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1日に必要なタンパク質ってどれくらい?「体重✕◯g」で分かります!|食の大切さと身体への影響 #5

前回は、食べる順番が血糖値やホルモンに与える影響について解説しました。

今回は、近年ダイエットにおいて注目されている「タンパク質の摂取量」についてお話しします。

※本記事は、ベジタブルテック(株) 代表取締役 岩崎の動画のリライトです。栄養学について解説しています。動画はこちら


タンパク質の摂取目安

筋肉の維持や傷の修復、免疫機能において、タンパク質は欠かせません。
また、女性は男性よりも食事量が少ないため、タンパク質が不足すると月経や妊娠に関する問題が起きることがあります。

では、どれくらいタンパク質を摂取すべきなのでしょうか?

最近の研究によって、必要なタンパク質量が明確になってきました。
食事をするたびに唾液の酵素や汗、便などで体内のタンパク質は流出します。こうした日々の流出を考慮すると、最低限どれくらいタンパク質が必要かが分かってきました。
どういった人にどれくらいタンパク質が必要なのか?を説明します。

1日に必要なタンパク質は「体重✕0.8~1.6g」

イギリスの機関「国民保険サービス」(National Health Service。通称NHS)によると、成人におけるタンパク質の摂取量の基準は「男性は55g/日、女性は45g/日」です。しかし、体格や体重による個人差もあるため、「体重1kgあたり0.8~1.6g」が推奨されています。また、「1.7gを超えて摂取しても、それ以上はあまり効果がない」という研究結果もあります。

つまり、大人の場合、「体重1kgあたり0.8~1.6g」の範囲で摂取するのが理想的です。最大でも1.7gにしておくのがいいでしょう。

1日に必要なタンパク質量の求め方

タンパク質の摂取量は、1日あたりで算出することが多いです。
よく用いられるのは「体重(kg)✕◯◯g」という計算式で、その人の1日のタンパク質量が計算できます。

例えば、体重60kgの人であれば「60✕1.2=72g」や「60✕1.6=96g」とかけ算することで、1日のタンパク質量が出ます。これを3食に分けることで、1食あたりのタンパク質量を出すことができます。

アスリートは運動量が多いため、より多くのタンパク質が必要

アスリートの場合は運動量が多いため、より多くのタンパク質が必要です。

特に試合やトレーニングが続いている時期など、アクティブなシーズンは、「体重1kgあたり1.8~2g」のタンパク質を摂取することが推奨されています。運動を始めたばかりの初心者の場合は、1.3~1.8g程度で問題ないとされています。
また、オフシーズンには、1.7gで高止まりするので、運動しない時期は1.7g程度でも十分とされています。

特に運動している日や試合が繰り返される時期など、アクティブなシーズンにおける研究では、体重1kgあたり大体「1.8~2g」で十分と言われています。運動を始めたばかりの初心者の場合は、体重1kgあたり大体「1.3~1.8g」のタンパク質量でよいという研究報告があります。

健康的にダイエットするためのタンパク質量

ダイエット中はエネルギー制限を行うため、食事量が少なくなり、タンパク質摂取量が不足しがちです。このため、「筋肉が維持できるか心配」という声もよく聞かれます。

ダイエットでエネルギーを制限している時、タンパク質は最低限どれくらいとれば筋肉を維持できるのか?

筋肉維持に必要な量は「1.2g/体重1kg」

実は、ダイエット中でも、タンパク質を「1.2g/体重1kg」とれば筋肉を維持でき、それ以上摂取しても筋肉維持に効果がないことがわかっています。

タンパク質を摂りすぎると、減量効果は弱くなる

また、タンパク質を摂りすぎると、ダイエット効果が抑えられてしまうことも分かっています。当然ですよね。タンパク質にもカロリーがありますから。そのため、過剰摂取は避けたほうが良いです。

ダイエットの効果と筋肉の維持。
両方を効果的にするタンパク質の摂取量は、大体「体重1kgあたり1.2g」と考えれば大丈夫です。

おわりに

タンパク質の摂取量は体重や活動量によって異なりますが、様々な研究報告によって基準が分かってきたため、必要量が明確になっています。自分の体重やライフスタイルにあわせて、適切な量を摂りましょう。

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