「NO LIMIT 東京自治区」 世界マヌケ社区サミット(2016/09/15)まとめの再掲
Facebookの投稿だけにアップしていた文章だったので、こっちにも転載しておきます。2016/9/15に東アジア各地で社区(インフォーマルな自治区みたいなもの)をやっている若者(?)たちの、自分たちの発表会の模様をまとめたものです。
当日イベントのWEBページはこちらから、http://nolimit.tokyonantoka.xyz/syaku/
全体はこちらからどうぞ。http://nolimit.tokyonantoka.xyz/ 今年もアジアの「どこか」でやるようです。
9.15 世界マヌケ社区サミットまとめ。
時間が空きましたが、全然完璧でないメモと、それ以上に頼りにならない記憶からもう一回構成してみます。
素人の乱以外は、用意された各グループのプレゼンをもとにしています。
プレゼン自体が自由形式でしたので、各グループが伝えたいポイントは異なります。
よって単純な比較はできないです。ご了承ください。
読んだ方が、それぞれ勝手に、勝手なポイントで比較してもらえればよいかなぁ、と。
もちろん誤字脱字、ヌケ指摘、訂正依頼などご自由にお願いします。
場所に関する考えかた
●素人の乱(日本、高円寺):「ワケのわからない奴が平気で暮らせる」ところにしたい。具体的な「場所」があることが重要。それは閉じた場所でなく、出入り自由で帰りたくなったら、すぐにでも帰ることができるのが大事。考えること:世界の違う環境においても、どうやったらうまくいくのか?
●一條街計畫(台湾、台北):私たちははじまったばかりで、まだ具体的な場所は見つかっていない。仲間は30~40人くらいいる。以前にカフェの経営をしていたが、1つのカフェで30人を養うのは難しい。この失敗体験が原点にある。
極論すると、30人養うには30の異なる店が必要ではないか?
仲間たちの職業や背景など
・カフェ経営
・マルクス主義を遊ぶパンクバンド(通訳のままだと思います)
・タトゥー職人
・49:2014年に、台湾立法院を学生たちが占拠したとき、立法院の2階で「ただ飲み食いしていた」人たちが立ち上げたグループ
自分たちが考えるのはとにかく『ただ一緒にいること』。
そのために考えている。
メンバーは寄せ集めで、複雑。各々の考えが違うから混沌としていた。ようやくまとまって来た。
今年の1月にはイベントを行った。けが人も出た、警察も来たが、成功したと考えている。
4月には沖縄へ行って、そこで思ったこと、感じたことをフリーペーパーにした。(会場で配布)
ビジョンは、いろんな人が集まっていくコミュニティ。やりたくない仕事をやらなくてもいいこと。
●定海橋互助社(中国、上海):上海に「定海港路」という地区がある。貧民街であり、そのエリアの建物はすべて違法建築(今も)。
最初は、大学のワークショップとしてはじめた。「貧しい人たちの暮らしを見る」「難民の家が面白い」が原点。大学のワークショップとしての活動後は、美術館の助成制度を利用した。ただし、美術館からお金を得る以上、展示形式で発表しなくてはいけなかった。その美術館のキュレーターは、その後も何かと声をかけてくれる。
私たちは決して、NPO、NGOではない。あくまでつながり。クリエイティブなつながり。
そのため、自分たちがいる社区で何ができるかを見つけて、活動としている。
現在の活動は、
・子どもたちの学習支援
・地域で出来た食材をつかった飲食の路上販売
など。
情報発信は、微信(英語:WeChat)を利用している。現在はひとりが定海港路の物件に住み込んでいる(家賃等の収支情報も画面に表示)。
松本哉さんの言う「マヌケなスタイル」には影響を受けた。
これからも、人々が関心を持たない地域へ行ってワークショップを行いたい。
<途中で松本哉氏>(表面的な政治体制に関係なく)東アジア全般は、まっすぐな国という印象がある。伝わってくるのは、激しい抵抗運動だけだが、実際に足を運んでみるとマヌケな反乱がいっぱいあった。
「限られた枠組みの中で遊ぶ」というのが共通点。
<それ受けて定海橋互助社>
捕まらないように、表面的な面白さ、表面的な美味しさは大切にする。そして、それが地域の物を買って、その地域の経済を回すこと貢献している側面もある。
●釜山agit界隈(韓国、釜山):チーム名?コンセプト?「ゆかいな復讐」。『どうやって生きていけるかを「悩む」チーム。』"0(zero)=(equal)≠(different)∃(existence)"。
それまでの運動がつまらなかったので、路上からはじめた。
<釜山のゴージャスな夜景写真を示す>
この中に私たちの場所はない。
世界の持たざる35億人の連帯を目指す。
社会にヒビを入れる(We need make the crack)。
