PREFAB SPROUT : STEVE McQUEEN
プリファブ・スプラウトと日本語表記されている。1985年発表のセカンドアルバムがこの「スティーヴ・マックイーン」。前作の「SWOON」からセンスをブラッシュアップして良質なポップミュージックへと昇華した感がある。1stの「SWOON」もメロディメーカーとしてのセンスの良さと、ポップな感覚は心地良くじわっと心に染み入る音ではあったのだけど、この時代のニューウェイブ、パンクに軸足を置いた、ゴスやノイジーな音、あるいはプリミティブな民族音楽を取り込んだような、ポストパンクという言葉が合うのかどうか分からないんだけど、インディーズっぽいというか、そんな荒削りさが回見えるアルバムだった。そういう意味では、結構好きなのだが、この2ndはアメリカの良き時代のポップスへの憧憬を感じるような上質なポップミュージックとなっている。ただ、そこには英国のウエットな空気がしっかりと感じれるような気がする。
どうも「Fra Lippo Lippi」辺りと少しイメージがかぶるのであるが、この頃のポストパンクのバンド、当時はまだネオアコやオルタナなんて言葉が無かったような気がするのだけど、所謂ネオアコになるんだろう。ただ、アメリカの明るいポップスと比べると、どこかにメジャーになりきれないマイナー感というかインディーズ感みたいな心のどこかにチクリと刺さるやさぐれ感。「Joy Division」辺りから連綿と続いているのではないかと思う英国ロックシーンの屈折した闇のようなものが心を捕らえて離さないのである。