【4/21加筆・修正】中国のアビガン論文撤回について考える(概略)
4月4日、日本経済新聞にて報じられた、中国でのアビガン論文の撤回。4月21日現在、内容が修正されて再度提出されたことが下リンクのサイトから確認できます。
(https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2095809920300631)
この一連の報道から、アビガンの効果に疑問を持たれた方も多いのではないかと思います。では、この論文とはどんなもので、なぜ撤回することになってしまったのでしょうか。
情報を簡単にまとめると
・アビガンとカレトラ(HIV治療薬)を比較する試験についての論文。
・アビガンを服用した患者たちのほうがより良い治療結果を得られたと報告された。
・しかしアビガンを服用した患者たちは、カレトラを服用した患者たちより、年齢が若かったり、発症から投与開始までの期間が短かったりと前提条件が異なっていたため、良い治療結果が出たのはアビガンの効果なのかそれとも年齢等の他の要因の影響なのかが分からず、この論文ではアビガンの有効性を証明することができないとの指摘がされた。
研究グループの声明がないので撤回理由を断定できませんが、結果を鵜呑みにすることは早計だと言えると思います。
したがって現在のところ、アビガンが有効かどうかについては肯定も否定もできません。
アビガンの有効性についての判断は、日本や諸外国にて現在進行中のしっかりと純粋にアビガンの効果の有無を判断できるよう計画されている試験の結果次第となります。
この試験について詳細は↓リンクの記事にまとめてあります。専門用語等もありますが、ご興味ある方はご一読いただけますと幸いです。
参考:日本リウマチ学会