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きょうの校閲27「掛かると架かると懸かると係る」

 先日、一口出資している期待馬が走ると書いた。

 嬉しいことにその馬が、びっくりする走りを披露して優勝。クラシック戦線に足掛かりをつけてくれた。僕は競馬場で応援していたのだが、ゴール直後の観衆のどよめきはしばらく忘れられない。自分は出資しただけで、育てたわけではないのだが、すごく誇らしかった。本当にこの馬に係る人たちに感謝しかない。

 競馬にとってクラシックというのはすごく大きなもので、桜花賞、皐月賞、優駿牝馬(オークス)、東京優駿(日本ダービー)、菊花賞の総称。そのうち皐月賞、東京優駿、菊花賞をまとめて「三冠」といい、とくに憧れるレースたちだ。

 これらは3歳馬のみのレースで、一生に一度しか走るチャンスがない。だからこそ憧れであり、目指す場所にもなっている。

 次はトライアルレースという、クラシック競争の優先出走権を懸けたレースに出走するだろう。日本ダービー制覇という夢に橋を架ける存在になって欲しいなあ。

 「掛かる」と「架かる」と「懸かる」と「係る」は結構難しい。だが分かっていると「おっ」と思ってもらえる。

掛かる:一般用語、ぶらさげる、及ぶ。ex足掛かり、疑いが掛かる、大掛かり、襲い掛かる、気掛かり、手掛かり、通り掛かる、取り掛かる、魔手に掛かる、迷惑が掛かる。
架かる:かけ渡す。ex渓谷に架かるつり橋。
懸かる:懸垂、懸命、懸隔、空中に浮かぶ、勝者に与える。ex神懸かり、生活が懸かる、中天に懸かる月、優勝が懸かる。
係る:関係する。ex係り結び、本件に係る訴訟。

 ちなみに病気になることをいう「罹る」は常用漢字ではないので、新聞ではひらがなの「かかる」にする。

 いつか「日本ダービーを勝つ馬に出資出来たらなあ」と思っていたが、その日が近付いていると信じたい。

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veleta(ベレタ)
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