そのための要素として"Fun","Peace","Diversity","Strategic","Imagination","Together"を重視している。
これまで行ってきた活動は公道(釜山大学周辺?)を封鎖して行ったロック・フェス。
空間での活動は、元保育園の場所を「アジト」として、
・ギャラリー
・音楽スタジオ
・ゲストハウス
を運営していた。これが2008年から2014年まで。建物が使えなくなり、必然的に上記の活動が個別の小規模な事業化をしていった。
「いろんな人がいろんなことをして、新しいシステムを作る。それが(冒頭の)持たざる35億人のための新しい経済システム。」
ただし、自分たちに大きな欲望はない。ちょうど良く働き、暮らしたい。
抗議活動も行っている。あるギター工場が30年以上のベテランの職人を一斉に解雇した際には、ギタープレイヤーたちと一緒にデモ活動を行った。この連帯を通じて、ギタープレイヤーたちは、自分たちのギターを作っているのがどういう人たちであるかを知り、ギターを弾く自分もギターを作る彼らと同様に労働者であることを知るきっかけになった。
とりあえず以上です。
■所感というか、自分の気づいたこと。
今回の「世界マヌケ社区サミット」における社区の(あくまで自分感じる)共通点は、
①何らかの政治的な達成よりも「自分たちが一緒にいる/いられる状態」の達成を優先する
②基本的に拡散志向
③経済的自立を大切にする
なのかなぁ。
台北の一條街計畫が言う『ただ一緒にいること』、釜山の釜山agit界隈が言う『どうやって生きていけるかを(おそらくはみんなで)「悩む」』という感覚は、大事な感覚では?
もし、少し補足強調を許されるのであれば、
「私たちはまだ何も始めてはいない。しかし『ただ一緒にいることを目的としてる』、が文句あっか?」(←とは言ってませんけど!)
一條街計畫のメンバーから感じた、そういうふてぶてしい不良性がなんだかとっても尊い!
マネタイズについて
●素人の乱(日本、高円寺):リサイクルショップは意図的。仕入れ値と売値がコントロールできる。必然的にモノが集まるので、次の展開がしやすい。バーを始めたくなったら、飲食店に必要なものを集中的に買い取ったり、ゲストハウスを始めたくなったら普段買取りしていない布団を買い取ったり(もらったり)できる。あと、相手を見て買値も決められるので、貧乏人には高値買取り、お金持ちには買いたたくなどww
●定海橋互助社(中国、上海):最初は美術館の助成事業としてお金を受け取って始めた。次に発起人が出資してもちこたえ、地域ニーズに応えた活動(学習支援)をすると地元の人が少しずつお金払ってくれるようになった。
イベントや物販も行う。ただし、中国では任意団体(という限定だと思う)が入場料等を取ってイベントを行ってはならないため、寄付を受けたなど、行政から突っ込まれたときの言い訳を作っておく必要がある。現在の支出は家賃くらいで、食費や日用品はカンパ。
●一條街計畫(台湾、台北):面白いことだけしていてもお金にならない。それは自分たちで自分を搾取していること他ならない。
現在はさまざまな職業(カフェ、タトゥーショップなど)の仲間が集まっているが、自分たちのしたい商売を超えた「自分たちニーズ」の掘り起こしを行っている最中。スペースや音楽機材のレンタルも行う予定。
今考えてみたいのは、カフェで働く人、タトゥーを彫る人などの時間単価が異なっていること。(どう考えているかは不明)
●釜山agit界隈(韓国、釜山):最初はお金が要らなかったが、活動を続けていくとお金がないことでメンバーが去って行った。独立した空間を作るには独立した財政が必要だ。
釜山は地価の高騰が激しく、お金をかけずにがんばっていい場所を作っても、そのことで資産価値があがり、家主から退去を言われることがあった。
だから、これからの将来ビジョンとして、場所の所有をすることで、高騰したら売って資金を得ることも考えている。(このあたりはバンクシーっぽい)。
活動には政府から助成をもらっている。書類仕事に強い人間がいるので、苦ではない。国からのお金で活動することで国を困らせることをするイメージ。「新自由主義反対のぼりが写真に映っていても、『ロックフェスです』といえば行政は納得する」。
今は大きな拠点がなくなって、小さな個人ベースの活動(お店)に移行している。ここで重要なのが、それらお店で顧客を共有すること。
釜山チームが、1拠点から拡散するにあたって、地元の地権者など志に共感する有力者からのバックアップがあったは不明。
とりあえず、こんなところです。
また気づいたら書きます。
この件について、質問ある方はご自由にメッセージなどどーぞ。
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