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海の上を動くホテル!?日本のフェリーまとめ1(北海道~本州間航路編)
◆今日の要点
●フェリーは夜間帯にも移動できる貴重な公共交通機関のひとつ。
●フェリーの主体は「貨物輸送」。
●「旅客輸送」は、どちらかと言えばおまけだが、各フェリー会社が豪華なサービスを提供。
●各船とも、豪華な食事のできるレストランや大浴場を完備。
●最近の船は個室化が進行中。
※この項目の表は、クリックすると拡大できます。
日本は島国!船をもっと知ろう
あらためて言わせてもらいますが、日本は四方を海に囲まれた島国です。本州、北海道、四国、九州の4つの大きな島をはじめ、沖縄本島、択捉島、佐渡島、淡路島、対馬などなど、約6800以上の島があります。これらの島々の間には、飛行機も飛んでいますが、主力の交通機関は、やはり「船」です。
今回からは、その船に注目していきたいと思います。ただし、このnoteは、旅客に関することを中心に扱っているので、旅客船についてまとめます。
貨物船に関しては、私より詳しい方や現役の船員の方が、解説するnoteやブログ、Youtube、各種SNSがありますので、そちらを参考して下さい。
船の発展のために尽力する2つの社団法人
全国規模で、日本の旅客船の発展などのため、日々尽力している団体のうちの2つを、ここでご紹介します。
日本旅客船協会と日本長距離フェリー協会です。日本旅客船協会は、日本全国のほぼすべての船舶会社が会員になっており、フェリーだけでなく、水上バス、湖の遊覧船、渡船なども会員です。同団体のウェブサイトでは、全国各地の船の情報が、多く掲載されています。
日本旅客船協会のウェブサイト
一方、日本長距離フェリー協会には、片道の航路距離が300km以上の国内航路を運航する会社が所属しており、令和3年12月現在、10社が会員になっています。ちなみに国土交通省では、この300km以上を長距離フェリー、100km以上300km未満の航路を中距離フェリー、それ以下を短距離フェリーと区分してます。
日本長距離フェリー協会のウェブサイト
韓国や中国に向かう国際航路のほか、無数の旅客航路がありますが、このnoteでは、すべてを取り上げることができないので、今回から日本長距離フェリー協会所属の会社の概要をまとめていきます。
船でしか味わえない魅力の数々
いずれの会社も、豪華な食事のできるレストランや大浴場を完備したホテルのような船で運航されています。
ひと昔前までの船室は大部屋が主体でしたが、個室化が進行しており、シティホテルのスイートクラスの部屋から、カプセルホテル並みの部屋まで、バラエティー豊かになっています。世界一周をするクルーズ客船かと思うような豪華な船も増えています。
コロナ報道で「船はダメだ」という認識が広がりましたが、国内航路であれば、大きな心配もなく「三蜜」を避けた個室で移動することもできます。
また、飛行機や鉄道ととも長距離旅行に適しています。さらに、自動車を船に搭載することできますので、普段から使用している自分の車を遠隔地で、そのまま使用できます。
定期夜行列車は「サンライズ出雲・瀬戸」のみとなり、移動できる場所が限定されると感じている方や、夜行バスでは座席が狭く次の日がツライと考えている方は、是非とも、日本長距離フェリー協会の会員各社の船に乗ってみて下さい。これまでの認識を改める新しい発見ができるはずです。
最近の船はしっかりと揺れ対策も強化されており、一部の荒天の日を除いて、そこまで大きな揺れもありません。
夜間帯を移動し、海の上から朝焼けの景色を見たり、乗ったまま次の日には別の街に到着できるのは、船ならではです。皆さんも体験してみて下さい。
今回より3回構成で、日本長距離フェリー協会の所属各社についてに紹介していきたいとも思います。まず、第1弾として、北海道を発着するフェリーについてです。
【北海道~本州航路1:新日本海フェリー】
新日本海フェリーは、日本海経由で、北海道と東北・北陸各地を結んでます。2021年12月現在、日本長距離フェリー協会の会員の中で、最多の4航路を運航中です。食事提供施設は、定食や一品料理を提供するレストランに加え、シェフが特別に腕を振うコース料理を味わえる予約制「グリル」もあります。スイートなどの上等客室では、グリルの食事付きの旅を楽しめます。
新日本海フェリーのウェブサイト
◆運航する航路
(1)小樽~舞鶴
(2)小樽~新潟
(3)苫小牧~敦賀<直行便>
(4)苫小牧~秋田~新潟~敦賀<寄港便>
※苫小牧の発着港は「東港」(場所は厚真町)
◆各航路の運航時間と船内設備
(1)小樽~舞鶴
(2)小樽~新潟
(3)苫小牧~敦賀<直行便>
(4)苫小牧~秋田~新潟~敦賀<寄港便>
※新潟~敦賀間は、2021年12月現在運航休止中です。
【北海道~本州航路2:太平洋フェリー】
太平洋フェリーは、苫小牧~仙台~名古屋間を結んでいます。名古屋~苫小牧間を通し利用の所要時間は、北行40時間、南行39時間30分と2021年現在の国内航路で最大所要時間となっています。しかしながら、その長時間航海に負けない快適性を誇っており、船旅専門誌「クルーズ」が、読者投票をもとに快適なサービスを提供するフェリーを表彰する「フェリー・オブ・ザ・イヤー」に28年連続輝くなど、快適性やサービス面では定評があります。
太平洋フェリーのウェブサイト
◆運航する航路
●苫小牧~仙台~名古屋
※苫小牧港は「西港」
◆航路の運航時間と船内設備
●苫小牧~仙台~名古屋
※苫小牧~仙台間は毎日運航、仙台~名古屋間は隔日運航
●おもに苫小牧~仙台~名古屋間を通し運航する船
「きそ」「いしかり」
●おもに苫小牧~仙台間で、折り返し運航する船
「きたかみ」
※船を検査するドックダイヤ時は、使用船を変更する場合があります。
【北海道~本州航路3:商船三井フェリー】
商船三井フェリーは、大型貨物船を運航する商船三井や、クルーズ客船「にっぽん丸」を運航する商船三井客船のグループ会社です。苫小牧と茨城県の大洗港の間を1日2往復運航しています。快適性に優れた「夕方便」と、貨物輸送に優れた簡素化された「深夜便」があり、選択することができます。以前のフェリーの代名詞「さんふらわあ」を運航する会社のひとつです。
商船三井フェリーのウェブサイト
◆運航する航路
●苫小牧~大洗
※苫小牧港は「西港」
◆航路の運航時間と船内設備
●苫小牧~大洗
●夕方便で使用する船
「さんふらわあ さっぽろ」「さんふらわあ ふらの」
●深夜便で使用する船
「さんふらわあ しれとこ」「さんふらわあ だいせつ」
その2関東~四国・九州編は、こちら↓
その3関西~九州編は、こちら↓