B1第2節 vsレバンガ北海道
今シーズン初めてのアウェイでの2試合。マーク・スミスを欠くなかで、上手くいかない場面も多かったが、なんとか連勝を収めた。第1節からの変化もみられた試合を振り返っていく。
馬場雄大ハンドラーからのJBとのツーメン
スミス不在のチーム状況のなか、ハンドラーを馬場が担った。PGというほどではなかったが、馬場がPnRのハンドラーとして、JBとのツーメンからオフェンスを作り、ファーストオプションはJBだが、第1節の渋谷戦よりリングへのアタックの意識は高かった。第1節は馬場が36分出場で13得点、JBが35分出場で28得点。第2節も馬場23得点、JBが26点と2試合通し安定的にスコアを重ねた。ハンドラーを務めながらもしっかりスコア出来たところは、流石と言わざる得ない。スミスの欠場は痛い面ではあるが、スミス復帰後も馬場ハンドラーのオプションがゲームの中で計算できることが確認できたのは、怪我の功名であったのかもしれない。A東京、琉球、千葉、島根、群馬のようなビッグラインナップが組めるチームに対して、ハードショウからのスイッチディフェンスがどれほど通用すらわからないが、フィジカルのミスマッチが有効的な相手に関しては、ある程度、馬場とJBのツーメンで勝負する場面は多いかもしれない。
森川スタメンの意図
第2戦目のスタメンに今シーズン初めて森川を起用した。プレータイムは4分と短かったが、3Pを1本沈めた。もう少しプレータイムは長くなるかと思ったが、そこまで伸びなかった。
インサイドからアウトサイドへのオプションを試してみようという意図はあったのではと思うが、まだ試合で試せるほどの精度ではなかったのかもしれない。しかし、シーズンが進むなかでアウトサイドの選択肢は必要になると場面は必ずやってくる。今回はその可能性を森川スタメンから垣間見れたような気がした。
エドゥが計算できるようになった件
今節の北海道戦で特に目を引いたのはエドゥのハッスルと3Pを沈めたことではないだろうか。ディフェンスにおいても安定感が増し、オフェンスでも中に外にとよく絡めていた。特に外から3Pをきめたことは大きな意味があった。エドゥにマッチアップする相手選手が3Pラインまで出ていくことはなかなか難しく、なによりオフェンスのスペースを広げることができる。これにより馬場、JB、スミスにドライブするスペースを空けることができる。あと独特なシュートフォームながらフリースローの成功率が高いのもとても評価が高い。
つなぎ役ながらしっかり役割を果たす山口颯斗
なかなかスタッツには表れないがディフェンス・オフェンスに貢献を続けていたのが山口だった。ディフェンスでは常にディナイでパスコースを切り、しつこいくらいに食らいつき相手にリズムを崩させることに徹していた。オフェンスに関しても、馬場・JBのツーメンが崩れた時もボールを受け、しっかりオフェンスを立て直していた。もっと欲を言えば、馬場・JBに次ぐオフェンスオプションとして得点をとれるようになってくると相手にとってはこれ以上ないくらい厄介に存在になってくるに違いない。
北海道戦から見えた課題
前節の渋谷戦から感じていたのだが、スピードのある選手に関してストレートラインのドライブを簡単に許す場面が多かった。北海道では寺園にかなりの本数のドライブを与えてしまった。今シーズンの長崎は平均身長で優位に立つことが多くなると思われるが、その反面でスピードのミスマッチが生じる場面も生じることになる。そのミスマッチを北海道は上手く突いてきた。今後、修正がかかるところだと思うが、リーグの中には千葉の富樫、名古屋Dの齋藤、京都の岡田といったアンダーサイズながらゲームを支配できる選手は多い。今回、北海道戦でアンダーサイズながら果敢にドライブインや3Pを打ってくるチームには長崎は手こずる可能性はあるかもしれない。
ここで活躍が期待されるのはリオンや高比良であろう。もちろんチームでどう守るかというところになるのだが、1対1で守ることができれば、長崎としてはさらに優位に試合を運べることになる。
【総括】
前節の渋谷戦からではあるが、今シーズンの長崎のチームディフェンスはどのチームに対してもかなり高いレベルで通用すると感じた。しかしながら、今節の北海道との試合で気になった点が、展開の早いバスケットをスタイルにする相手に対してはまだまだ改善の余地を大きく残しているという点だ。今シーズンはリーグ全体を見ても、展開の早いバスケットを試行するクラブが多い。今節の北海道のようにスピードのミスマッチを突いて果敢に3Pを狙ってくるチームに対し、いかにハードなディフェンスから自分たちの土俵で試合を展開させるかは今後の見ものである。