【展望】開幕戦vsサンロッカーズ渋谷
開幕カードが決まり、長崎ヴェルカの開幕戦はHAPPINESS ARENAでサンロッカーズ渋谷を迎えることに決定した。そして元日本代表選手でもある地元長崎県出身の田中大貴の凱旋ゲームになる。
母校でもある県立長崎西高校も近く多くの長崎県民も楽しみな試合となるだろう。
そんな注目のゲームを現時点ながら、展望と予想をしてみようと思う。
2024-25シーズン SR渋谷ロスター
今シーズンのSR渋谷において注目すべき選手は新加入の阿部諒(仙台から移籍)とリード・トラビス(北海道から移籍)だろう。
阿部諒に関しては、昨シーズン仙台でMIP級の活躍をし、チームのエースとして仙台を引っ張った選手。
リード・トラビスは説明不要のリーグ屈指のオフェンス鉄人。島根時代は“将軍”の異名を持ち、強靭なフィジカルと長いウイングスパンを活かし、中でも外でも関係なく得点を重ねてくる。
この2人に加えて、ケビン・ジョーンズ(京都から移籍)が加入。ケビン・ジョーンズはルカHC時代のアルバルク東京にも在籍していたこともあり、ルカHCのバスケを知る選手である。
この新加入組に昨シーズンからのベンドラメ礼生、アンソニー・クレモンズ、田中大貴、ジョシュ・ホーキンソンの存在。
オンペーパーでだけ見ても、揃ってるなぁー迫力あるなぁーっていう感想。
長崎ブースターからみるSR渋谷のロスターと予想スタメン
第一印象で思ったのだが、ロスター似てるなという印象をもった。
SR渋谷はピュアPGは礼生と小島の2人、対する長崎もピュアPGは狩俣と荒谷の2人。
(私は今シーズンの荒谷はPG起用がメインだと考えている)
外国籍ハンドラーがSR渋谷はクレモンズ、長崎はマーク・スミス
4・5番ポジション選手のサイズ、タイプ
🟡SR渋谷
鷹ちゃん(208cm)
トラビス(203cm)
ジョーンズ(203cm)
永吉(198cm)
🔵長崎
エドゥ(208cm)
ブラントリー(201cm)
ジェハイヴ・フロイド(203cm)
川真田(204cm)
木林(200cm)
予想スタメンとマッチアップ
🟡SR渋谷
ベンドラメ礼生
アンソニー・クレモンズ
田中大貴
リード・トラビス
ジョシュ・ホーキンソン
🔵長崎ヴェルカ
狩俣昌也
マーク・スミス
山口颯斗
ジャレル・ブラントリー
エージェー・エドゥ
スタイルの矛盾対決
ロスターこそ似ている両チームだが、全く異なるのが目指すバスケのスタイルである。
SR渋谷はルカ・パヴィチェヴィッチHCバスケの代名詞でもあるセットオフェンス重視のスタイル。
かたや長崎は創設当初から目指す攻守のトランジションが早いオフェンス重視のスタイル。
開幕戦の鍵を握るのは、いかに自分たちのスタイルで有利にゲームを運べるか、いかに自分たちの土俵に持ち込めるかにかかっている。
どちらが先にディフェンスで相手のリズムを崩し、自分たちのオフェンスを遂行できるか今から注目していきたい。
見どころ・注目マッチアップ
松本健児リオン、高比良寛治
vsベンドラメ礼生、アンソニー・クレモンズ
SR渋谷のPGコンビを守るために、リオンと高比良のDFのハッスルが求められる場面が必ずあるだろう。SF渋谷のオフェンスは彼らのコントロールから始まる。ここをいかに気持ちよくプレーさせないかはゲームの鍵になる。1on1のDFは一歩も引かない気持ちで当たってくれるだろうし、PnRに対してもチームとしてどうように守るのか見どころである。
ジャレル・ブラントリーvsリード・トラビス
このマッチアップも熱い。
自由にプレーさせたら恐ろしいのがトラビスである。もっとも長い時間マッチアップするのはJBことジャレル・ブラントリーだろう。インサイド、アイソレーションのディフェンスと負担は大きいものになるだろう。早い時間のファウルトラブルには注意してほしい。チームとしてのディフェンスローテーションも含め、トラビスをどう守るのか注目していきたい。
マイキーvs鷹ちゃん
このマッチアップもなかなか楽しみ。
昨シーズンはカテゴリーが違ったので実現しなかったマッチアップが今シーズンの開幕戦で実現する。日本代表ビッグマンが敵同士でマッチアップする。2人のファーストコンタクトは会場が大盛り上がりするの間違いなし。
希望としては漫画『スラムダンク』IH山王戦のように一発目に鷹ちゃんの上からドンピシャアリウープをかましてほしい。
そしてその後、鷹ちゃんにブロックかまされてFinger wagを見せつけてくるシーンが見たい。
勝敗のポイント
個人的に開幕戦のポイントはベンチポイントと3Pの確率になるのではないかと予想している。スタメンがどのようになるかはわからないがベンチから出てくる選手、2ndユニットの活躍が勝敗を分けるポイントになってくるのではないかと予想する。
