあるもの」「その他不足しがちな栄養価を補えるもの」を積極的に取り入れる
食事の方法についてまで書いたら記事の文章量がエグいことになるので今日はここまでにします。
あなたも食事に気を使ってみてはいかがでしょうか??
より良い声と体、心を手に入れましょう!(笑)
長いのに最後まで読んでくださりありがとうございました^^