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きょうの校閲39「振るうと奮うと震う」

 普段は家でこの記事を書いているが、たまには気分を変えてみようと、外に出てみた。「おしゃれにキーボードを打ってみようか」とカフェに入ってみたら、まわりにも結構似たようなことをしている人がいる。

 コーヒーを注文し「さあ筆の振るうぞ」と腕まくりをしたときに「すいません」と声を掛けられた。振り向くとびっくり、小学校の同級生だった。10年近く会っていなかった友人とひさしぶりに再会したらどうなるか、昔話に花が咲くよね。

 結局1時間くらい話して全然筆を進められなかった。ここまでなら、ただの残念話なのだが僕は「会って話せてよかった」と思えた。

 その友達はライターとして働いていて、物書きをするうえでアドバイスをしてくれた。やる気も奮い起こせたし、その後一気に文章を書ききれた。

 出会いというものは化学反応だ。会う人によっては武者震いするほどやる気に満ちあふれる時もあれば、全く嫌悪しかなくなる時もある。

 たまたま「外で書いてみるか」と思っていなければ、なかったこの出会い。大事にしていきたいし、これからもそんな機会を作っていきたい。

(揮う)→振るう:振り回す、活気づく。ex腕を振るう、大なたを振るう、権力を振るう、事業・成績が振るわない、熱弁を振るう、筆を振るう、猛威を振るう。
奮う:かきたてる。ex気を振るい立たせる、精神を奮い起こす、勇気を奮って立ち向かう。
震う:ふるえる。ex声を震わせる、大地が振るい動く、身震い、武者震い。
(篩う)→ふるう:選別。ex土をふるって分ける、ふるい分ける。
注意】「振るい落とす」は揺すって落とす。「ふるい落とす」は選別すること。

 「ふるう」の使い分けは、意味によってはっきり分かれている。ただし「揮う」や「篩う」のように常用漢字でないものもあるので注意が必要だ。

 「書を捨てよ町へ出よう」ではないが、あえて外に出て偶然を探してみるのは面白い。

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veleta(ベレタ)
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