SR渋谷はトロイ・マーフィージュニア、小島、船生、阿部、ケビン・ジョーンズがベンチから出てくることになるだろう。
対して、ヴェルカは森川、荒谷、リオン、フロイド、川真田が2ndユニットの中心になってくるだろう。
SR渋谷はホーキンソンがベンチに下がる時間帯でサイズが下がる。ヴェルカとしてはこのホーキンソンがベンチに下がる時間帯は特にリバウンドからの早い展開に持ち込みたい。そのためにも川真田、フロイドがベンチから出てきて、リバウンドで負けない展開に持ち込みたい。
SR渋谷の2ndユニットでみると、やはりベンチから阿部諒は脅威である。
阿部に仕事をさせないためにも、リオンと高比良のDFに期待したい。
そして、ヴェルカの2ndユニットの鍵を握るのは荒谷だと思う。
フロイドまたは川真田とのPnR、外にキックアウトしてからの森川の3Pアシストなど、オフェンスのリズムに変化を加えながらも、インテンシティを落とさず、インテンシティの高い展開でベンチポイントを重ねていってくれることを期待している。
3Pの確率について考えると、SR渋谷にはベンドラメ、田中、クレモンズ、阿部は言わずもがな、ホーキンソン、ケビン・ジョーンズ、トラビスもストレッチして3Pを狙ってこれる。
一度火をつけてしまうと、ゲームを一気に持っていくほどの威力がある。
ヴェルカはDFローテーションしながら、1本でも落とさせるようシュートチェックは最後までいってほしいし、狩俣、荒谷、山口、スミス、森川、JBには積極的に3Pを狙い、確率でも最高数でも打ち勝ってもらいたい。
田中大貴をどう迎えるか問題
地元長崎県が生んだ日本バスケ界のプリンス。
そんな彼が新アリーナでの初戦に長崎へ帰ってくる。
ここはフリースローの時の様なブーイングで。。
というのは冗談で、彼の名前がコールされた時はヴェルカの選手がコールされる時と同じくらいの歓声で田中大貴の凱旋をみんなで楽しんでほしい。
【画像参照記事】
ここまでは、1ヶ月ほど前に書いてた内容。
ここからは、プレシーズンを観てから&馬場雄大加入を含めての内容となります。
【SR渋谷】新加入も含め、フィットがめちゃくちゃ良い!
群馬とのプレシーズンを見る限り、チームの仕上がり具合が良い。
阿部諒も想像以上にいい動きしていたし、なによりケビン・ジョーンズが良かった。
良い感じにフロアバランスを保ちながらも、良いところでオフェンスとディフェンスに絡んでいた。
今年の渋谷はオフェンスもセットだけでなく、ロングリバウンドや相手のディフェンスに隙があれば果敢にブレイクを仕掛けてくるようだ。
これは昨シーズンから選手層が厚くなったことによりローテーションの幅が広がったからではないかと思う。
このあたりトロイ・マーフィージュニア、阿部諒の加入&アジャスト力の高さにある。
【長崎ヴェルカ】馬場雄大 加入はデカい!
ヴェルカに関しては、プレシーズンA東京戦を見る限りで最も目を惹いたのは山口隼人のプレーだっただろう。プレー自体はポテンシャルからしたら通常運転なのだが、チームフィットが良かったというのが収穫だろう。ペイントアタック&タッチ、キックアウトからの3Pとチームにとって必要なプレーを今の段階でできることを証明してくれた。
ここに、マーク・スミス、森川、荒谷、狩俣、高比良あたりがコーナー3Pで絡んでくれることを期待したい。
馬場雄大の加入前からリーグの中でも今シーズンやってくれそうなウイング陣を組んでいた中で、日本人最強対人ディフェンダーがウイング陣に加わった。
このことは今シーズン、川真田、エドゥといったフロントコート陣のディフェンス補強に加え、バックコート陣のディフェンス補強にも成功したことになる。
外国籍であるジェハイヴ・フロイドに川真田、エドゥらがしっかりリバンドを確保してくれることで、馬場のブレイクの機会は昨シーズン以上に増えるだろう。
そして今シーズンの長崎ヴェルカはチーム平均身長が高いという特徴がある。
おそらく、平均身長は190cm後半くらいになっているのではないだろうか。(いや、計算して書けや)チームとしてファーストリバウンドを抑えることで、馬場、山口、マーク・スミスといったリーグ屈指のサイズのあるウイングが速攻に走ってくれるだろう。
これは相手にとっては厄介以外ない。
馬場雄大が戻ってきてくれたことで、チームの攻守バランスが今まで以上に整った。
あとはコンビネーションとローテーションが噛み合えば、自ずと結果はついてくるだろう。
そういう意味でも開幕戦のSR渋谷は相手としてリーグ戦序盤の長崎ヴェルカの立ち位置を確認する意味で申し分ない。
今年の渋谷は強い。
しかしながら、最高のスタートダッシュを切るためにも、開幕節連勝を勝ち取ってほしい。
今シーズンの初勝利は昨シーズン初黒星を期したSR渋谷であることを願っている。